法律事務所オーセンスの離婚コラム

離婚で慰謝料がもらえるのは、どのような原因のとき?

離婚で慰謝料がもらえるのは、どのような原因のとき?

離婚は、一度将来を誓い合った相手と別れることです。相手と平穏に別れたとしても、少なからずダメージを受けることが予想できます。
これが、相手の不倫や浮気などが原因の離婚や、暴力を振るわれたために離婚であればどうでしょう。離婚の原因により深く傷つき、立ち直ることにも時間がかかるかもしれません。
大きな怒り、悲しみが、現実的にお金によって癒されるかどうかは分かりませんが、傷つけられた損害を償うという意味で支払われるのが、離婚の慰謝料です。
ここでは、「離婚の慰謝料」の入門編として、離婚の慰謝料が認められる要件などを中心に、実際の「原因」を挙げながらご説明します。

離婚の慰謝料とは?

離婚の慰謝料とは、法律的にいえば、「不法行為による損害賠償」請求に対して支払われるお金のことです。
何だか、急に難しくなったような印象を与えてしまいますが、そもそも「慰謝料」の「慰謝」とは「慰めていたわること」「すまないと思って慰めること」という意味合いです。
そのため、意図的にもしくは不注意で、何かしらの自分の不法な行為で、相手を傷つけてしまった場合に、支払われるお金が「慰謝料」となります。

なお、慰謝料が問題となるのは、離婚に限られるわけではありません。
交通事故や学校内のいじめ、医療ミスなど、様々な場面で相手を傷つけたときに問題となりえます。

・離婚の慰謝料は当事者でも決められる

離婚の慰謝料の決め方は、2つの方法があります。

  • ・当事者の話し合いで決める
  • ・裁判所の制度を利用する

当事者の話し合いで決める場合は、自由に慰謝料の金額を決めることができます。
慰謝料には相場というものがありますが、相場の金額と関係なく、交渉次第では、納得のいく金額を支払ってもらうことも可能です。
一方、当事者間の話し合いがまとまらなければ、裁判所の制度を利用することになります。離婚前であれば「夫婦関係調整調停(離婚)」、離婚後であれば「慰謝料請求調停」などの調停や審判などにより、当事者間で合意するか、裁判の判断で決まることになります。

離婚の慰謝料がもらえる要件

それでは、離婚により慰謝料が認められるのはどのような場合でしょうか。
大きく分けて3つの要件が必要です。

  • ・相手の不法な行為
  • ・損害
  • ・相手の不法な行為と損害の因果関係

まず、相手の行為が不法でなければ、相手を責めることはできません。
例えば、「性格の不一致」が理由で離婚に至る場合、特殊な事情がない限り、離婚の慰謝料は認められないでしょう。
というのも、「性格の不一致」で離婚に至ったとしても、ただ自分と性格が合わない相手を責めることはできないからです。
そのため、離婚による慰謝料が認められるためには、「相手が不法な行為をした」ことが出発地点となります。(なお、具体的な内容は事項で詳細にご説明します)

・損害とは?

次に、損害が必要です。これは大きく2つに分けられます。

  • ・相手の不法な行為があったことで、精神的・肉体的に傷つけられた
  • ・相手の不法な行為が離婚の原因となり、離婚に至ったことで、精神的・肉体的に傷つけられた

例えば、浮気をして離婚に至ったケースを考えてみましょう。
まず、浮気をされたこと、この事実だけで精神的に傷つく人が大半です。互いの愛情や信頼の上で婚姻関係が成り立っているわけですから、自分以外の異性との性的な関係は、自分への裏切り行為であり、浮気されたこと自体で精神的に傷つくわけです。
また、浮気をされたことが原因で離婚に至れば、離婚をするという事実に対して精神的に傷つきます。
このように、損害を細かく見れば2つに分けられますが、実務ではまとめて考えて慰謝料を請求されることが多いようです。

・因果関係とは?

そして、相手の不法な行為と、損害に因果関係がなければなりません。
つまり、「精神的に傷ついた原因が相手の不法な行為である」という原因と結果の関係が必要なのです。

どのような原因で、離婚の慰謝料は認められる?

