法律事務所オーセンスの離婚コラム

不倫の謝罪文について

不倫の謝罪文について

配偶者に不倫されると、不倫相手に「謝罪文」を要求したいと考えるものです。

しかし不倫された被害者が不倫相手に対し謝罪文を要求する権利は、法的に認められるものでないので注意が必要です。
また謝罪文を書かせるメリットやデメリットとしてどういったことが考えられるのか、正しい知識を持って対応しましょう。

今回は「不倫の謝罪文」について法律的な観点から弁護士が解説します。

このコラムの監修者

甲野裕大 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士甲野 裕大(第二東京弁護士会所属)

中央大学法学部法律学科卒業、中央大学大学院法務研究科修了。離婚、交通事故、相続問題などの一般民事事件を中心に、幅広い分野に積極的に取り組む。

1.謝罪文を書かせる法的な権利は認められない

不倫相手に慰謝料請求をするとき「相手に謝罪文を書いてほしい」と希望する方は非常にたくさんおられます。たいていの方は「不倫されて迷惑をかけられたのだから、謝罪文くらい書いてもらって当然」という発想をお持ちです。
しかし法的には「謝罪文を書かせる権利」は認められません。

配偶者に不倫されたら、被害者は配偶者へ離婚請求できます。配偶者が離婚を拒絶しても訴訟による離婚が可能です。
また不倫は民法上の不法行為となるので、不倫された被害者は配偶者と不倫相手に慰謝料を請求できます。相手が慰謝料を払わない場合、裁判をして強制的に慰謝料を払わせることも可能です。

しかし「謝罪文を書かせる権利」は法的に保障されません。不倫相手が任意に謝罪文を書くなら受け取れますが、相手が拒絶するときに無理矢理書かせることはできないのです。

「不倫されても謝罪文を受け取れるとは限らない」ことをまずは押さえておきましょう。

2.謝罪文を書かせるメリット

不倫相手に謝罪文を書かせるとどういったメリットがあるのかみていきましょう。

2-1.気持ちがスッキリする

1つは、不倫された被害者の気持ちの問題です。不倫相手がきっちり非を認めて心から謝罪すると、「許せない」と激しく憤っていた気持ちも少しは和らぐ可能性があります。

2-2.不倫されたことがはっきりする

不倫されても、相手が認めなければ事実があいまいにされる可能性があります。
「不倫して申し訳ありませんでした」とはっきり謝罪文に書かせることにより、「不倫された事実や時期」を明らかにできます。

2-3.裁判の証拠に使える可能性がある

謝罪文を書いてもらって納得すればそれ以上慰謝料を請求しないケースがありますし、配偶者との離婚を見送るケースもあります。しかし後にトラブルが拡大するなどして状況が変わったら、「やっぱり不倫相手や配偶者に慰謝料請求したい、離婚したい」と考えるかもしれません。そのようなとき、不倫相手から差し入れられた謝罪文を裁判の証拠に利用できる可能性があります。

3.謝罪文を書かせるデメリット

謝罪文を書かせると、以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。

3-1.提出された謝罪文に納得できない可能性がある

1つは、不倫相手から提出された謝罪文の内容に納得できない可能性です。
不倫された被害者は不倫相手に対し強い憎しみを抱いているので、実際にはどのような謝罪文を提出されても納得できない方が多数おられます。
たとえば「すみませんでした」などの簡潔なものが送られてくると「ふざけているのか」「まったく反省していない」と受け止めます。一方で不倫の経緯や事実関係、不倫相手の見解などが詳しく書かれた文章が送られてくると「言い訳がましい」「反省していない」と受け止めてしまいます。
結局どのようなものが提出されても怒りが増幅されてしまい、解決につながらないケースがよくあります。

3-2.相手の感情を害し慰謝料を払ってもらえなくなる可能性

不倫相手としては、謝罪文を書くことに納得できないと感じるケースが少なくありません。
「なぜ謝罪を強要されなければならないのか?」という思いが強く「このようなことを言われるなら慰謝料など払いたくない」と考えるようになります。

