コラム

裁判で離婚できる理由は5つ!どんなケースが当てはまるの?

裁判で離婚できる理由は5つ!どんなケースが当てはまるの?

裁判で離婚するには5種類の「法定離婚理由」のうち1つ以上が必要です。
不貞、悪意の遺棄、DVなどが典型的な離婚理由となります。
相手が離婚に納得しない場合や離婚条件に折り合いがつかない場合、法定離婚理由があるかどうか検討し、あれば訴訟を起こして離婚を進めましょう。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶応義塾大学法学部法律学科卒業、上智大学法科大学院修了。個人法務から企業法務まで多様な案件に従事する。特に、離婚、相続を中心とした個人法務については、請求側・被請求側、裁判手続利用の有無などを問わず、数多くの案件を解決してきた実績を有する。

5種類の離婚理由

訴訟で離婚するには5種類の「法定離婚理由」のうち1つ以上が必要です。
法定離婚理由とは、民法が定める以下の5種類の事情です。

  • 不貞
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復しがたい精神病
  • その他婚姻関係を継続しがたい重大な事由

それぞれについて解説します。

不貞

「不貞」とは夫婦の一方が配偶者以外の人と肉体関係を持つことをいいます。
一般的には「不倫」や「浮気」といわれる行為です。
相手が不定したら訴訟によって離婚を認めてもらえますし、慰謝料も請求できます。
ただし訴訟で離婚が認められるには「不倫の証拠」が必要です。

悪意の遺棄

悪意の遺棄は「婚姻関係が破綻してもかまわない」という意図のもとに相手を見捨てる行為です。

  • 生活費を払わない
  • 正当な理由のない家出
  • 正当な理由のない同居拒否

上記のような行為が典型的な悪意の遺棄になります。

3年以上の生死不明

配偶者が3年以上「生死不明」の状態になると離婚理由として認められます。
ただし「生死」不明でなければならず「生きているが行方不明」の場合には離婚理由になりません。

また7年以上行方不明状態であれば「失踪宣告」を申し立てて死亡した扱いにもしてもらえます。
離婚か相続、どちらのメリットが大きいかはケース・バイ・ケースなので、個別に検討して判断すべきです。

回復しがたい精神病

相手が「回復しがたい精神病」にかかっていて一定要件を満たせば訴訟で離婚を認めてもらえます。
ただし「回復しがたい精神病」というためには統合失調症や双極性障害、偏執病などの精神病で「極めて重度」でなければなりません。
また離婚に至るまでの夫婦生活において「これまで療養看護につとめてきた事情」も必要とされます。
さらに離婚後、「病気の配偶者が生活できる状況」を用意しないと離婚は認められにくくなります。

その他婚姻関係を継続しがたい重大な事由

上記の4種類の法定離婚理由に準じるほど重大な事情があって婚姻関係の継続が困難な場合には訴訟で離婚が認められます。

典型的には以下のような事情が該当します。

  • DV
  • モラハラ(ただし具体的な内容による)
  • 長期間の別居

離婚理由にならない事情

離婚理由にならない事情

以下のような理由だけでは法定離婚理由として認められず、訴訟では離婚できない可能性が高くなります。

  • 性格の不一致
  • 宗教や思想、支持政党の相違
  • 相手の実家と仲が悪い
  • 借金グセ

ただし上記のような事情がきっかけであっても、夫婦が不和となってお互いにやり直す意思を失った場合、家族の生活に重大な支障が生じている場合や長期間別居した場合などには、離婚が認められるケースもあります。

協議や調停では法定離婚理由は不要

協議離婚や調停離婚の場合、5つの法定離婚理由は不要です。
夫婦が「離婚すること」にさえ合意すれば、理由は何でもかまいません。
日本では「性格の不一致」を理由に離婚を希望する方が多数ですが、協議・調停なら性格の不一致でも離婚が成立します。

ただし性格の不一致しか離婚理由がない場合、訴訟を起こしても離婚できない可能性が高くなります。
離婚を考えたら「なぜ離婚したいのか」考えてみてください。
その事情が「法定離婚理由」になるか検討しなければなりません。

