離婚届の提出後は、離婚が正式に成立して一安心といったタイミングですが、離婚にともなう様々な手続きをしなければいけません。一息ついたら手続きを進めていきましょう。特に扶養から外れる場合や姓が変わる場合などでは、手続きが多くなりますので抜け漏れのないように注意しなければなりません。この記事では、離婚後に必要となる手続きを具体的に紹介します。
目次
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市区町村役所で行う手続き
離婚に伴って、市区町村役場で行うべき手続きは数多くあります。
下記にその代表的なものを挙げますので、自分に必要な手続きを事前に把握して、何度も役所に足を運ばなくても済むように効率よく手続きを進めましょう。
ただし、会社員でない場合などではここで挙げた以外にも必要な手続きがありますので、漏れのないように事前にご自身に必要な手続きチェックリストなどを作成すると良いでしょう。
住民票に関する手続き
離婚届を提出すると、離婚届を受理した市区町村が住民票のある自治体に戸籍上の姓が変更になったことを通知しますので、姓の変更だけであれば住民票の変更手続きは必要ありません。
ですので、離婚前から別居していたような場合には、特に住民票の手続きはしなくて構いません。
しかし、離婚によって転居する場合には、住民票の移動手続きが必要です。
その際、通常の引越しと同様に現在の住民票がある市区町村内で転居する場合には転居届を、違う市区町村へ引っ越す場合には転出届を提出し、引越し先の市区町村役所に転入届を提出します。
離婚届は婚姻期間中にお住いだった市区町村役場に提出することが多いかと思いますので、その場合には転出届も同じ日に提出すると手続きがスムーズでしょう。
世帯主の変更に関する手続き
また、自分は元の住まいに残り、相手が引っ越す場合、世帯主が自分であれば住民票に関連した手続きは必要ありません。
しかし、世帯主が自分ではなくて相手だった場合には世帯主変更の手続きが必要になることがあります。
具体的には、元の家に残る家族のうち、例えば成人した子どもと妻など、世帯主になることができる人が二人以上いる場合には、そのうちの誰が世帯主になるのかを役所に知らせるために、世帯主変更届が必要になります。
世帯主変更届は世帯主に変更が生じた日、つまり離婚届を提出した日から14日以内に提出しなければなりません。
印鑑登録
離婚によって姓や住所が変わる場合には、印鑑登録は失効してしまいますので印鑑登録の変更手続きも必要になります。
ただし、姓が入っていない名前だけの印鑑で登録していた場合には、住所に変更がなければ印鑑登録は失効されませんので、手続きは必要ありません。
【会社員の場合】厚生年金・社会保険の変更手続き
扶養家族や住所に変更があった場合、勤め先の厚生年金・社会保険の変更手続きを行う必要があります。
ほとんどの会社では担当者に連絡すれば会社が手続きを行ってくれますので、連絡しましょう。
離婚によって家族が扶養から外れる場合は、外れる人物の健康保険証を返却する必要がありますので、離婚前に受け取り忘れのないように気をつけましょう。
離婚前は配偶者の扶養に入っていた場合でも、月の勤務時間や日数などの一定の条件を満たせば、勤務先の厚生年金・社会保険に入れる場合もありますので、担当者に一度問い合わせてみることをおすすめします。
また、上司に理解がある場合には、勤務日数など雇用形態を見直して、厚生年金や社会保険の加入が可能になるように調整してくれる場合もありますので、相談してみるといいでしょう。
【会社員でない場合】国民年金・国民健康保険の変更手続き
自営業などで国民年金・国民健康保険に加入していて、離婚後も引き続き国民年金・国民健康保険に加入し続ける場合には、会社に勤めている場合と違い、自分で氏名や住所の変更の手続きを行う必要があります。
国民年金・国民健康保険の手続きは住民票のある市区町村の役所で行います。
また、離婚前は専業主婦(主夫)あるいはパートなど扶養の範囲内で働き、配偶者の扶養に入っていた場合には、離婚後は自分自身で新たに国民年金・国民健康保険に入らなければなりません。
加入の手続きは離婚後14日以内に行う必要があります。
もし加入していない時期に事故や病気などになってしまいますと大変ですので、離婚後速やかに手続きを行いましょう。
また、国民年金・国民保険に加入していた配偶者の扶養から外れ、離婚後勤務先の厚生年金・社会保険に加入するというケースでは、会社での加入手続きに加え、国民年金・保険の脱退手続きも必要となります。
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運転免許証や銀行口座などの名義・住所変更手続き
離婚によって姓や住所が変わる場合には、運転免許証や銀行、クレジットカードなど、氏名や住所を登録している全てのもので手続きが必要になります。
運転免許証の氏名及び住所変更の手続きは、運転免許センターか警察署で記載事項の変更手続きを行います。
その際、氏名に変更がある場合には本籍が記載されている住民票、住所のみの変更の場合には新住所が確認できる書類を提出する必要があります。
