法律事務所オーセンスの離婚コラム

離婚はお金の見通しを立ててからがベター、かかる費用ともらえるお金は?

離婚はお金の見通しを立ててからがベター、かかる費用ともらえるお金は?

離婚に向けての話し合いの中で、離婚後の生活に不安を抱えているけれど、お金のことについては具体的に何を話し合えばいいのかよく分からない、という方は多いと思います。そこで、離婚のプロセスにおいて、どのようなお金の準備が必要か、離婚後に受けられる公的な扶助は何があるのかなどについて、見ていきましょう。

離婚のためにかかるお金

まずは、離婚手続きをすすめる上でかかる費用を考えておきましょう。

・離婚手続きにかかるお金

離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4つの種類があり、それぞれ次のような費用が必要です。

  • ・協議離婚
    特にないが公正証書を作成する場合はその費用
  • ・調停離婚
    申し立てに収入印紙1,200円と連絡用郵便切手代
  • ・審判離婚
    調停離婚と同様
  • ・裁判離婚
    離婚訴訟提起に収入印紙代1万3,000円と連絡用郵便切手代
    なお、慰謝料などの請求を併せてする場合は、増額となる場合があります

※これら以外にも、手続きのために必要な戸籍謄本などの書類一式をそろえるための費用も必要となります。

・離婚協議をすすめる上で弁護士に依頼をする場合

弁護士費用は、離婚の種類によって異なり、弁護士事務所によっても異なります。離婚方法や協議内容によって数十万円からの費用になります。協議内容に漏れがなく、スムーズにすすめられて、納得のいく条件での離婚をするためには、弁護士へ依頼することをおすすめします。

・別居費用

離婚に向けては別居をする人が多いです。その場合には、新居の契約にかかる費用や引越し費用、家財購入費などが必要になります。

離婚に際してもらえるお金

離婚をする際に、離婚相手に請求できるお金もあります。離婚成立後にも請求できるものがありますが、離婚後にまた顔をあわせるのも心理的な負担になりますし、連絡がつかなくなることもあるため、離婚協議と一緒に話しをすすめて取り決めておくのがよいでしょう。

・婚姻費用

夫婦は互いに生活を支えあう義務があるため、別居をした場合にも生活費負担を求めることができます。別居をすることになったら、婚姻費用の分担請求調停の申し立てをします。申し立てにかかる費用は、収入印紙1,200円と連絡用郵便切手代です。
婚姻費用をもらえる期間は、申し立てをしたその月から、離婚が成立するか別居を解消するまでとなります。

・財産分与

夫婦が結婚後に築いた財産を、どちらの名義かによらず、分けることができます。夫婦の財産のほとんどが夫の名義であったり、どちらかが専業主婦(主夫)の場合であっても、原則2分の1ずつ分けられることがほとんどです。

財産分与の対象は、現預金、不動産、有価証券、保険解約金、退職金、年金などです。あくまでも結婚後に共同で築いた財産が対象なので、婚姻前から所有していた財産や、婚姻後であっても相続で得たものなどのように婚姻生活と無関係なものは対象外になります。

住宅ローン残債のある自宅はどう分ける?

不動産の財産分与には、①不動産を売却して得た資金を分ける、②不動産を売却しないで評価額の半分相当を現金で分ける、などの方法があります。

自宅の場合には、住宅ローン残債が実勢価格よりも少なければ、①の方法をとり残った売却益を分割することができます。残債の方が実勢価格よりも多くなると、住宅ローンの完済ができないため、②もしくは売却しないで養育費などの代わりに妻と子どもがそのまま住み続けるなどのケースがあります。

また、不動産取得時に頭金をどちらかが出したり、どちらかの親が援助していた場合などは、必ずしも2分の1ずつの分割にならないこともあります。

・慰謝料

もしも夫婦どちらか一方が離婚の原因を作り、これによって相手に対して精神的苦痛を与えた場合は損害賠償として慰謝料の請求ができます。どちらかの不倫やDV、モラルハラスメント、生活費の不払いなどは慰謝料の請求理由となります。また、慰謝料の金額は、原因や請求される側の収入、年齢、婚姻期間などによって異なります。

金額は夫婦間での話し合いによって決定することが基本ですが、話し合いで決まらない場合や、既に別居していて直接話し合いをすることが難しい場合などは、訴訟を起こすか離婚調停と同時に決めていくことになります。

・養育費

子どもがいる夫婦が離婚をする場合には、監護権を持たない親から監護権を持つ親に養育費を支払う義務があるとされています。

養育費は、子どもが暮らす最低限の生活費ではなく、非監護権者が暮らす水準と同程度の暮らしを行える必要があり、話し合いによって金額を決めていきます。話し合いで決まらない場合には、離婚調停や離婚裁判の手続きの中で決めていくこととなり、裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」(後述)で算出される金額を参考として話し合いをすすめることが多いです。