訴訟が必要となるケースや訴訟に至る流れ

訴訟が必要となるケースや訴訟に至る流れ

日本で訴訟によって離婚する件数は、離婚件数全体の1%程度です。
どういった状況であれば訴訟が必要になるのか、訴訟に至るまでの流れも含めてみてみましょう。

相手がどうしても離婚に応じない

協議や調停で離婚するには夫婦が双方とも離婚に合意しなければなりません。
相手がどうしても離婚に応じない場合、訴訟で離婚を認めてもらうしかありません。

親権について争いがある

離婚後、子どもの親権者になれるのは父か母の一方のみです。
両親が双方とも親権者になりたいと希望している状態では協議・調停で離婚できません。
最終的に裁判所に親権者を決めてもらう必要があります。

財産分与の方法で合意できない

財産分与の方法は、基本的に夫婦が話し合って決めなければなりません。
お互いに任意で手持ちの財産を開示し、計算を行って分け方を決める必要があります。
相手が財産隠しする場合、財産分与の方法に関して争いがあって合意できない場合などには話し合いが難しくなるでしょう。
訴訟や審判で裁判所に財産分与方法を決めてもらうしかありません。

慰謝料について合意できない(不倫を否定されるなど)

配偶者に不倫されたら「慰謝料請求したい」と考える方が多数です。
しかし不倫した本人が不倫を認めるとは限りません。
「不倫はしていないから慰謝料を払わない」と反論されるケースが多々あります。
そんなときには訴訟を起こして不倫の事実を立証し、裁判所から慰謝料の支払い命令を下してもらわねばなりません。
不倫の事実が認められたら法定離婚理由になるので、相手が拒否しても離婚が認められます。

調停前置主義

夫婦間で対立が発生して離婚協議の交渉が決裂しても、いきなり離婚訴訟を起こせるわけではありません。
「調停前置主義」が適用されるからです。
訴訟の前にまずは「離婚調停」を申し立てなければなりません。
離婚調停が不成立になってはじめて訴訟を起こせます。
相手と話し合って合意できなければ、まずは相手の住所地の管轄の家庭裁判所で離婚調停を申し立てましょう。
調停を行うメリットもあります。
たとえば自分たちだけで話し合うと解決できなかったケースも、調停委員が間に入ると合意できるケースが少なくありません。

弁護士を代理に立てる

離婚協議が決裂したとき、調停前に弁護士を立てて交渉を進める方法も有効です。
頑なに離婚を受け入れない相手でも、弁護士をつけて離婚通知を送ったらあきらめて応じるケースが少なくありません。
財産分与や不倫の慰謝料などの対応についても同様です。
弁護士をつけることで訴訟に持ち込まずに早期解決できる可能性が高まるメリットがあります。

まとめ

訴訟で離婚するには民法の定める「法定離婚理由」が必要です。
不倫や家出、生活費不払い、DVなどの事情を立証できれば、通常は裁判所が離婚判決を書いてくれますし慰謝料請求も可能です。
相手と話し合っても合意できないなら、離婚訴訟を検討しましょう。

協議が決裂しても、弁護士を間に入れて交渉すると相手が折れて協議離婚できるケースも多々あります。
また弁護士には調停や訴訟も委任できます。
離婚の交渉が決裂しそうになったら今後の対応を定めるためにも、一度離婚に詳しい弁護士に相談してみるようお勧めします。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

本記事では法律上の離婚理由についてご案内いたしましたが、弊所にご相談いただけましたら、離婚理由があるケースや離婚に争いがないケースでは、慰謝料を含めて考え得る最大限の請求をご提案させていただき、その確保を目指して手続を進めて参ります。一方離婚理由がない場合でも離婚に至るケースは多くありますので、相手にとって離婚を拒絶することが合理的でないと考えられる状況をどのように作っていくか、最適と考える解決方法をご提案させていただきます。

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