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2021.08.20

メリットの方が多い!?離婚の慰謝料問題を「話し合い」で解決する方法

離婚の慰謝料問題は「話し合い」によって解決するとメリットがたくさんあります。法的な相場より高額な支払を受けられるケースもありますし、裁判をするより手間も費用も少なくて済みます。 今回は話し合いで離婚慰謝料を請求する方法を解説します。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶応義塾大学法学部法律学科卒業、上智大学法科大学院修了。個人法務から企業法務まで多様な案件に従事する。特に、離婚、相続を中心とした個人法務については、請求側・被請求側、裁判手続利用の有無などを問わず、数多くの案件を解決してきた実績を有する。

1.離婚で慰謝料請求できるケースとは

離婚するからといって、必ず慰謝料請求できるわけではありません。
離婚慰謝料が発生するのは、一方配偶者に「有責性」がある場合のみです。有責性とは、婚姻関係を破綻させた原因です。相手に問題行為がなければ、慰謝料は基本的に請求できないので注意しましょう。

たとえば以下のようなケースでは離婚慰謝料が発生します。

  • 相手が不倫した
  • 婚姻中、暴力を振るわれていた
  • 婚姻中、モラハラ被害を受けていた
  • 相手が生活費を払ってくれず、生活が困窮した

金額はケースにもよりますが、50~300万円程度が法律的な相場となるでしょう。

2.話し合いで慰謝料請求するメリット

話し合いで慰謝料請求するメリット

離婚慰謝料を請求するとき、必ずしも裁判する必要はありません。「話し合い」でも慰謝料を払ってもらえる可能性があります。相手に「慰謝料を払ってほしい」と話を持ちかけ、相手が了承すれば支払を受けられるのです。

話し合いで離婚慰謝料を請求する場合と、裁判する場合を比較すると以下のようなメリットがあります。

2-1.相場より高額になる可能性がある

裁判で離婚慰謝料を請求すると、裁判所が慰謝料額を決定します。その際には過去の裁判例等を踏まえた金額となり、それは必ずしも請求者の希望額にはなりません。請求者としては500万円払ってほしいと思っていても、裁判で500万円の慰謝料が認められるケースはかなり稀といえるでしょう。

一方話し合いで解決する場合、金額に制限はありません。相手が納得すればその金額で合意が成立し、支払を受けられます。500万円でも1,000万円でもかまいません(ただし、あまりにも法外な金額だと、後になって無効だと主張される場合があります)。裁判より高額な慰謝料を支払ってもらえる可能性があるのはメリットといえるでしょう。

2-2.厳密な証拠が不要

離婚裁判で慰謝料を請求するには、相手の有責性を証明するための証拠が必要です。不倫なら配偶者と不倫相手の肉体関係を示す証拠が必要ですし、暴力なら被害を受けた証拠を集めなければなりません。証拠がない場合には慰謝料請求は認められず、裁判に負けてしまうでしょう。

一方話し合いであれば、厳密な立証は不要です。相手が納得すれば、証拠を示さなくても慰謝料を払ってもらえます。不倫の確実な証拠を入手できなかった場合などには大きなメリットとなるでしょう。

2-3.手間なくスムーズに離婚問題を解決できる

離婚の際、裁判で解決するのは大変です。手間も時間もかかりますし、弁護士費用などのコストも大きくなるでしょう。対立がより顕在化し、争いが長期化することで相手との関係も大きく悪化する可能性がありますし、戸籍には裁判離婚をしたことが表示されますので、後日再婚するときなどに印象面で影響があるかもしれません。

話し合いで解決できれば、労力もコストも抑えることができます。スピーディに解決できますし、相手との関係性も悪化しにくいでしょう。

2-4.相手にお金がなくても支払ってもらえる可能性がある

慰謝料を請求しても、相手にお金がなければ支払を受けにくいものです。

特に訴訟の場合、支払を命じる判決が出たとしても、相手が自ら認めた支払ではないこと、判決は通常即時の一括払いを命じる内容になることから、特に相手に資力がない場合には、相手が支払に応じずに放置することが往々にしてあります。また、相手が無資力では強制執行による取り立てもできません。このように、相手に資力がない場合には、判決は「絵に描いた餅」となり、無意味になる可能性があります。

