法律事務所オーセンスの離婚コラム

裁判で離婚できる?5つの離婚原因

裁判で離婚できる?5つの離婚原因

当事者の話し合いで離婚の合意が出来ず、裁判所を通して強制的に離婚を認めてもらうためには、法律に定められた離婚事由があることが必要です。専門用語で「法定離婚事由」と呼ばれる条件は、

  • ・配偶者に不貞な行為があったとき
  • ・配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • ・配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • ・配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • ・その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

の5つです。[注1]

[注1] e-Gov:民法 第七百七十条
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089_20180401_429AC0000000044&openerCode=1#2796

裁判には証拠の用意を

裁判には証拠を!

裁判はあくまでも証拠を積み上げてお互いの主張をぶつける場所です。相手の問題点を客観的に証明できる証拠を用意して裁判に臨むことが大切です。

離婚裁判を考えている場合は、ケース別にどのような証拠を用意したらいいのかを知っておきましょう。今回は、裁判で離婚を求める際に知っていると役立つ5つの離婚原因と用意しておきたい証拠をご紹介していきます。

事例1. 浮気・不倫をしている

法的に離婚が認められる条件5つ(法的離婚事由)

裁判で認められる離婚原因の代表格が、浮気・不倫です。

ホテルの出入りを捉えた写真などの証拠があるとよい

相手の浮気・不倫を原因として離婚裁判を起こす場合、相手の不貞行為を推測できる証拠を裁判所に提出することが重要です。

不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます。

不貞の証拠としては、二人でラブホテルや自宅などに出入りしている写真や動画が考えられますが、以下のようなものも、不貞行為の証拠として考えられます。

  • ・不貞関係を認めるメール・SNS・手紙のやり取り
  • ・不貞相手と宿泊したときのホテルの領収書

不貞行為を離婚事由として離婚裁判を起こす場合は、「相手側の不貞行為により婚姻関係が壊れてしまった」という理由で、配偶者と不貞相手に慰謝料を請求できます。

長期間にわたる不貞行為であれば相場以上の慰謝料が認められる場合もあるので、弁護士や探偵などを頼って証拠を複数押さえてから裁判を起こすとよいでしょう。

事例2. 生活費を渡さなかったり、家のお金を使み借金をしたりしている

さきほど、裁判で離婚を請求できる5つの法定離婚事由について解説しました。
以下のような金銭関連の問題がある場合、上記5つの法定離婚事由のうち、「悪意の遺棄」または「その他婚姻を継続し難い重大な事由」で離婚を請求できる場合があります。

  • ・十分な収入があるにも関わらず生活費を渡さない
  • ・ギャンブルや趣味のためにお金を使い込み、多額の借金をしている

但し、相手との金銭感覚のずれや、借金・浪費といった問題があるだけでは、法定離婚事由にはあたりません。そのため、このような金銭関連の問題による離婚事由を裁判所に認めてもらうためには、具体的な状況から、どれだけ婚姻関係の継続が困難になっているかを裁判所に示す必要があります。

金銭問題が原因の場合は、具体的に数値で見せることが大切

生活費の不払いによる離婚事由を裁判所に認めてもらうためには、具体的な数値を用いて、収入、資産、家計の状態から生活費が不十分である旨を主張することが大切です。生活費の不払いを示す証拠としては、家計簿や通帳のコピーを用意しておくとよいでしょう。

また、浪費や借金による離婚事由を裁判所に認めてもらうためには、遊興費の性質を具体的に主張するほか、金額や頻度について具体的に数値で見せることが大切です。但し、どこまでが必要な出費でどこからが浪費になるのかは世帯収入などによっても変わるので注意が必要です。

使い込みや借金の返済に追われて生活できない証拠として家計簿などを用意したり、浪費の証拠となるレシートや領収書、クレジットカードの利用明細、通帳のコピーなどを用意したりしておくとよいでしょう。

事例3. DV

DVの問題がある場合、上記5つの法定離婚事由のうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」で離婚を請求できる場合があります。

本来であれば、第三者を暴行し、傷害が発生すれば、傷害罪に当たるため、基本的には警察への相談が有効です。

ただし加害者と被害者が夫婦だと、DVを家庭内のトラブルだと捉えられてしまい、適切な保護などを受けられない場合もあります。また証拠を残していない場合、警察にDVの事実を理解してもらえず、逆上した配偶者からさらにひどいDVを受けることになることもあり得ます。DVを離婚原因として裁判を起こす場合は、できるだけ多くの証拠を用意しておきましょう。

裁判では録音や医療機関の診断書などでDVの記録を提出することが重要

DVを離婚原因として裁判を起こす場合は、以下のような証拠が考えられます。

  • ・DVにより傷害を負った旨の医療機関の診断書
  • ・DVがあった際の状況の録音
  • ・DVがあった際の状況などを記録した日記

生命にかかわる問題に発展しかねない緊急性の高いDV問題を抱えている場合は、自治体などが運営しているDV被害者用のシェルターなどを利用して相手と距離を置くこともできます。

ご家庭や相手によって適切な方法が異なるからこそ、少しでも相手にDVの要素を感じたら信頼できる周囲の人や弁護士などへ相談しましょう。

また、DVを離婚事由として離婚裁判を起こす場合は、DV被害を理由に、配偶者に対し、慰謝料を請求できます。

また、DVなどで心身に受けた被害を理由に相手を告訴等することも可能です。

事例4. 長期間にわたるセックスレス

デリケートな話題だけにあまりおおっぴらに話されることは少ないですが、夫婦が離婚する原因には「性生活の相性の悪さ」も含まれます。原則的には多少性行為の期間があいたとしても、ただちに裁判で離婚が認められるわけではありません。

実際問題として、女性は子どもを産むと体に大きな負担がかかりますし、慣れない育児や授乳に疲れてそういった気分になれない場合もあるでしょう。

しかし、特段の事情がなく「相手が嫌いだから」「自分がしたくないから」と性行為を長期間拒否し続けた場合、男女関係なくセックスレスが「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する可能性もあります。

長期間セックスを拒否されたことを書いた日記等があるとよい

長期間のセックスレスの証拠としては、たとえば、セックスを拒否されたことを書いた日記等や、セックスに応ずるように説得したことを示すメール等が考えられます。誘いをかけた日付やその際の相手方の言動・対応を記録したものを用意しましょう。

事例5. 何らかの罪を犯した

相手が何らかの罪を犯した場合、犯罪行為をしたことのみを理由として、必ずしも他の配偶者からの離婚の請求が認められるわけではありません。
しかし、犯罪の内容やその程度によっては、服役の事実により長期にわたり別居状態になったり、実刑でなくても、家族の名誉が傷つけられ、家族の生活に困難がもたらされたりしたことで、婚姻関係が破綻したような場合には、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」として離婚が認められる可能性があります。刑事確定記録を用意するほか、相手の犯罪行為が婚姻生活に与えた影響を具体的に主張するとよいでしょう。

まとめ

協議離婚や調停離婚ができない場合でも、法定離婚事由があれば、離婚裁判を起こして離婚をすることは可能です。ただし、原則として証拠がなければ裁判では考慮してもらえません。

法定離婚事由があることを証明するためにも、また慰謝料をもらって新生活を安定させるためにも証拠が重要です。離婚を決意したら、一度弁護士に相談することをおすすめします。

このコラムの監修者

藤本奏恵 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士藤本 奏恵(第二東京弁護士会所属)

早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事事件や刑事事件など幅広く取り扱う。

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