法律事務所オーセンスの離婚コラム

妻が夫の不倫相手にできること~弁護士視点からの解説

妻が夫の不倫相手にできること~弁護士視点からの解説

最近では夫に不倫された妻を「サレ妻」などと言ったりしますが、実際問題として夫が不倫していることが発覚したら妻は大きなショックを受けるものです。真剣に離婚を検討される方も多いでしょう。

そんなとき、妻は不倫相手に対してどのようなことを主張できるのでしょうか?
今回は、妻が夫に不倫されたとき、不倫相手に対してできることを弁護士の視点からご紹介していきます。

不倫は民法上の「不法行為」になる

不倫を法律上は「不貞」と言います。法律上の「不貞」とは、既婚者が配偶者以外の相手と自由意思に基づき性交渉することです。
そこで夫が不倫相手と性関係をもっていたら「不貞」が成立します。

不貞は配偶者に対する重大な裏切り行為であり、不貞されたら人は大きな精神的苦痛を受けます。そこで不貞は民法上の「不法行為」になり、不貞した当事者らは被害者に対し「損害賠償義務」を負います。ここでの損害賠償金は「慰謝料」です。

以上から、不倫された妻は配偶者である夫や不倫相手に慰謝料請求できるのです。

以下では、不倫が不法行為になることを前提として、不倫された妻が不倫相手に対してできることを個別に紹介していきます。

慰謝料請求

不倫(不貞)は民法上の不法行為であり、不倫相手は加害者です。そこで不倫されたとき、妻は不倫相手の女性に対して慰謝料請求できます。

・不倫慰謝料の金額の相場

不倫で慰謝料請求する時には「金額」に注意が必要です。不倫の慰謝料は「婚姻関係が破綻」したかどうかで大きく金額が変わります。
婚姻関係が破綻したら慰謝料は高額になりますが、破綻しなければ安くなります。
また婚姻期間が長い夫婦の場合慰謝料は高額になりますし、短ければ安くなります。

たとえば婚姻期間が10年程度の夫婦で離婚する場合、慰謝料は300万円程度になりますが、夫婦関係を修復するなら慰謝料は100万円を切ります。
婚姻期間が1年程度の夫婦なら離婚するとしても慰謝料が100~150万円程度にしかならないケースもあります。
不倫相手に慰謝料請求をするときには「夫と離婚するかどうか」も合わせて検討しましょう。

・不倫相手に慰謝料請求する方法

不倫相手に慰謝料請求するときには、通常「内容証明郵便」を利用して請求書を送ります。内容証明郵便を使うと後々にまで相手に請求した証拠を残せますし、相手に強いプレッシャーを与えることができるからです。

請求書を送った後、相手と話し合って慰謝料の金額や支払方法を取り決めます。慰謝料支払いを受けるときには、必ず和解内容を明確にした「合意書」を作成しましょう。

浮気の自認書を書かせる

夫が不倫したとき、不倫相手に「浮気の自認書」を書かせることができます。浮気の自認書とは「確かに不倫しました」と認める書面です。
浮気の自認書を書かせるのは「後日に不倫の事実を証明するため」です。当初は不倫を認めていても、不倫相手が途中で「不倫していない。肉体関係はなかった」などと言い始めるケースがあります。また夫が「不倫していない」としらを切ることも多々あります。そのようなときでも、当初に不倫相手に「浮気の自認書」を書かせていたら、相手方らは言い訳ができなくなります。

浮気の自認書を書かせる際には、必ず「肉体関係をもった」と明らかに認めさせることが大切です。単に「浮気しました」とだけ書かれていても、相手が後から「デートしたら浮気だと思っていた。肉体関係はなかった。」などと言い訳をする可能性があるので、足りません。

別れさせる

「夫に不倫されても離婚はしたくない!」という方がたくさんおられます。
そのようなときには、不倫相手に「夫と別れるよう求める」ことが可能です。先に説明したように、夫と離婚しない場合には慰謝料は安くなります。また不倫相手が若い女性などでほとんど貯金もなく低収入というケースもあります。

