法律事務所オーセンスの離婚コラム

夫の不倫が原因で離婚!慰謝料はどれくらい請求できる?

夫の不倫が原因で離婚!慰謝料はどれくらい請求できる?

夫の不倫が原因で離婚に至り、慰謝料を請求するという段階で悩むのが請求金額の設定です。
相手から受けた心の傷は、お金では決して癒されるものではないでしょう。ただ、少しでも高い金額の慰謝料を確定させ、周囲に自分の損害を認めてもらいたいという思いもあります。
それでは、実際に、どれくらいの金額を慰謝料として請求すべきなのでしょうか。
そこで、今回は夫の不倫が原因の離婚について、慰謝料の金額や相場にも触れながら解説します。

離婚の慰謝料の金額を左右するポイント

相手の不倫により離婚に至った場合、慰謝料はどれくらいの金額を請求できるのでしょうか。

ここでは、基礎知識として、慰謝料が請求できる場合に触れてから、金額を左右するポイントを解説します。

・慰謝料とは?

慰謝料とは、何らかの不法な行為により、損害を受けた代わりにその償いとして支払われるお金を指します。民法の「不法行為による損害賠償請求」(民法709条)を根拠に、相手に請求することになります。

・請求が認められるには不法行為による損害があるかどうか

慰謝料請求が認められるためには、何らかの不法行為と因果関係のある損害が必要です。夫の不倫が原因での離婚の場合は、以下となります。

ここでいう不法行為とは、不貞行為(不倫)を意味します。
不貞行為とは、夫婦の貞操義務に反する行為として、「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」を指します。
なお、不特定の異性との売春、買春も不貞行為となり、回数も関係がありません。

次に、損害とは、精神的・肉体的に苦痛を感じた場合を指します。具体的には以下に分けることができます。

  • ・「相手の不貞行為」により精神的苦痛を受けた
  • ・「相手の不貞行為で婚姻関係が破綻した」ことにより精神的苦痛を受けた
  • ・「相手の不貞行為が理由で離婚に至った」ことにより精神的苦痛を受けた

・慰謝料の金額を左右するポイントとは?

それでは、不倫の場合、不貞行為(不倫など肉体関係を伴う場合)と精神的な損害があれば、慰謝料は一律同じ金額が認められるのでしょうか。
慰謝料の金額を決定する上で、考慮される事情が幾つかあります。

Aさんの場合、夫が職場の女性と不倫をし、その事実が発覚して離婚に至りました。Aさんは専業主婦で、子どもは13歳と6歳になったばかりです。それまでの幸せな生活から一転、不倫に対する心労でパニック障害となり、外にも出られない状態です。13歳の子どもも、父親の不倫と離婚の影響で引きこもりとなり、現在は不登校です。
一方、Bさんの場合も同様に、夫が職場の女性と不倫をし、その事実が発覚して離婚に至りました。しかし、子どもがいないBさんもじつは職場の同僚と不倫をしており、仕事も順調で今度は昇進も決まり給料も大幅アップとなりました。

さて、AさんもBさんも共に、夫が職場の女性と不倫をして離婚に至っています。「夫が職場の女性と不倫して離婚」という事情に対して、果たして離婚の慰謝料も同じ金額が認められるのでしょうか。

この2つのケースでは、「夫の不倫」だけを見ると同じように見えますが、それぞれの個別事情、不倫の背景、不倫をした結果などが大きく異なるといえます。
そして、これらは、全て慰謝料の金額を決める要素となります。

  • ・未成年の子どもがいる(未成年の子どもがいれば慰謝料は高くなる)
  • ・慰謝料を請求している側にも責められる理由がある(請求側にも非があれば慰謝料は安くなる)
  • ・精神的な損害が大きい(損害が大きければ慰謝料は高くなる)
  • ・慰謝料を請求している側の経済状況が悪い(請求側の経済状況が悪ければ慰謝料は高くなる)

加えて、上記以外にも、慰謝料の金額を決める要素があります。

  • ・結婚期間が長い(長ければ慰謝料が高くなる)
  • ・慰謝料を支払う側の経済状況が良い(支払う側の経済状況が良ければ慰謝料は高くなる)

AさんとBさんのケースでは、それぞれの背景が異なるため一概にはいえませんが、把握できた事情だけで判断すれば、Aさんの方が高い金額の慰謝料が認められるでしょう。

・離婚の慰謝料の相場

それでは、実際に離婚の慰謝料としては、どれくらいの金額を請求できるのでしょうか。
慰謝料の請求金額の上限はありません。自分が思う金額を請求することができます。
ただ、離婚の慰謝料の相場としては、理由にもよりますが、おおよそ200万円~300万円が多いようです。なお、不貞行為に対する慰謝料は300万円前後といわれています。