一方話し合いで解決する場合には、分割払いなど相手の支払能力に応じた解決方法を採用できます。一般的に、人は「判決で命令された支払はしなくても」「自分から約束した内容は守る」傾向があります。

さらに「公正証書」を作成しておけば、相手が支払を滞納したときに給料の差押えなどもできるので、より支払を受けやすくなるでしょう。

2-5.慰謝料の発生原因がなくても払ってもらえる可能性がある

本来、離婚慰謝料は不倫された場合や暴力を振るわれた場合など、相手に有責性のあるケースでしか発生しません。裁判の場合、明確な有責性が認められない限り裁判所は慰謝料の支払を命じません。

ただ、法的な意味で有責性があるとは言い切れないとしても迷惑をかけられたから慰謝料を払ってほしいケースもあるでしょう。

  • 婚姻中、相手が浪費したので生活が苦しかった
  • モラハラと言えるほどかどうかはわからないが、精神的にプレッシャーをかけられた
  • 不倫はしていないかもしれないが、特定の異性と仲良くされすぎて婚姻関係が破綻した

上記のような場合、訴訟では慰謝料が認められないでしょう。一方で話し合いなら慰謝料を払ってもらえる可能性があります。法的な慰謝料の発生場面でなくても話し合いなら請求できる可能性があるのも、メリットの1つとなるでしょう。

3.話し合いで離婚慰謝料を払ってもらう方法

話し合いで離婚慰謝料を払ってもらいたいときには、以下のように進めましょう。

3-1.相手に離婚と慰謝料の支払を打診する

まずは相手と離婚の話し合いをしましょう。折りをみて相手に「離婚したい」と切り出し「慰謝料を払ってほしい」と伝えます。この際、以降は相手の有責性についての証拠収集が難しくなることには注意が必要です。前記のとおり、話し合いでの解決の場合、証拠は必須ではないですが、証拠がある方が有利に交渉を進めやすいところはあります。証拠収集を行うご予定があるなら、相手に話し合いを持ちかける前に完了しておきましょう。

3-2.話し合って合意する

相手と話し合い、離婚することや慰謝料を含めた離婚条件について合意します。その際、必ず「合意書」を作成してください。口頭の約束では守られないおそれが高くなります。

3-3.公正証書を作成する

合意書は「公正証書」にしましょう。公正証書があれば、相手が後に不払いを起こしたときにすぐに預貯金や給料を差し押さえられます。また公正証書の存在がプレッシャーとなって相手も「払おう」という気持ちになるので、そもそも不払いが起こりにくくなる効果もあります。

4.話し合いを弁護士に依頼するメリット

話し合いを弁護士に依頼するメリット

4-1.有利な条件で合意しやすい

話し合いを弁護士に依頼すると、弁護士が法的な観点から相手を説得します。当事者同士で話し合いをするより、慰謝料や財産分与が高額になるなど、有利な条件で離婚できる可能性が高くなります。

4-2.手間とストレスがかからない

自分で離婚交渉をするのは手間になりますし、大変なストレスがかかります。弁護士に依頼することで、自分で相手と交渉する労力がかからず、相手と直接話さずに済むので精神的にも楽になるでしょう。

4-3.公正証書の手続きも安心して任せられる

公正証書を作成した方が良いのはわかっていても、慣れない手続でもあり、自分たちだけでは面倒でなかなか作成しにくいものです。弁護士に任せれば、公正証書作成まできっちり対応してもらえるので安心です。後日確実に支払を受けやすくなり、メリットが大きくなるでしょう。

まとめ

話し合いで離婚慰謝料を請求すると、いろいろなメリットがあります。慰謝料支払いに関する合意ができたら、必ず「公正証書」を作成しましょう。

当事務所では、離婚問題を抱える方の支援体制を整えています。話し合いの代理も積極的に引き受けており、公正証書の作成まできっちり対応いたします。お悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談ください。

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