ブログ・コラム

離婚調停ではどんな話をするの?有利に進めるためのコツ

はじめて離婚調停に参加する場合「裁判所でどんな話をするのだろう?」と不安を抱えるものです。事前に話し方や対処方法を知っておくと、実際の調停の席で話し合いを有利に進められるでしょう。
今回は離婚調停で質問される内容や答え方などについて、弁護士がご説明します。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(大阪弁護士会)
京都大学法学部卒業、神戸大学法科大学院修了。不動産法務、離婚、相続、刑事事件を中心とした法律問題を取り扱う。不法行為に基づく慰謝料請求事件や刑事事件の示談交渉などの解決実績を有する。

1.離婚調停の雰囲気

「家庭裁判所で行われる離婚調停」と聞くと、「いったい何の話をするのか?」、「とても厳格で堅苦しい雰囲気ではないか?」と不安に感じる方も多いでしょう。ただ、現実の離婚調停は、さほど窮屈な手続きではありません。離婚調停は、裁判官1人と調停委員2人以上(通常は男女1名ずつ)で構成される調停委員会が仲介して当事者間の合意を成立させるための手続です。

調停委員は、紛争解決に一般市民の良識を反映させるために、豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人の中から選ばれています。具体的には、40代から60代の方で、弁護士、医師、建築士、大学教授などの専門家のほか、地域社会に密着して幅広く活動してきた方など、様々な分野の方が選ばれています。調停は、あくまで話し合いの場であり、どちらの当事者の言い分が正しいかを決める場ではありません。
基本的には和やかな雰囲気で行われるので、身構える必要はありません。
また、調停は非公開の調停室で行われるので、話した内容が外部に漏れる心配はありませんし、一般的には当事者が交互に調停委員と面談する方法が採られているので、基本的には当事者が面と向かって話をする必要もありません。

2.離婚調停でどんな話をするのか

離婚調停でどんな話をするのか

離婚調停ではどんな内容の話をするのか、よくある例をご紹介します。

2-1.離婚したい理由

調停申立人へ必ず聞かれるのが「離婚したい理由」です。
調停申立書にも離婚したいと考えた理由を書き込む欄がありますが、これだけでは詳細はわからないので、調停委員は期日に口頭で確認していきます。

「なぜ離婚したいのか?」と聞かれたときに、その理由を調停委員に説明できるように準備しておく必要があります。

調停に行く前に「離婚したい理由」を整理して、箇条書きなどにして紙にまとめておくとよいでしょう。

2-2.修復するつもりはないのか

離婚調停を申し立てても、必ずしも夫婦が離婚しなければならないわけではありません。調停は円満な夫婦関係を回復するための話合いをする場としても利用することができます。離婚をすること自体に迷いがある場合や、相手方の意見を聞いてもう一度夫婦関係をやり直そうと思えることもあるので、調停委員は当事者双方に対して、夫婦関係を修復する意思があるかを尋ねる場合もあります。

申立人が離婚を固く決意している場合、調停委員から「修復するつもりはありますか?」などと聞かれると、「修復しろということか?」と混乱してしまったり、「そんなの考えられるはずがない!」と感情的になってしまったりするかもしれません。
しかし、調停委員は、調停での話し合いの方針について確認するために、当事者双方の意思を確認しているだけですので、不安になる必要はありません。

夫婦関係を修復する意思がないのであれば、「一切修復するつもりはありません」と、ご自身の気持ちを素直に伝えれば問題ありません。

2-3.子どもについて

子どものいる方が離婚調停を申し立てると、調停委員から「親権についてはどう考えていますか?(取得したいか相手方に任せたいか)」と尋ねられます。特に親権について争いがある場合には、子どもの現状やこれまでの子どもの監護状況などについて詳しく尋ねられることになります。

特に未成年の子どもがいる方が離婚する場合には、子どもに対する影響も大きくなりますので、子どもへの説明方法など、慎重な対応が必要になります。子どもへの影響も十分に考慮しつつ、事前に「親権者になりたいのか」「養育費をどのくらい払ってほしいのか」「相手方に親権を譲るとしても面会はどのくらいの頻度で行うのか」など、子どもについての希望事項をまとめておきましょう。