それでは、実際にどのような原因で、離婚の慰謝料は認められるのでしょうか。
実務では、それぞれの夫婦の個別事情などを踏まえて判断されるため、微妙なケースもあります。
ただ、下記に列挙する原因などは、一般的に認められやすいケースといわれています。

  • ・不貞行為
  • ・暴力
  • ・悪意の遺棄

以下、代表的なケースである「不貞行為」と「暴力」を取り上げて、ご説明します。

・不貞行為が原因の慰謝料請求

不貞行為が原因の場合、慰謝料請求は認められやすいでしょう。
ここでの不貞行為とは、浮気や不倫などを指します。
浮気や不倫は、個人の価値観によって、その境界線は異なります。例えば、自分以外の異性と2人で飲みに行くだけで許せないという人もいれば、肉体的な関係ではなく、精神的に愛情が伴えば浮気だという見解もあるでしょう。
しかし、法律上でいう不貞行為とは、明確な基準があり、「配偶者以外の異性と自由意思に基づき性的な関係を有する行為」と定義されます。
つまり、配偶者以外の相手との肉体関係がないと、不貞行為とは認められません。肉体関係があってこそ、夫婦の貞操義務に反するため、不法な行為といえるわけです。

なお、不貞行為に該当するかは、回数など関係がありません。
継続的に浮気や不倫が続いていなくとも、1回限りであっても不貞行為です。
また、恋愛感情がなくても不貞行為に該当する場合があります。例えば、不特定多数との性交渉である売春や買春なども、不貞行為とされます。
やはり、法律上において不貞行為に当たるかは、明確な基準となる「肉体関係の有無」で判断するため、分かりやすいといえます。

ただ、例外的に肉体関係がある場合でも、慰謝料請求が認められない場合があります。
それが、「既に夫婦関係が破綻していて別居している場合」などのケースです。
このようなケースでは、既に夫婦関係が破綻しているために、配偶者以外の相手と浮気や不倫をしても、法的に保護すべき利益がないと解されます。

・暴力が原因の慰謝料請求

次に、代表的な例として暴力が挙げられます。
暴力は通常2つに分けられます。

  • ・肉体的に傷つける暴力
  • ・精神的に傷つける暴言、高圧的な態度など

暴力は、犯罪です。刑事事件においても、暴行罪、暴力によりケガをした場合は傷害罪として、認められています。

このように、暴力という不法行為があれば、一般的に慰謝料は認められるでしょう。
ただし、損害として証明できる記録が必要です。暴行のあとの傷やアザの写真、医師の診断書など、出来る限り揃える必要があります。

・不貞行為や言葉の暴力などの場合は証拠の確保が重要

不貞行為であるかの基準は明確であるとご説明しましたが、実務では、認定するためには証拠が重要となります。
というのも、「配偶者以外の異性との性的関係」を証明することは難しいからです。性的関係を結ぶには、公然と人が見ている状況では考えにくいものです。基本的には2人きりで密室という状況になります。また、不貞行為は、一般的に配偶者に隠れてというケースが多いので、証拠を確保することが難しいのが現状です。

配偶者以外の相手と2人だけで食事をしていても、それだけでは不貞行為と認められません。決定的な状況として、宿泊を伴う旅行や、ラブホテルの出入りなどの証拠を集めるのは、相当の時間と費用がかかるのです。

また、暴力に関しても、肉体的暴力の場合、傷害の跡としてアザなどがあれば、目に見えるため証拠となりえます。ただし、言葉の暴力で精神的に傷つけられたという場合では、証拠の確保が難しいといえます。このようなケースも実際の相手の言葉を音声データとして記録するなど、具体的な証拠が必要となります。

いずれにせよ、裁判では証拠が重要です。いかに客観的で具体的な証拠が提出できるかで、裁判官の心証も大きく異なります。離婚や慰謝料の話を切り出す前に、動かぬ証拠を確保することが先決です。

まとめ

離婚の慰謝料請求についてご説明してきましたが、これらの請求する権利には時間的な制限があります。
通常であれば、「損害および加害者を知った時から3年」を経過すれば、時効が成立しているため、請求しても認められません。

なお、2020年4月からは、「人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権」に関しては、長期化する特則を新設し、「損害および加害者を知った時から5年」に改正されます。
相手の暴力などが原因での慰謝料請求の期間が延長されるため、注意が必要です。以上のことから、実際、離婚をすることになった場合は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

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