コラム

公開 2022.01.11

弁護士が解説!よくわかる離婚時の年金分割の仕組みと手続き

弁護士が解説!よくわかる離婚時の年金分割の仕組みと手続き

離婚するとき、「年金分割」できるケースがあります。
年金分割には「合意分割」と「3号分割」があり、合意分割するには相手と話し合って合意をとりつけなければなりません。
離婚後に年金事務所へ行って手続きを行う必要もあります。
年金分割の期限は離婚後2年なので、早めに対応しましょう。

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離婚時年金分割とは

離婚するときには「年金分割」できるケースがあります。
年金分割とは、夫婦が結婚生活において払い込んだ「年金保険料」を分け合い、お互いが将来受け取る年金額を調整する制度です。
年金額の多い方から少ない方へと受取額が移リます。
年金分割の手続きをしておくと、相手より年金の少ない方や主婦で相手の扶養に入っていた方などは、高齢になったときに受け取れる年金が増額されます。

なお年金分割が適用されるのは、「厚生年金」であり、国民年金には適用されません。
夫婦の片方や双方が会社員や公務員で厚生年金に入っていたら、年金分割を利用できます。

これまで主婦やパートだった方が熟年離婚される場合などには、将来の生活を守るために必ず年金分割を行いましょう。

2種類の離婚時年金分割

年金分割には以下の2種類があり、それぞれ手続きの方法が異なります。

3号分割

3号分割は、夫婦の一方が相手方の扶養に入っている「3号被保険者」だったときに適用される年金分割です。
3号分割を行う場合、相手の合意は要りません。
離婚後に請求者が年金事務所へ行けば、一人で手続きができます。
分割割合は0.5(半分ずつ)になります。

ただし3号分割が適用されるのは平成20年4月1日以降の婚姻期間中の第3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録のみであり、
それ以前分については次に説明する合意分割をしなければなりません。

合意分割

合意分割は、相手(被分割者)の合意が必要となる年金分割です。
「年金分割すること」と「年金分割割合」の2点について合意しなければなりません。
基本的には離婚後、2人で年金事務所へ行って手続きを行う必要があります。

合意分割が適用されるのは以下のような「3号分割が適用されないすべてのケース」です。

  • 平成20年3月31日以前の年金払込分がある
  • 相手の扶養に入っていない(3号被保険者ではない)

たとえば平成20年3月以前から婚姻している夫婦の場合、
妻が専業主婦でも一部は合意分割が必要となり、結局は相手と話し合う必要があります。
婚姻年数が20年以上となるような熟年離婚のご夫婦の場合、合意分割しなければならないケースが大半です。

離婚時年金分割の進め方

離婚時年金分割の進め方

3号分割

3号分割の場合、離婚前には特別な対応は不要です。
離婚後、年金事務所へ行って「標準報酬改定請求書」を作成し、提出すれば手続きが完了します。
戸籍謄本や年金手帳などの書類が必要となるので、事前に年金事務所に必要書類を確認の上、用意して持参しましょう。

合意分割

1.年金分割情報通知書を取得する

合意分割する場合、まずは年金事務所へ申請して「年金分割情報通知書」を送ってもらいましょう。
申請すると、1~2週間程度で自宅あてに送付してもらえます。

2.相手と合意する

年金分割情報通知書に書かれている情報を参考にして、相手と話し合い「年金分割すること」について合意を取りましょう。
このとき「分割割合」についても決める必要があります。
定められる分割割合の範囲は「年金分割情報通知書」に記載されています。

合意ができたら「年金分割に関する合意書」を作成するか、
「離婚協議書」に年金分割についての合意内容を書き込んで、双方が署名押印しましょう。

3.離婚する

年金分割の合意ができて合意書を作成したら、離婚届を作成して離婚します。

4.年金事務所で「標準報酬改定請求書」を提出する

離婚後、相手と一緒に年金事務所へ行き「標準報酬改定請求書」を提出しましょう。
年金手帳や戸籍謄本、年金分割に関する合意書や離婚協議書などの書類、本人確認書類が必要となります。
書類を提出すると、年金分割の手続きが完了します。

公正証書等がある場合

年金分割の合意書を「公正証書」で作成した場合、または、年金分割の合意書に公証人の認証を受けている場合、
離婚後に年金事務所へ行くのは請求者1人でかまいません。
離婚後に相手と一緒に年金事務所へ行くのが難しい方は、離婚前に公正証書で合意書を作成するか、
合意書に公証人の認証を受けておくとよいでしょう。

相手が合意してくれない場合の対処方法

合意分割するには、基本的に被分割者の合意が必要です。
ただし相手が合意しない場合、以下のように手続きを進めれば最終的に相手方の合意がなくても年金分割を受けられます。

年金分割調停を申し立てる

相手が年金分割に応じないなら、家庭裁判所で年金分割調停を申し立てましょう。
調停が始まると、2名の調停委員が間に入り、相手に年金分割に応じるよう説得してくれます。
相手が納得して年金分割に応じれば、調停が成立して合意分割できます。
調停が成立すると、家庭裁判所から「調停調書」が送られてくるので、年金事務所へ持参して標準報酬改定請求書を提出しましょう。
調停調書によって合意分割するときには相手に同行してもらう必要はありません。

年金分割審判を出してもらう

調停でも相手が年金分割に納得しない場合、年金分割調停は不成立となって「審判」に移行します。
審判では相手が納得しなくても、審判官が年金分割の決定を出してくれます。
審判になったときの分割割合は通常、0.5(2分の1)となります。

審判が出たら、審判書と確定証明書を年金事務所へ持参すれば、
相手がいなくても標準報酬改定請求書を提出して年金分割の手続きができます。

離婚時年金分割の期限

離婚時年金分割の期限

年金分割には「期限」があるので、遅れないように注意してください。
「離婚後2年以内」に年金事務所で標準報酬改定請求書を提出しないと、請求を受け付けてもらえなくなってしまいます。
もしも相手が合意してくれなくて離婚後2年が経過しそうな場合、早めに年金分割調停を申し立てましょう。

調停や審判の進行中は時効が止まります。
調停や審判の途中に離婚後2年が経過しても、調停が成立するか審判が確定した後6ヶ月以内であれば、
年金事務所で手続きを受け付けてもらえます。

ただし調停成立や審判確定後期限を過ぎると手続きできなくなってしまいます。
調停や審判の結果が出たら、早めに年金事務所へ行って標準報酬改定請求書を提出しましょう。

まとめ

年金分割の手続きには「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。
熟年離婚のケースなどで3号分割が適用されない場合には、合意分割しなければなりません。
離婚前に相手と話し合い、年金分割の合意をとっておきましょう。
どうしても合意してもらえない場合には調停や審判を申し立てると年金分割してもらえます。
自分で交渉するのが難しい場合、弁護士に相談してみてください。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

・離婚時の年金分割について、手続き含めご不安な点があれば、ご相談に乗り、
 今後の手続きについてアドバイスさせていただきます。

・離婚時の年金分割について、相手方と合意ができない場合には、
 調停手続きや審判手続きを行い、年金分割の手続きが進むようにサポート致します。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、一橋大学大学院法務研究科修了。離婚、相続問題等の一般民事事件や刑事事件、少年事件、企業の顧問など、幅広い分野を取り扱う。
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