国民健康保険の手続きなどと違って届出の期限はありませんが、変更を怠ると免許更新のハガキが届かないなどの問題につながりますので、できるだけ早めに手続きしましょう。
一方、銀行やクレジットカードなどでは、住所変更だけであれば、サービスによっては提出書類は必要なく、実際に窓口に出向かなくても電話やインターネットの会員用のページで手続きすることができます。
しかし氏名に変更がある場合、銀行では届出印の変更等が必要となりますので、その場合には直接窓口で手続きを行う必要があります。
クレジットカードの場合は氏名に変更がある場合でも、必要書類を郵送で送って手続きできます。
他にもお店の会員カードなど各種サービスで、氏名・住所の変更を忘れないようにしましょう。
子どもに関する手続き
子どもがいる場合には、手続きもたくさんあります。
特に子どもがまだ18歳以下ならばもらえる手当がありますので、忘れず受取人の変更や新規申請を行いましょう。
氏名と戸籍
離婚に伴って親権者に指定した親が、結婚の時に姓を変更しなかった親(筆頭者)であれば、氏名の変更は当然必要になりません。
また、戸籍に関しても、子どもは離婚によって戸籍が分かれると自動的に筆頭者の戸籍に入りますので、手続きは必要ありません。
しかし、親権者となる親が離婚に伴って元の姓に戻る(復氏する)場合には、姓と戸籍の変更手続きが必要です。
いじめなどを懸念して、子どもの姓をできるだけ変えたくないと思う親もいらっしゃいますが、同じ戸籍に入るためには同じ苗字である必要がありますので、残念ながら自分が復氏する場合には子どもの姓も変更する必要があります。
姓と戸籍の変更はそれぞれ手続きする必要があり、その流れは少し複雑なため、以下にて確認していきましょう。
まずは、自分を筆頭者とした新しい戸籍を作ります。
離婚すると結婚前の戸籍に戻ることもできますが、同じ戸籍に入れるのは、筆頭者自身と配偶者、そして夫婦の子どもと定められていますので、自分の戸籍に子どもを入れるためには新たに戸籍を作る必要があるのです。
次に、子どもの姓を変更します。
これは、市区町村役場ではなく住所地の家庭裁判所で行います。
家庭裁判所で子どもの姓の変更が許可されると、自分と子どもの姓が一致し、戸籍に子どもを入れる準備が整います。
市区町村役所の戸籍を扱う係で入籍届を提出すれば、無事子どもが自分の戸籍に入ります。
また、子どもが20歳以上で未婚の場合は、離婚後も子どもは結婚中の姓を引き続き使用し、子ども自身を筆頭者とした新しい戸籍を作ることもできます。
児童手当
児童手当は、子育てを支援するために国から支給されるものです。
中学生までの子どもがある場合に支給され、離婚しているかどうかに関わらず受け取ることができます。
離婚後は、通常は親権者となった親が受給者となりますので、離婚前に受給していた親と異なる場合には、受給者変更の手続きをしなければなりません。
手続きは新しく受給者となる親だけで行うことができ、市役所に認定請求書を提出します。
児童扶養手当の申請
児童手当と似た名前ですが、児童扶養手当は児童手当とは違い、ひとり親世帯を対象に支給されるもので、母親が親権を持つケースが多いことから「母子手当」と呼ばれることもあります。
高校卒業時期までの子どもを育てているひとり親世帯に支給されます。
児童扶養手当は、離婚すれば自動的に支給が始まる制度ではありませんので、離婚後速やかに認定請求書を提出して受給を開始しましょう。
書類提出後、最短でも翌月からの支給になりますので、離婚直後はバタバタしますが申請が遅れれば遅れるほど損をしてしまいますので、忘れないように早めに提出しましょう。
以上のように、離婚後の手続きは公的なものだけでも非常に多く、特に姓が変わったり子どもがいる場合には、さらに多くの手続きが必要となります。
離婚届を提出して一安心といきたいところですが、うかうかしていると大事な手続きを忘れてしまい、後々の大きなトラブルにつながってしまうかもしれません。
自分用のチェックリストなどを作って、漏れのないように手続きすることをおすすめします。
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Authense法律事務所では、離婚問題について、豊富な経験と実績を有する弁護士らで構成する離婚専任チームを設けています。
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離婚問題を弁護士にご依頼いただくことには、さまざまなメリットがあります。
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相手方に有利な条件での示談や和解を要求された場合でも、弁護士に依頼することによって、過去の判例などを踏まえた対等な交渉ができます。
また、問題終結後に弁護士を通して合意書を作成しておけば、和解成立後に相手方から再び慰謝料を請求されたり、不貞行為の内容をSNSに投稿されたりといった事後的なトラブルを未然に防止することも可能になります。
私たちは、調停や裁判の勝ち負けだけではなく、離婚後の新生活も見据えてご相談者様に寄り添い、一緒にゴールに向けて歩みます。
どうぞお気軽にご相談ください。
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