法律事務所オーセンスの離婚コラム

面会交流権を行使すれば離婚後も子どもに会える!

面会交流権を行使すれば離婚後も子どもに会える!

子どもがいる夫婦の場合、離婚後、どちらが親権者になるかを決めなければなりません。

一方、子どもと離れて暮らすことになった親は、子どもと面会等を行うことを請求する権利(面会交流権)があります。
今回は面会交流に関してと、その方法、面会交流が認められないケースなどについて解説します。

面会交流権を行使することで離婚後も子どもに会える

面会交流権を行使すれば離婚後も子供に会える

面会交流とは、別居中又は離婚後に、子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会ないし交流することをいいます。
これまで日本では、面会交流について規定されていませんでしたが、2011年の民法改正によって規定されました。

面会交流は、子どもが健全に成長していくために必要なものと考えられており、子どものための権利であるともいえます。

なお、未婚の場合であっても、子どもを認知していれば、その子どもとの面会交流が認められます。

離婚前の別居中にも面会は認められている

面会交流は離婚した後にのみに認められるわけではありません。離婚前の別居中であっても、親と子どもが離れて生活している場合には、面会交流が認められます。
これは、面会交流が、子どもの利益を考慮して、健全な成長を促す目的があるという点に起因します。

面会交流の頻度や回数・時間などは事前に決めておく

厚生労働省が平成29年に発表した「平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」では、母子世帯が123.2万世帯、父子世帯が18.7世帯となっています。

この調査では面会交流に関するアンケートを実施しました。その結果、面会交流に関する取り決めをしていると答えたのは母子世帯で24.1%、父子世帯で27.3%となっています。[注1]

離婚後の面会交流に備えて面会の頻度や回数・時間、場所などを取り決めておくことで、実際に面会する際もスムーズに実施ができます。

同調査では、母子世帯では「月1回以上2回未満」が23.1%と最多で、父子世帯では月2回以上が21.1%で最多となっています。

なお、面会交流の頻度や回数・時間、場所に加えて以下のような点も併せて決めておくとよいでしょう。

  • ・子どもの引き渡し方法
  • ・面会交流ができなくなった場合の条件(病気になった場合など)
  • ・面会交流で発生する費用の負担
  • ・長期休暇(夏休みなど)の場合の取り扱い
  • ・学校行事への参加

[注1] 平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11923000-Kodomokateikyoku-Kateifukishika/0000188136.pdf

面会交流は離婚前に決めておくことが大切

面会交流は離婚前に決めておくことが大切

面会交流を決めるタイミングは、離婚前が理想的です。離婚後であっても、両親で面会交流について話し合うことが考えられますが、離婚前に面会交流について取り決めておく方が、円滑に離婚後の面会交流を実施できます。

面会交流はまず話し合いで決める

面会交流の取り決めは、まず両親の話し合いで決めていきます。話し合いを進めていき、お互いが納得する結果になれば、公正役場で公正証書を作成して、話し合いの結果を書面として残しておきましょう。

話し合いで解決しない場合は調停・審判を行う

面会交流を取り決めるということは、離婚ないし別居中であるため、協議が難航することもあり得ます。両者の意見が合わない場合、家庭裁判所に面会交流調停を申し立てます。これは離婚調停中であっても申立て可能です。

調停手続では、調停委員が中心となって話し合いが進んでいきます。
話し合いでは、子どもの年齢や性別、生活状況等を踏まえ、本人の意向も尊重した取り決めができるよう、調停案が提示されることもあります。

面会交流の取決めに際しては、家庭裁判所調査官が子どもの心情・意向等を調査する場合や、試行的面会交流を実施する場合があり、その場合は、調査官の調査結果を踏まえて、調停が進行されることになります。

両親が、合意すれば調停成立ですが、まとまらない場合は調停不成立となり、審判手続きに進み、裁判官により決せられます。

調査官調査は審判や調停の判断材料となる資料

面会交流に関する調停・審判が行われる家庭裁判所には、家庭裁判所調査官が所属しています。調査官は、心理学や教育、法律などに関する知識をもっており、子どもが面会交流についてどう考えているか、交流が親に与える影響などを調べます。

