法律事務所オーセンスの離婚コラム

離婚の話し合いの上手な進め方

離婚の話し合いの上手な進め方

離婚では、莫大なエネルギーを消費します。
そのほとんどを費やすのが、両者が「離婚」に同意するまでのプロセスです。もちろん、今後の生活などに大きく関わる「離婚条件」のすり合わせも大事でしょう。しかし、「離婚条件」は、あくまで譲歩が可能な事柄です。一方で、「離婚するかしないか」という問題は、今後の自分の人生そのものを大きく左右し、譲歩することが難しいといえます。
そこで、今回は、離婚の話し合いについて、どうすれば上手く進めていけるのか、話し合いを切り出すタイミングや場所などを中心に説明していきます。

離婚を切り出すタイミングを間違わない

まず、離婚の話し合いにおいて、最も気を付けなければいけないのは、切り出すタイミングです。
ここでつまずくと、なかなか話し合いが先に進みません。そこで、気を付けるべきポイントをいくつかご紹介します。

全ての準備が整ってから、離婚を切り出す

行動派のAさんは、何事も思い立ったら吉日との考えで、すぐに行動に移すタイプです。結婚して10年が経ちますが、前々から夫とは性格が合わず、最近では家庭内別居のような状況が続いています。夫が不倫をしていると薄々感じていましたが、今では興味もなく、このまま一緒にいる意味がないと考え、離婚をしたいと考えています。Aさんの中で離婚したいという結論が出たので、今日にでも、夫が帰ってきたら離婚を切り出す予定です。

さて、このような場合、離婚の話し合いは上手く進むでしょうか。

結論からいえば、離婚をしたいと考えて何の準備もしないまま、相手に離婚を切り出すことは、一番避けたいところです。というのも、離婚を確実に成立させ、なおかつ、有利な離婚条件を引き出すには、相応の証拠を用意して、準備をしておかなければならないからです。

・離婚の同意を得るための準備

離婚の同意を得るには、離婚も致し方ないと相手が納得することが必要です。結婚までの経緯や、離婚に至る理由など、夫婦個別の事情は様々ですが、どのような事情にしろ、相手が離婚に反対する場合は、こちら側の理由について反論を出してきます。
例えば不倫の事実に対して、「不倫などしていない」、また、モラハラの事実に対して、「夫婦喧嘩であってモラハラではない」と反論されれば、離婚の同意を得ることは難しくなります。
そのため、相手の反論を封じ込める確実な証拠を事前に用意しておくことをお勧めします。

・財産面における準備

次に、離婚の同意を得れば、離婚条件の話し合いに移るでしょう。離婚条件の多くは、財産に関するものです。
例えば、慰謝料はどうするか、財産分与はどうするか、子どもがいる場合に養育費はどうするかということを話し合います。その際に重要なのが、夫婦共有の財産を把握しておくことです。また相手の財産も含めてリストアップし、漏れがないようにしたいところです。

・今後の生活の準備

また、離婚の話し合いがなされれば、これ以上、一緒の家で暮らすのが辛いという状況もあるでしょう。このようなケースにおいては、別居という選択肢もあります。そのため、別居できる準備もある程度しておいた方がよいでしょう。現金や新しい住居など、家を離れる準備をしておくことも、離婚に踏み出す一歩といえるかもしれません。

Aさんのケースであれば、まずは「不倫」の証拠を押さえておくことが、離婚の話し合いを上手く進めるポイントとなるでしょう。また、相手が不倫をしている場合は、慰謝料請求が認められる可能性が高くなります。離婚の理由が「不倫」だとなれば、相手も慰謝料の金額を下げるために財産を隠すなど、何かしらの対策を立ててくる可能性があります。
そのため、相手が離婚などと全く予想していない状態で、夫婦の財産を調べてリストにまとめるなどの準備をしておきましょう。

互いが冷静なタイミングで切り出すのが理想的

水面下で離婚の準備が整えば、離婚の話し合いを始めることになります。ただ、切り出すタイミングとしては、双方が冷静なときが望ましいでしょう。
例えば、夫婦喧嘩などの口論のあとでは、それが直接的な原因で離婚を切り出していると、勘違いされる恐れがあります。離婚など本気ではないと、相手が誤解をする可能性があるので、休日など、話し合うためのある程度の時間が確保でき、余裕ある状況が理想的です。

