コラム
公開 2020.10.12 更新 2023.12.06

離婚後の子どもの戸籍変更を解説

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離婚をしても、子どもの戸籍は手続きをしないかぎり、婚姻中の戸籍に入ったままになります。そのため、子どもの戸籍変更はご自身の姓・戸籍とは別に手続きを行う必要があります。ここでは、離婚後における子どもの戸籍変更について解説していきます。ご自身の戸籍変更とどのように違うのかを知っておきましょう。

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「戸籍」の基本を確認する

子供の戸籍を変える前に確認しておべきこと

離婚をして子どもの戸籍を変更するにあたっては、さまざまな手続きが必要になります。
まずは戸籍の基本を確認しておきましょう。

「戸籍」は、原則として、国民を家族(夫婦及びその子ども)ごとに単位で把握するための制度です。
戸籍のある夫婦に新たに子どもが生まれた場合は、出生届を提出すると、その子どもが戸籍に入ります。
子どもが大きくなり結婚をすると、戸籍を移動する仕組みです。
また、その戸籍は、最終的に死亡まで記載されます。

離婚をして旧姓に戻る方は、前の戸籍に戻る形をとることができます。
一般的に、前の戸籍とは、結婚前に入っていた親の戸籍です。

しかし、旧姓に戻りたくない事情がある場合は、「婚氏続称制度」が利用できます。
この場合でも、夫の戸籍からは出る必要があります。
そのため、夫の戸籍から抜けたうえで、新たに戸籍を作らなければなりません。

婚氏続称制度は、離婚後3ヵ月以内の届け出で、婚姻時の氏を続けながら戸籍のみを新しくできるシステムです。

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子どもの氏は離婚しても自動的に変更されない

子どもの氏は、自動的に親権者と同様に切り替わるというわけではありません。ここには注意が必要です。
たとえば、母親が親権者になり(旧姓になって)一緒に暮らしていく場合でも、子どもの氏はそのままです。

自分の戸籍に子どもを入れるなら家庭裁判所への申し立てが必要

離婚後、子どもを自分の戸籍に入れたい方は、家庭裁判所への申し立てが必要です。
これは、民法791条の「子の氏の変更許可」でできます。

さらに、離婚後、前の戸籍に戻り、自身の親が戸籍の筆頭者である場合は、その戸籍に子どもは入れないことも理解しておきましょう。
戸籍の中で構成されるのは、二世代までと決まっています。孫は三世代にあたるので、戸籍に入れない仕組みです。
そのため、子どもを自分の戸籍に入れたい場合は、自分を筆頭者とする戸籍を新しく作りましょう。

「子の氏の変更許可」で自分と同じ戸籍に!変更手続きに必要なものを確認

子どもと一緒の戸籍になるため、家庭裁判所に子の氏の変更許可申立をする場合は、必要な書類をあらかじめ揃えておきましょう。
子どもが15歳未満の場合は、親権者が家庭裁判所に氏の変更許可の申立てを行います。

【申し立てに必要な書類】

一般的には、以下の書類が必要になります。

  • ・申立書
  • ・父・母の戸籍謄本
  • ・申し立てをする子どもの戸籍謄本

父・母の戸籍謄本は、離婚の記載があるものを用意します。
また、申し立てをする子どもの戸籍謄本は、全部事項証明書です(※但し、同じ書類は、1通で足ります)。
そのほか一般的に、収入印紙、郵便切手が必要になります。

申立てをして、変更が認められた場合は、裁判所から審判書を受け取ります。

最終的に「入籍届」で子どもと同じ戸籍に入れる!手続きの仕方をチェック

家庭裁判所にて、氏の変更許可を得た後は、戸籍も変更しなければなりません。
役所にて、入籍届を提出しましょう。届出にあたっては、審判書謄本のほか、書類(戸籍謄本等)の提出を求められることがありますので、詳しくは届出する役所に問い合わせましょう。

入籍する子どもが15歳未満の場合は、親権者が届出人となります。分からないことがあれば役所で尋ねるとスムーズです。

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忘れがちな子どもの戸籍の変更に注意!

離婚ではさまざまな手続きが必要になります。
離婚後、子どもの戸籍までは頭が回らず、元の配偶者の戸籍に入ったまま放置されることは多くあります。

離婚をして母親が親権者になり、婚姻中の戸籍から出た場合も、子どもの戸籍は自然に移動しません。
そのため、子どもの戸籍を変更したい方は、このような手続きを忘れないようにしたいものです。

まとめ

子どもの氏・戸籍の変更にあたっては、家庭裁判所での手続きも必要になります。
姓の問題をはじめ、離婚したことによって発生する問題は、弁護士にも相談できます。
子どもに不安を与えないためにも、離婚後の手続きや、離婚後の問題について不安なことがあれば、まず弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

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記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。企業法務から、離婚、相続問題を中心とした一般民事事件、刑事事件など幅広く取り扱う。
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