この調査で得られた結果は、裁判官が下す審判や調停委員の判断材料として活用されます。

試行的面会交流で試行的に交流し親子の関係を観察する

試行的面会交流とは、家庭裁判所の場を借りて、別居している親が子どもと会うことをいいます。すでに別居をしていて、別居中に面会交流が円滑に行われていない場合などに、試しに親子を面会させ、どのような交流を図っているかを調査官が観察します。

通常1回だけしか行われず、その後の調停期日では、調査官の視点から交流場面で見られた課題や問題点が指摘されます。

自分の望む面会交流を獲得するには具体的な希望を伝える

自分の望む面会交流を獲得するには、具体的にどのような面会を希望するか、相手にはっきりと伝えましょう。

例えば、週に1回なのか、2週に1回なのか、祖父母にも会わせるのかといった点について、明確に伝えることで、誠意も伝わります。

ただし、この際は子どもの気持ちを汲むことを忘れてはいけません。

先述のように、面会交流は、子どものための権利ともいえます。そのため、面会交流の取り決めにあたっては子どもの意向も尊重されます。

面会交流が認められないケースもある

面会交流は、必ずしもすべてが認められるというわけではありません。
面会交流は、「子どもの福祉」という観点から考えられます。
そのため、以下のような事情があり、「子どもの福祉」に合致しないと裁判官が判断すれば、面会交流が制限される場合や、認められない場合があります。

  • ・子どもが拒否している場合や、子どもの生活環境に悪影響を及ぼす場合
  • ・監護親に対し暴力を振るう場合や、監護親の監護状況を尊重できない場合
  • ・犯罪等の問題行動がある場合

子どもの意見が尊重される傾向にある

監護親の意見の影響を受けずに、子どもが自分の意思を伝えられる場合、裁判所は、子どもの意見を尊重する傾向にあります。そのため、子どもの拒否が明白な場合は、面会交流が認めらないこともあります。

また、両親の離婚で子どもが不登校になった場合のように、子どもへの悪影響が懸念される場合は、面会交流が認められない可能性があります。

監護親の監護状況を尊重しない場合も面会交流が認められない

監護親が別居や離婚にいたった経緯が、別居した親からの暴力等であった場合、子どもが両親の抗争に巻き込まれる危険があることから、面会交流が認められない傾向にあります。

また、監護親と別居している親との間で教育方針が異なる場合、別居している親が監護親を非難したり、干渉したりする恐れがあります。このような場合も面会交流が認められない可能性があります。

別居している親に犯罪等の問題点がある場合

別居している親に薬物使用といった問題がある場合は、子どもへの影響を考慮して、面会交流が認められないことがあります。

家庭裁判所で定められた面会交流が行われない場合は履行勧告が出せる

面会交流が家庭裁判所の調停や審判で定められたとしても、実際に行われなくなってしまうケースもあります。
このような場合、家庭裁判所に履行勧告の申出をするという方法があります。

また、「間接強制」という手段をとることが考えられます。「間接強制」とは、債務を履行しない債務者に対し、一定期間内に債務を履行しなければ債務とは別に間接強制金を課すことを裁判所が警告することで債務者に心理的圧迫を加え、自発的な履行を促すという方法です。

なお、家庭裁判所の手続きをとらず、当事者同士の協議で決められた面会交流が行われない場合は、履行勧告は出されません。

面会交流に関する相談は弁護士に

離婚・別居後の監護親、別居している親の関係性が良好であれば、面会交流に関する取り決めもスムーズに進んでいきます。
ですが、両者に意見の相違がみられる場合は、家庭裁判所の調停や審判に発展することもあります。

また、家庭裁判所で決められた面会交流が認められなかった場合には履行勧告を家庭裁判所に申し出るといった方法があります。

このような手続きを行うには、専門的な知識が必要とされます。
そのため、面会交流について不安な点があれば、弁護士に相談するのがおすすめです。

まとめ

面会交流は、子どもにとっても、離れて暮らす親の愛情を感じてもらう大切な機会です。

離婚前の段階から、面会交流について夫婦で話し合い、離婚後の面会交流がスムーズにいくようにしましょう。
もし、話し合いがこじれてしまった場合は弁護士に相談して、面会交流の取り決めができるよう、適切な対応をとることが必要です。

このコラムの監修者

藤本奏恵 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士藤本 奏恵(第二東京弁護士会所属)

早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事事件や刑事事件など幅広く取り扱う。

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