法律事務所オーセンスの離婚コラム

住宅ローンの財産分与はどうするの?パターン別に解説

【第7回】離婚する?しない?離婚へのステップ

住宅ローンが残った家の財産分与は複雑です。
まずは家の査定価格を明らかにして残ローンを確認し、財産分与対象の価値を算定しましょう。
今回は売却の場合と夫が引っ越して妻が今の家に住み続ける場合について、ケースごとに対応方法を解説します。

依頼者:オー子

こんにちは、オー子です

私はオー子、40歳。
今、夫との離婚へ向けて歩み始めたところです。
離婚を決意したきっかけは、夫のモラハラと不倫問題。
最初は「我慢しよう」と思っていたけれど、限界がきたのと「このままじゃ子どものためにもならない」と思い、行動を開始しました。
初めての離婚で不安なことがいっぱいありますが、慰謝料や財産分与などについて学んで1歩ずつ進んでいます。

前回までのあらすじ

離婚を有利に進めるには、夫の不倫の証拠を集めなければならないと知りました。
不倫の証拠集めでは「肉体関係を証明できるもの」が必要。
思っていたよりハードルが高いのですが、アドバイスを受けながら収集を進めています。

前回は財産分与について学びました。
私は専業主婦だけど、自分に収入がなくても夫と同じだけの財産分与を受けられるとのこと。
財産を半分ずつにしてもらえるなら、離婚後の生活も少し安心です。

夫は会社員で厚生年金に入っているので、私の場合には「年金分割」もしてもらえるそうです。
受け取れる年金額が半額ずつになるわけではないけれど、将来年金を受け取れるときに金額を増やしてもらえるとのこと。
夫と離婚しても再婚の予定もないので、1人で老後を過ごすなら、年金額がアップするのは助かります。

離婚するときには、たくさんやっておくことがありますね。

オー子の日々住宅ローンつきの家、財産分与はどうすれば?

離婚に向けていろいろ準備を進めているのだけれど、最近よくわからないのが「家の分け方」。
財産分与は、夫婦で2分の1ずつにすることは理解したけれど、家はどうやって分けたらいいのでしょうか。住宅ローンもまだ残っています。
夫名義で購入し、住宅ローンは夫名義になっているから、家は夫のものになるのかな?
子どもの学校の校区などもあるので、私としてはできれば夫に引っ越してもらって私たちがここに住み続けたいです。

もしも、夫が「住宅ローンを払いたくない」と主張したらきっとこの家は売却することになるけれど、その場合、ローンが残るのではないかが心配です。
売却後にローンが残った場合、誰がどんな風に払うのでしょうか?

離婚したら、私は子どもとの生活を支えるのに精一杯で、残ローンを払えそうにありません。

弁護士が解説!住宅ローンつきの家の分け方

藤本奏恵 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士藤本 奏恵(第二東京弁護士会所属)

早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事事件や刑事事件など幅広く取り扱う。

基本的な考え方

住宅ローンが残っている家を財産分与するときには、まずは「家の価値」を確認にしましょう。
基本的には「家の時価-残ローンの額」が家の価値となります。

家の時価については、不動産会社の査定価額を参考にしましょう。

残ローンの金額については、ローン償還予定表などで確認することができます。

オーバーローンかアンダーローンか調べる

住宅ローンが残っている家を、どのように財産分与するかは、オーバーローンかアンダーローンかで違ってきます。
オーバーローンとは、残ローンが家の査定額を上回って、家を売却するとマイナスになって残ローンが残る状態です。
しかし、残ったローンは支払わなければなりません。

アンダーローンは残ローンが家の査定額を下回って、家を売却すると残ローンを完済できてプラスになる状態。
この場合、家は財産分与の対象となります。但し、「家の査定額-残ローンの金額」が財産分与の対象です。
アンダーローン場合には第三者への売却の検討を、オーバーローン場合にはどちらかがローンを支払いながら住み続ける方向で検討していくのが一般的といえます。

たとえば家の査定価額が3,000万円、残ローンが2,000万円であれば3,000万円-2,000万円=1,000万円のプラスです。
この1,000万円を夫婦で500万円ずつに分け合います。
一方で家の査定価額が2,000万円、残ローンが3,000万円なら2,000万円-3,000万円=1,000万円のマイナスです。
この場合、住宅ローンは名義人が払い続けるのが原則となります。

妻が家に住み続けたい場合の分け方

オー子さんのように夫に引っ越してもらって妻が家に住み続けたい場合、誰が住宅ローンを払うのかが問題となります。
離婚するからといって、金融機関の同意なく、住宅ローンの名義を変更できないので、基本的には離婚後も夫が返済を続けなければなりません。
夫が払わなくなったら金融機関が家を競売にかけてしまうので、妻と子どもは家に住めなくなります。
したがって、住宅ローンと家の名義は夫のまま、妻が家に住み続ける場合には、夫が金融機関に対し、住宅ローンの返済をする旨の合意を取り、公正証書などを作成する必要があるでしょう。

また、離婚後、妻から夫に賃料(周辺の賃料相場に基づく賃料や、住宅ローン相当額)を払うのか、無償で住まわせてもらうのか、といった点について、合意しておくこともあります。

もしくは妻に支払能力がある場合、住宅ローンを妻名義に借り換え、家の名義を妻名義にするのも1つの方法です。

家を売却する場合の分け方

夫が離婚後の住宅ローンの返済を渋る場合や妻名義の住宅ローンの借り換えが難しい場合などには、家を売却して清算する方法がお勧めです。

アンダーローンの場合であれば、売却すると、プラスになります。
売却代金から残ローン、仲介手数料や印紙代などの諸経費を引いた金額が残るので、それを夫婦で2分の1ずつに分けましょう。

オーバーローンの場合、売却するとマイナスになってしまいます。
この場合、住宅ローンの名義人が残ローンを払わねばなりません。
オー子さんの場合には、夫が金融機関に対し、残ローンを払うことになるでしょう。
ただしオー子さんが住宅ローンの「連帯保証人」になっている場合、オー子さんにも責任が及ぶ可能性があります。

まとめ

住宅ローンが残っている場合の財産分与はとても複雑です。
まずは不動産会社に査定依頼を出して、家の時価を調べましょう。
ローン償還表などから残ローンの金額も明らかにして「査定価額-残ローンの金額」がプラスになるかマイナスになるか確認してみてください。

離婚後に家を売却するのか、夫婦のどちらかが今の家に住み続けるのかによっても対応が変わってきます。
財産分与を有利に進めるためには、弁護士の専門知識が頼りになります。
オー子さんのようにお悩みの方がいらっしゃいましたらオーセンスの弁護士までお気軽にご相談ください。

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