謝罪文にこだわりすぎると、不倫相手の感情を害することによって慰謝料が払われなくなるリスクが発生します。

3-3.謝罪文に争点が移ってしまい、肝心の慰謝料を受け取れなくなる

慰謝料請求をするとき「慰謝料を払ってもらうついでに謝罪文を書いてほしい」と軽く考える方が多いのですが、現実に謝罪文を要求すると、相手はすんなり応じないケースが多数あります。
「謝罪文は書きません」と断られるケースも多々ありますし「謝罪文を要求されるなら話し合いはできません」「謝罪文を書くなら慰謝料は0にしてください」などと要求されるケースもみられます。
そうなると「謝罪文を書くか書かないか」に争点が移ってしまい、肝心の慰謝料についての話ができなくなってしまいます。

実際のところ、不倫相手が謝罪文を拒絶しても裁判で強制的に謝罪文を書かせることはできないので、こういった争いにはあまり意味がありません。

以上のように、謝罪文を強要するとデメリットやリスクも大きくなるので、不倫相手に慰謝料請求するときにあまり謝罪文に固執するのはお勧めしません。

4.謝罪文を書かせる際の注意点

それでも不倫相手に謝罪文を求めたいなら、以下のように対応しましょう。

4-1.完全に納得できなくても受け入れる覚悟をする

1つは、不倫相手から提出される謝罪文の内容についての注意点です。謝罪文に高度な期待をかけてはなりません。先にも言いましたが、どのような謝罪文が出てきても被害者が心底納得できるケースは非常に少ないからです。
また不倫相手としても普段から謝罪文などの文章を書き慣れているわけではないので「何を書いて良いかわからない」と困惑するケースが少なくありません。
よって不倫相手に謝罪文を望むなら、「どのようなものが提出されても受け入れる」くらいの覚悟が必要です。こちらを攻撃するような不適切な内容でない限り、心から納得できなくても受け取っておさめましょう。

4-2.不倫の事実を認めさせる「自認書」を書かせる

不倫相手に謝罪文を書かせるなら、単に謝罪させるだけではなく「不倫の事実を認めさせる」ことを重視しましょう。「〇年〇月頃から~さんと肉体関係を持っていました」とはっきり書かせておけば、後に配偶者と離婚する際などに証拠利用できて立場が有利になります。

謝罪の気持ちが感じられるかどうかではなく「不倫の自認書」としての証拠価値に重きを置くなら謝罪文を受け取る意味が大きくなります。

4-3.謝罪文よりも慰謝料を払わせることに注力する

不倫相手に謝罪文を要求するとしても、そのことによって慰謝料の問題がおざなりになると本末転倒です。
謝罪文は「付け足し」であり、本筋は慰謝料請求であることを忘れてはなりません。
「相手が謝罪文を書かない」と強く拒絶しているならそれ以上は請求しない、相手が「謝罪文を書くなら慰謝料は払わない」と言っているなら謝罪文の要求を撤回してその分高額な慰謝料を要求するなど「慰謝料請求」に重きを置いて交渉を進めていくと良いでしょう。

5.弁護士に交渉を任せるメリット

不倫された被害者がお一人で慰謝料請求を進めると、どうしても謝罪文問題などが発生して交渉が紛糾してしまいがちです。
論点がいつの間にか謝罪文トラブルに傾いて肝心の慰謝料問題が置いてけぼりになったり、相手の対応に腹が立ってどうすればよいかわからなくなったりするケースも少なくありません。
そのようなときには、弁護士に相談してアドバイスを求め、慰謝料請求の手続きを任せましょう。

法的な観点から弁護士の冷静なアドバイスを受けると気持ちが整理されてストレスも軽くなりますし、弁護士が交渉に対応したらより高額な慰謝料を獲得できる可能性も高くなります。

不倫相手との対応に迷われた際には、お早めに弁護士までご相談下さい。

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