法律事務所オーセンスの離婚コラム

離婚時には離婚協議書を作成しトラブルを防ごう

離婚時には離婚協議書を作成しトラブルを防ごう

離婚協議書は、養育費、面会交流の頻度、財産分与などについて取り決めた書類のことです。

離婚の条件を決めても、約束を破るなどでトラブルに発展することは少なくありません。離婚後もお互いが快適に暮らしていくためにも、離婚協議書を作成しましょう。

ここでは、離婚協議書のメリット・デメリットや作成手順、書き方についてご紹介します。

このコラムの監修者

藤本奏恵 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士藤本 奏恵(第二東京弁護士会所属)

早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事事件や刑事事件など幅広く取り扱う。

離婚協議書を作成することの3つのメリット

離婚協議書作成のススメ

離婚協議書を作成することには3つのメリットがあります。これらのメリットから、たとえ協議離婚であっても離婚協議書を作成する方が増えています。

1. 約束事を記録できるのでトラブル防止になる

離婚するときは、互いに話し合いのうえ、慰謝料や財産分与、親権、養育費などを決定します。協議で折り合いがつかない場合は、家庭裁判所の調停・裁判を通して取り決めることになりますが、夫婦の話し合いの結果、離婚が決まった協議離婚の場合には、離婚届さえ提出すれば離婚が成立します。

しかし、口約束だけで離婚の条件を決めて離婚をした場合、離婚前に約束事を取り決めたにも関わらず、その約束事が離婚後に守られないケースも頻発しているのが現実です。養育費や慰謝料の取り決めをしても、そんな約束をした覚えはないと言われれば、泣き寝入りとなる可能性があります。

そんなときに、離婚協議書があれば安心です。協議して決めた内容を証拠として残しておけるので、離婚後も長く役立つでしょう。

さらに、協議離婚書を公正証書にすれば、債務を怠った場合に強制執行手続きが可能になります。詳細については後述いたします。

2. 手書きでも作れて合意しやすい

離婚協議書は、夫婦で協議した内容を記載し、お互いが署名捺印することで作成可能な書類です。インターネット上には離婚協議書のひな形などもありますし、手書きでも比較的作成しやすいでしょう。もっとも、インターネットなどで手に入る離婚協議書のひな形は、多くの人に当てはまる可能性の高い必要最低限の体裁を整えているだけなので、各夫婦の実情や希望に合わせるためには、離婚協議書の内容を作り直す必要があります。また、後述のとおり、公正証書を作成することも検討するようにしましょう。

3. 約束事に対するお互いの意識が高まる

離婚協議書を作成しておけば、約束事に対するお互いの意識が高まります。口約束で曖昧にしていると、相手が約束を忘れたり、約束をしていないと言い始めたりして、慰謝料や養育費を支払わないなどのトラブルにも発展しかねませんが、離婚協議書があればより約束事を認識させられるでしょう。一方、離婚協議書がないとトラブルを解決するまでに多大な労力と時間、費用などがかかってしまいます。

離婚協議書にはデメリットもある

離婚協議書の作成には、以下のようなデメリットもあります。

1. 作成完了までに時間がかかる

まず、相手と離婚協議書を作るには、それなりの時間を要することを理解しておきましょう。養育費や財産分与、慰謝料などさまざまな項目を確認のうえ、パートナーと協議し、文言を決めていく必要があるので、すぐには作成できません。
基本的には、離婚届を出す前に離婚協議書を作成してから離婚するのがおすすめです。

2. 専門家に作成依頼をすると費用がかかる

離婚協議書は自分で作成することも可能ですが、必要な内容を漏れなく記載した書類にするためには、弁護士などの専門家へ相談するのがおすすめです。ただしその場合、一般的に費用が発生してしまうことは覚悟しておきましょう。

離婚協議書作成の3つのステップ

ここでは、離婚協議書作成にあたっての取り決め手順をご紹介します。

1. 取り決めておきたいことをリストアップする

まずは、離婚協議書の作成前に取り決めておきたいことをリストアップします。

以下で一般的な項目をご紹介します。

  • ・親権者の指定
  • ・養育費の額・支払い方法
  • ・子どもの面会交流
  • ・財産分与の額・支払い方法
  • ・慰謝料の額・支払い方法
  • ・年金分割
  • ・離婚後の連絡方法
  • ・公正証書にするかどうか

ほかにも、夫婦にとって決めておきたい内容がないか、振り返ってみましょう。

2. パートナーと丁寧に話し合う

上記で挙げた項目をパートナーと話し合いながら決めていきます。事前に考えておいた取り決め内容のほかにも必要な事項があれば付け加えて、話を具体化させておきましょう。

特にお金のことは重要です。曖昧にせず、きちんとした額・支払い方法を決定しましょう。一つひとつ細かく決めておいたほうが、後に離婚協議書を作成するときもスムーズです。