高額な慰謝料を払ってもらえないならば、夫と不倫相手にきれいに別れてもらい、夫婦関係を修復する方向で不倫相手との話し合いを進める方がお互いに建設的です。
内容証明郵便で慰謝料請求をするときに、同時に「夫と別れること、今後一切接触をしないこと」を要求しましょう。具体的には面談、電話、メール、SNSなどあらゆる手段による接触を禁止します。
慰謝料支払いの合意書に、こういった「接触禁止条項」に書き入れておきましょう。

ただ、社内不倫のケースで「一切の接触禁止」が現実的でないことがあります。その場合には「プライベートでは一切接触しない」という内容にすると解決できます。

違約金の支払いを約束させる

夫の不倫相手に要求できることに「違約金の取り決め」があります。
慰謝料支払いの際に「夫と二度と接触しない」と約束してもらっても、約束に違反されて再度不倫するかもしれません。そのようなことを防止するため「もしも再度不倫したら違約金を支払う」と約束させるのです。

違約金の金額には決まりはありませんが、100~300万円程度の範囲内で設定するのが現実的でしょう。相手の収入や資産が高い場合にはそれに応じて高額にします。

謝罪文の要求

夫に不倫された妻は、不倫相手が憎いので「謝罪してほしい」「謝罪文を書いてほしい」と望むケースが多々あります。
しかし不倫相手に対し、法的に「謝罪文を求める権利」は保障されていません。また相手の「真摯な反省の気持ち」は強制できるものではありません。謝罪するかどうかは相手の自由なので、相手が拒絶したらそれ以上強くは言えません。
また相手が書いた謝罪文の内容が不十分な内容だったために余計に腹を立ててしまう方も多数おられます。

謝罪文を要求すること自体に問題はありませんが、そこにあまりこだわっても慰謝料が増額されるわけではありませんし、不倫された妻の心の平穏や満足も得られず、トラブルが大きくなるだけのケースもあります。
弁護士としては、謝罪文にこだわるよりも「浮気の自認書」を明確に書かせることをお勧めします。

不倫相手に請求するには「証拠」が必要

不倫相手に上記のようなさまざまな請求をするには「不倫の証拠」が必要です。証拠がないのに慰謝料の支払いや浮気の自認書作成を求めたり「夫と別れて下さい」などと言ったりしても「不倫してません」「逆に名誉毀損ではないですか」などと言われてしまいます。

不倫の証拠として、LINEやメールのメッセージ、画像や動画、通話履歴、クレジットカードの利用明細などさまざまなものを集めてから慰謝料請求などの具体的な行動を起こしましょう。
自分で十分な証拠を集められない場合には、探偵事務所を利用する方法もあります。

不倫相手に「してはいけないこと」

不倫された妻が不倫相手に「してはいけないこと」もいくつかあります。

・ネットで不倫されたと書く

ネットのブログやSNSなどに「不倫された」「〇〇は不倫女!」などと書くと、不倫相手に対する名誉毀損になってしまう可能性があります。くやしい気持ちがあってもネットなどの誰もが見られるところで悪口を書いてはいけません。

・会社に押しかける

夫と不倫相手が同じ会社の場合、会社に押しかけていって「夫とこの人が不倫しています!」などと騒ぐ方がおられます。しかしこのようなことをするとやはり「名誉毀損」になってしまう可能性がありますし、妻の方が「変わった人だ」と思われてしまうケースもあります。
そのような行動をとらず、法的に相手を追い詰める方法を検討しましょう。

・相手の実家に慰謝料請求する

不倫相手がお金を支払わないとき、相手の実家の親に慰謝料を支払うよう要求する方がおられます。しかし相手の親には慰謝料の支払義務はありません。相手が親に不倫のことを告げていない場合、プライバシーの侵害となってしまう可能性もあります。
また相手の親を脅したら「脅迫」「恐喝」などと受け止められてしまうおそれもあるので、相手の親には連絡をしない方が得策です。

まとめ

夫に不倫された妻が不倫相手にできることはたくさんありますが、状況によってとるべき手段が異なります。何から始めたら良いのかわからない方、対応に迷われた方はお気軽に弁護士までご相談下さい。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

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