離婚の話し合いの場所は、相手次第で使い分ける

次に、離婚の話し合いを行う場所についても、考えなければなりません。これは、相手の性格や離婚の理由次第で使い分ける必要があります。

相手が暴力を振るう可能性があれば、話し合いは公の場所で

Bさんは、夫の暴力が原因で離婚したいと考えています。普段は優しい夫ですが、何かの拍子に感情のスイッチが入れば、夫から殴るなどの暴力を受け、暫くして夫が泣いて謝るといった繰り返しです。離婚を切り出して話し合いをしたいのですが、相手から暴力を受けるかもしれないと心配しています。どうすれば、離婚の話し合いを上手く進めることができるでしょうか。

さて、Bさんのようなケースにおいては、密室に2人だけで話し合うことは避けた方がよいでしょう。静かな喫茶店など、夫が暴力を振るえないような公の場所で話し合うことをお勧めします。
他人の目があれば、相手も普段よりも感情を抑える可能性が高いといえます。また、直接会わずとも、先に別居をしてから、内容証明郵便で離婚の意思を伝えるという方法もあります。

なお、暴力などない通常のケースであれば、家で冷静に話し合うことをお勧めします。子どもがいる場合には、親族に預かってもらうなどの環境作りが必要です。互いが本音でゆっくりと話し合うことができるように、事前に調整をしておきましょう。

離婚の話し合いがまとまらない場合は、裁判所の制度を利用しよう

どうしても、当事者で離婚の話し合いがまとまらない場合は、以下の方法が挙げられます。

第三者の同席も効果的

当事者だけの話し合いでは、互いに感情的になって、なかなか話が進まないということも聞きます。このようなケースでは、第三者の同席を試してみることをお勧めします。
第三者がいるだけで冷静になって話し合うことができます。また、自分の味方がそばにいれば、相手が反論した場合でも、自分が出した結論に自信を持つことができます。自分の意見が揺らぐこともないでしょう。

なお、同席してもらう第三者は、一般的には、両親や兄弟姉妹などの血縁者か、もしくは弁護士などの法律の専門家のどちらかになることが多いでしょう。

ちなみに、相手から離婚を切り出されて、こちら側としては別れたくないという話し合いの場合には、最初から弁護士など法律の専門家の同席をお勧めします。相手の勢いに負けて押し切られないためにも、法律的な見地からけん制できる弁護士は、非常に重要な役割を担います。言葉不足な部分も補って交渉してくれるので、検討してみるのもいいかもしれません。

最終的な手段として、裁判所の制度を利用しよう

離婚に関する話し合いが平行線をたどる場合は、裁判所の制度を利用することになります。裁判所の制度には2つのステップがあります。「調停」と「裁判」です。
まずは調停で、調停委員に話し合いを進めてもらって、再度、両者の合意を目指します。調停では、調停委員を通じての話し合いになるため、いかに、調停委員に理解をしてもらうかがカギとなります。

調停でも合意がなされない場合には、裁判により裁判官が決するという流れになります。裁判では、主張する事実をいかに客観的に証明できる証拠を出すことができるかで、判断が分かれる可能性があります。事前に弁護士などに相談をして、離婚への準備をすることが重要です。

なお、日本は調停前置主義を採用しているので、すぐに裁判を起こすことはできず、必ず調停を経なければならないことに注意が必要です。

まとめ

最後に、離婚の話し合いには、揺るがない強い意志が必要です。離婚の話し合いが泥沼化して長引くと、何度も同じ主張をすることに疲れ果て、最終的には相手に譲歩する可能性もあります。まずは、本当に離婚をしたいのかをじっくり考えて、結論を出しましょう。結論が出れば、どのような状況になっても、気持ちを曲げない強い覚悟を持つことが重要です。
そして、入念な準備を行ってから、満を持して離婚の話し合いを行うことをお勧めします。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

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