ただ、AさんとBさんのように、夫婦にはそれぞれの個別事情があります。背景や個別事情から、慰謝料を決定する要素を抽出し、総合的に判断して金額を決めるわけです。それぞれの個別事情で慰謝料の金額は異なるため、より詳細な金額の目安が知りたい方は、離婚に至る具体的事実を伝えて弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

離婚の慰謝料の決め方

それでは、実際に、不倫による離婚の慰謝料の金額はどのようにして決まるのでしょうか。

・当事者間の話し合い

まずは、当事者間の話し合いで、慰謝料の金額を決めるという方法です。
この場合は、相場など関係なく、相手が慰謝料の金額に同意すれば、その金額で確定します。
ただ、一般的には、相手からすれば少しでも慰謝料の金額を安くしたいと思うでしょう。そのため、自ら非を認めて全面的に受け入れることは可能性として低いといえます。
なお、慰謝料について両者で合意した場合は、信頼性の高い文書として残す必要があります。是非とも、公証役場で公正証書の作成をお勧めします。

・調停や裁判で決める

当事者間で合意に至らない場合は、家庭裁判所へ調停や審判の申し立てを行います。
離婚するかどうかも併せて申し立てる場合は「夫婦関係調整調停」となり、離婚後の慰謝料請求の場合は、「慰謝料請求調停」となります。当事者が合意に達すれば、その金額で調停が成立となりますが、他方、合意に至らない場合は審判が開始され、裁判官が決することになります。

不倫による離婚の慰謝料を高くするにはどうしたらいい?

それでは、不倫による離婚の場合、少しでも高い金額の慰謝料を認めてもらうにはどうすればいいのでしょうか。

・離婚の条件として慰謝料を請求する

離婚の慰謝料請求は、離婚後でも行うことが可能です。
実際には、損害賠償請求ができる期間には制限があり、「被害者又はその法定代理人が損害および加害者を知った時」から3年、「不法行為の時」から20年となっています。

しかし、不倫をした相手が離婚を望んでいる場合であれば、なおさら離婚後ではなく、離婚条件として離婚前に請求することをお勧めします。というのも、離婚前であれば、離婚をしたいがために、相手が金額に関して譲歩する可能性が高いからです。
そのため、離婚の際に、離婚の条件として慰謝料を請求する方が、より自分に有利に交渉を進めることができるといえます。

・決定的な証拠を確保する

離婚の慰謝料の金額が高くなるには、相手の経済的状況や婚姻期間の長さ、未成年の子どもの有無など様々なポイントがあります。
中でも影響が大きいのが以下の2つです。

  • ・「不法行為」の内容、程度が極めて重い、悪質などの場合
  • ・「損害」として、受けた精神的な苦痛が極めて大きい場合

上記2つは証明することが非常に難しいといえます。
特に、不法行為として不貞行為つまり、「配偶者以外の異性との肉体関係があったこと」の証明は難しいでしょう。肉体関係があったかどうかは、密室の中での出来事なので、極論をいえば当事者同士しか知りえないことです。つまり、「肉体関係があった」と推測できる度合いが強い証拠が必要となります。
不貞行為であれば、肉体関係があると推測される写真(ラブホテルに入る写真など)、不倫相手との肉体関係があると思われるやりとりの音声データ、動画、メールやSNSなどが挙げられます。
配偶者が不倫を隠す気がないのであれば、スマートフォンの中に不倫相手の寝顔の写真などが保存されている可能性もあります。このような写真があれば肉体関係があったと推測される決定的な証拠といえるでしょう。なお、判例では、メールのやりとりの文面から、肉体関係があったと判断されたものもあります。

また、精神的苦痛も、表面上からは分からない場合もあります。そのため、誰が見てもこのような事実があったと思える客観的証拠があれば、事実が認定されやすく、慰謝料請求も認められやすいといえるでしょう。病院の診断書などが望ましいといえます。

なお、ここまで確実な証拠を収集するには、個人の力では限界があります。調査事務所などの力を借りるのも選択肢の一つといえるでしょう。

まとめ

自分の請求通りに慰謝料の金額が認められるかどうかは、事前準備が大きな決め手になるといえます。
いかに、有力な証拠を確保して、相手に言い逃れの口実を与えないかが重要です。
また、離婚後ではなく、離婚時に請求した方が、交渉はスムーズでしょう。
離婚慰謝料の請求を確実に認めてもらうためには、様々なノウハウや交渉術が必要となってきます。事前準備を始める前に、まずは弁護士など法律の専門家へ相談し、的確なアドバイスをもらうことをお勧めします。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

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