金額の決定にあたっては、基本的に子どもが離婚前の生活水準を下げることなく、引き続き同程度の生活を行える金額になるように配慮される必要があります。この算定表では、子どもがすべて公立の学校に通った場合を想定されており、もしも私立の学校に通っていれば不足分が出てしまいますので、現実的に必要な金額を十分協議して決定することとなります。

このように、養育費の決定にあたっては、子どもがそれまでの生活とあまり変わらない生活を送るためにはどの程度の額が必要かを十分に協議して決めていくこととなり、親の収入や子どもの人数などによっても変わってきます。

※参考:裁判所「養育費・婚姻費用算定表」
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html
※令和元年12月23日に公表された改訂標準算定表(令和元年版)です

養育費はいつまでもらえるの?

養育費は、子どもが成人するまで支払うものとするのが一般的です。ただ、子どもが成人しても学生であったり、病気などで養育し続ける必要があったりする場合には、それらを考慮して支払い期間を決めることもあります。

離婚した後で養育費が途絶えたら

離婚時に養育費の取り決めを行ったとしても、その後支払いが途切れてしまうケースもあり得ます。例えば、養育費を支払っている非監護権者が再婚をしたり、収入が減ってしまったような場合に、徐々に養育費の振込が遅れてきたり、途絶えたりすることがあります。このような場合には、家庭裁判所に申し立てをし、強制執行が可能なこともあります。

ひとり親になると受けられる公的扶助

ひとり親家庭になると、受けられる公的な経済支援や減免制度があります。ここでは、児童手当のようにひとり親世帯に限らないものは省き、ひとり親世帯のみが対象となる制度のみご紹介します。

・児童扶養手当

18歳未満の子どもを持つひとり親家庭を対象に、国が行っている支援制度になります。支給額は、親の収入や子どもの人数によって変わります。
全額支給される場合には、子ども1人の場合で月額42,000円、2人の場合には月額47,000円、3人目以降は1人増えるごとに月額3,000円が加算されます。

児童扶養手当は子どもの人数によって親の所得制限限度額が決められており、親の収入によって全額支給、一部支給、不支給が決定されます。一部支給の場合には、全額支給額から計算式によって算出された金額が差し引かれて支給されます。

・児童育成手当

東京都の場合の制度となり、児童扶養手当と同様に18歳未満の子どもを持つひとり親家庭を対象としている支援制度です。子ども1人あたり月額13,500円が支給され、親の所得制限限度額があります。

・母子家庭・父子家庭の住宅手当

各市区町村が行っている、ひとり親家庭の住宅手当や家賃補助があります。18歳未満の子どもを持つひとり親家庭が対象となり、一定金額以下の月額家賃の場合に支給されます。あくまでも、低所得家庭を対象としているため、所得制限があり、高額な家賃を支払っている場合には支給されません。支給額などの詳細は各市区町村によって異なります。

・ひとり親家庭等医療費助成制度

18歳未満の子どもを持つひとり親家庭を対象として、県や市区町村とが医療費の一部を助成する制度で、どの自治体でも行っている制度です。

・所得税・住民税の減免制度

配偶者と死別や離婚をした人に扶養家族がいる場合、一定の所得控除が受けられる制度です。自治体によっては、未婚のひとり親家庭の場合でも「みなし適用」をしているケースがあります。

離婚後に収入が減ることによって受けられる公的扶助

離婚によって世帯収入が減ってしまい、生活が苦しいということもあり得ます。その場合にも受けられる経済支援があります。

・生活保護

生活保護は、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障して自立を助長する制度です。扶助の内容には、生活扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があり、支給要件は地域や世帯状況によって変わります。

・国民年金の免除

所得が少ない場合、国民年金保険料の全額または一部の納付を免除する制度です。免除または減免されていた期間は年金の受給資格期間に算入されますが、年金支給額は減ってしまうため、後で収入が増えた場合などに免除された分の保険料を納めることもできます。

・国民健康保険の免除

所得が基準額以下になる場合や、勤務先の倒産等によって保険料の納付が困難になった場合に、保険料の減免を受けることができます。

まとめ

離婚を考えるときには、離婚のためにかかる費用、離婚後にもらえるお金、離婚後の生活費などを考えておく必要があります。また、様々な公的扶助についての知識もあると、いざという時に助けとなるでしょう。

話し合いがめんどうだからといって何も決めないままに離婚を成立させてしまうと、後で後悔する結果になるかもしれません。どんな取り決めが必要なのかなどは専門知識のある弁護士などに相談し、しっかりとお金の見通しを立ててから離婚されることをおすすめします。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

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