法律事務所オーセンスの離婚コラム

別居準備で重要になる「婚姻費用分担」と相手方の財産確認

【第3回】離婚する?しない?離婚へのステップ

別居準備を進める際に重要な「婚姻費用分担」と「相手方の財産確認」。
別居後の生活に困らないように婚姻費用分担の請求をしましょう。また、適切な財産分与を受けるために相手方の財産確認も重要です。
この連載では、離婚に悩んでいる「オー子」の日常を通じて、離婚に関する法律を弁護士が解説します。今回は知っておきたい別居の準備について解説します。

依頼者:オー子

こんにちは、オー子です

私、オー子は夫との関係に悩む40歳、専業主婦。小学生の子どもがいます。
最近、夫の言動に疲れてしまい、夫と離れて暮らすことを考え始めました。
別居したいけど、生活していけるのか不安です。

前回までのあらすじ

突然、大きな声で怒鳴ったり、高圧的な態度で侮辱されたり。
「モラハラ傾向」のあるオー子の夫。
モラハラは離婚の理由にもなると知り、オー子は今後の夫婦生活について真剣に考え始めました。そんな時に発覚した夫の風俗店通い。風俗店通いは、法律上「不貞」になる場合とならない場合があり、離婚や慰謝料を求めるには「不貞の証拠」が必要ということを知りました。

オー子の日々別居に心揺れる毎日。準備を進めたい。

夫は私に対して相変わらず高圧的な態度。
機嫌が良いときだけ子供を甘やかすけれど、不機嫌になった途端に子供や私に声を荒げることが多くなってきました。
先日、やんわりと風俗店の話題を持ち出して「気づいているよ」と伝えてみたけれど、相変わらず行き続けているみたい。

「もう限界!離婚したい!」

でも別居となると、生活費が不安です。
夫に子どもを任せるなんて考えられないから、別居するなら子供を連れて出るつもりですが、今の私には収入がありません。
子どもには不自由な思いをさせたくないし、修学旅行や習い事にもちゃんと行かせてあげたい。収入が無い場合、子供を連れての別居は難しいのでしょうか。

また、離婚するときは「財産分与」をもらえると聞いたことがありますが、どのくらいもらえるのでしょうか。夫がどのくらい財産を持っているのか、わかっていません。このままでは、後に話し合いできちんと財産を分けてもらえないのではないか、心配です。
今すぐにでも別居したいけれど、後で不利にならないためにはどうしたらいいのでしょう。別居準備の方法が知りたいです。

弁護士が解説!「婚姻費用分担」と「相手方の財産確認」

甲野裕大 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士甲野 裕大(第二東京弁護士会所属)

中央大学法学部法律学科卒業、中央大学大学院法務研究科修了。離婚、交通事故、相続問題などの一般民事事件を中心に、幅広い分野に積極的に取り組む。

離婚前に別居するときには、「準備」が必要です。

別居後の生活費「婚姻費用」を請求する

特にオー子さんのように自分に収入のない方は「別居後の生活費」を工面しなければならないでしょう。
実は夫婦は別居していても、お互いに助け合って生活しなければなりません。
民法752条で、夫婦の「相互扶助義務」が定められているからです。
また、民法760条で夫婦間の婚姻から生じる費用の分担についての取り決めがあり、別居しても、収入の低い方は相手へ生活費の支払いを請求できます。
このように、夫婦が負担すべき「相手の分の生活費」を法律用語で「婚姻費用」といいます。
オー子さんの場合にも別居後夫へ「婚姻費用」を請求できるので、心配しすぎる必要はありません。

婚姻費用の金額

婚姻費用の金額は、裁判所が相場を定めています。

裁判所:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

基本的には支払う側の収入が高いほど婚姻費用の金額も上がる仕組みです。
オー子さんの夫は高収入なので、比較的高い金額を期待できるでしょう。
たとえば夫の収入が1,000万円、オー子さんが2人の子ども(14歳以下)を連れて別居する場合、オー子さんは夫へ毎月22万円程度、請求できる可能性があります(なお、実際のケースでは様々な事情により金額が変動する点に注意が必要です。)。

相手方の財産確認

別居準備活動として、相手方の財産確認も必須です。
別居後に離婚するときには、「別居時に存在した財産」を基準に財産分与を行います。
ただ「どんな財産があったか」を明らかにできないと、適切に財産分与してもらえません。
相手が適切に財産を開示してくれれば問題ありませんが、万が一、相手が財産を隠したままであれば、その財産が除外されてしまうので、財産分与の取得分を不当に減らされてしまうこともあるでしょう。

現実には、別居してしまったら財産調査が難しくなります。
別居前から、相手がどういった資産を保有しているかを把握しておくことが大事とも言えます。
よくある分配の対象になる財産としては、たとえば以下のような財産が考えられます。

  • ・預貯金(インターネット上の口座も。)
  • ・株などの証券口座(インターネット上の証券口座も。)
  • ・生命保険や終身保険などの保険
  • ・自動車
  • ・不動産
  • ・相手の勤務先の退職金や企業年金、確定拠出年金、財形貯蓄、持株会など

財産分与の際に、どのような財産が分配の対象となるのかについては、見落としがちになることもあり、どのような財産をチェックしておけばよいのか、別居前に一度弁護士に相談することをお勧めします。別居後の対応では後手に回って不利になってしまう可能性があるので、できるだけ別居前の「準備段階」で相談するようお勧めします。
オー子さんの場合も、財産の確認の前に、早めに弁護士に相談するのが「後に有利に財産分与を受けるコツ」です。

まとめ

別居しても、夫婦である限り「婚姻費用(生活費)」を要求できます。
子どもがいる場合はもちろんのこと、夫婦のみのケースでも生活費を払ってもらえます。
また別居準備として「相手方の財産の把握」が重要です。
必ず別居前にどういった資産があるのかを把握して、できればメモなどを作成しましょう。

自分1人で限界を感じたら、早めに弁護士に相談するのが有利に離婚を進めるための秘訣となります。
離婚問題に悩んだとき、頼りになるのは法律家です。
お困りの方がおられましたら、お気軽にオーセンスの弁護士までご相談ください。

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