3. 離婚協議書を作成する

離婚協議書は一つひとつの決め事を詳細に記載していく必要があります。時間はかかりますが、根気強く進めていきましょう。

具体的な記載方法については以下で説明しますが、それでも分からない場合は、弁護士といった法律の専門家に相談するといいでしょう。

離婚協議書の書き方はこちら!約束事の合意書は具体的に

離婚協議書の書き方

ここからは、実際に離婚協議書を作成する際の一般的な書き方を見ていきましょう。慰謝料や養育費など、パーツ別に書き方をチェックしてみてください。

なお、離婚協議書の内容は、誓約書とは異なります。誓約書は、相手に一方的に約束を守らせるための書面ですが、離婚協議書は、離婚時における双方の合意です。

書き方について不明な点がある場合、複雑で分からないときは、弁護士に相談することをおすすめします。

1. 離婚合意の旨

夫婦が離婚に合意した旨を書き込むことは、離婚協議書で大事なことです。具体的な項目は以下のとおりです。

  • ・離婚届を役所に提出する人
  • ・離婚届を提出する時期

まずは、夫婦のどちらが離婚届を提出するのか、確認しておきましょう。

2. 親権者の決定

親権者の決定では、子どもの名前の前に、「長女」「長男」など続柄も書くのが一般的です。

3. 養育費の額・支払い方法

子どもがいる場合、養育費について、以下をポイントに決めて書きましょう。

  • ・養育費の額
  • ・養育費の支払い日、支払い方法
  • ・支払期間

月いくら、子どもが何歳になるまで支払うのか、などを決定してください。養育費の額の相場などについて確認したい場合は、弁護士に相談すると安心でしょう。

4. 子どもの面会交流

離婚時に子どもがいる場合、子どもと離れて暮らす親が、子どもと面会交流する頻度や条件についても、話し合っておくとよいでしょう。パートナーとの関係性に応じ、以下の具体的な項目を離婚協議書に記載する場合もあります。

  • ・面会の頻度
  • ・1回の面会時間
  • ・面会する場所
  • ・長期休暇(夏休みなど)の場合の取り扱い
  • ・面会交流で発生する費用の負担
  • ・面会交流ができなくなった場合の条件(病気になった場合など)
  • ・学校行事への参加

子どもの都合にも配慮し、お互いに無理のないかたちで話し合っていくことをおすすめします。

5. 財産分与はきちんと分けること!

離婚協議書で財産分与の項目を作る場合は、まずは、財産分与となる財産全体をきちんと把握しておく必要があります。

その上で、一方が財産分与として金銭を支払う場合は、下記を参考に財産分与について記載しておくとよいでしょう。

  • ・財産分与の金額
  • ・財産分与の支払い期限、支払い方法

6. 慰謝料の額・支払い方法

離婚時の慰謝料とは、パートナーの不貞行為やDVなどにより、精神的苦痛を受けた場合に支払われる費用のことです。
下記の点を記載しておきましょう。

  • ・慰謝料の額
  • ・慰謝料の支払い期限、支払い方法
  • ・(分割の場合は)分割金額、及び各支払い期限

7. 年金分割

婚姻期間中に夫婦で納めた婚姻期間中の保険料納付記録を夫婦で分ける年金分割制度があります。離婚時年金分割の対象となるのは、厚生年金や共済年金です。
必要に応じて、離婚協議書に記載しておくとよいでしょう。

8. 公正証書にするかどうか

当事者間で作成した離婚協議書は、強制力はありません。また、離婚協議書に改ざんを加えるなど、悪質なトラブルも発生しています。そのようなトラブルを防ぎたい方に、公正証書は強い味方となります。

公正証書は、夫婦で決めた財産分与、養育費、慰謝料などの離婚条件を公証役場で作成した書面です。離婚協議書を強制執行認諾付公正証書にすると、相手方が金銭債務を怠った場合に、裁判所を通じて、財産などを差し押さえる強制執行手続きがとれます。

公正証書があれば未払いの養育費なども、強制執行をする手続きができます。公正証書を作る際に費用がかかりますが、離婚後の支払い面もより安心でしょう。

まとめ

離婚時の離婚協議書は、数多くの項目について、それぞれ詳細を取り決めることは面倒に感じる方も多いかもしれませんが、一つひとつの約束事を相手と確認する意味でも大事な役割があります。

また、離婚協議書を公正証書にすれば、よりトラブルを防ぐ手段になります。

ただし、離婚協議書の内容に不備があると、かえってトラブルにつながってしまうため、内容には十分注意を払う必要があります。
不安な点があれば、1人で悩まず弁護士に相談することをおすすめします。

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