調停で親権を獲得するためには、相手方より自分の方が親権者として相応しいということを主張し、調停委員にもそのことを分かってもらう必要があります。「子どもにとって何が良いのか」という観点から、自分が親権者に相応しいといえる状態を確保しておく必要があります。

2-4.財産について

離婚するときには、財産分与について話し合うことも重要です。財産分与とは、婚姻生活中に夫婦が協力して築き上げた財産を分けることです。財産分与は、離婚したときから2年以内であれば請求することができるので、必ずしも離婚時に話し合う必要はありません。しかし、離婚後はお互いに連絡を取り合うことが難しくなることも多く、財産の把握が困難となったり、時間が経って財産が散逸してしまうなどのリスクがあるので、離婚の際にしっかりと話し合っておく方が安心です。

調停委員からも、財産分与について以下のような質問がなされます。

  • ・夫婦の共有財産としてどのようなものがあるのか
  • ・財産の価値はどのくらいか
  • ・どのようにして分けたいのか

調停では、何を財産分与の対象として、どのように分けるかについて話し合うために、財産目録を作成する必要があるので、調停の申立ての前に、不動産の査定結果など、財産目録を作成するために必要な資料を揃えておくと安心です。
調停では、当事者がそれぞれどのような財産を持っているかについては各自が自主的に開示するのが原則ですが、相手方が自分の財産情報を開示してくれない場合もあります。そのような時には、「〇〇(預金や保険など)があるはずだが、相手方名義になっていてこちらでは調べられないので、裁判所から相手方に対して、開示するように言ってください」などと伝え、調停委員から相手方へ開示を促してもらうとよいでしょう。
それでも相手方が情報を開示してくれない場合には、裁判所が行う調査嘱託や弁護士が行う弁護士会照会といった情報開示のための手続きが必要になります。
財産分与の話し合いは、相手方が情報を開示してくれない場合だけでなく、どのような財産が財産分与の対象となるのか、財産の価値はいくらなのか、相手方が主張している分与の方法が正しいのかなど、判断に迷うことも多いトピックですので、財産分与で揉めている場合には一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

2-5.証拠はあるのか

例えば、相手方の不倫を理由に慰謝料請求をしたが、相手方が不倫の事実を認めていないような場合、「証拠はありますか?」と聞かれることも多くあります。
調停はあくまで話し合いの場であり、何が真実であるかを判断する場ではないので、調停において必ず証拠が必要になるわけではありません。
しかし、確かな証拠がある場合には、調停委員もその言い分を信用することができるので、相手方にもそのような証拠があることを前提に説得をしてくれる可能性があります。
そのため、調停を申し立てるにあたり、自分に有利な証拠を集めておくことはとても有益です。

3.調停を有利に進めるための3つのコツ

3-1.丁寧に接する

調停委員も人間なので、誠実に対応する当事者の印象は良くなります。
服装、髪型、入室したときの挨拶、話しているときの姿勢、態度など常識的な対応を心がけましょう。
たとえば入室したら必ず挨拶をする、感情的にならず冷静に受け答えする、などです。服装は特に決まりはありませんので、普段の服装で構いません。
「非常識」と思われなければ問題ありませんので、難しく考える必要はありません。

3-2.言いたいことははっきり主張する

調停を有利に進めるには「言いたいことをはっきり主張する」ことが非常に重要です。
おとなしい方や口下手な方は、どうしても自分の要望をうまく表現できずに黙ってしまいがちです。そうなると、調停委員に要望が伝わらず、話がどんどん相手方のペースになってしまう可能性があります。
できるだけ積極的に自分の要望を伝えましょう。その場になると話せなくなる方は、事前に伝えたいことを紙に書いてまとめておくとよいでしょう。

3-3.弁護士に依頼する

離婚調停を弁護士に依頼すれば、ご自身一人で対応するよりも有利に話し合いを進められます。
まず、離婚事件を数多く取り扱っている弁護士は離婚調停に慣れているので、どのような対応が適切かを熟知しています。また、法律の知識に照らし、依頼者の要望を法的観点から根拠づけて調停委員を説得してくれます。
調停委員自身、当事者から要望を述べられるよりも弁護士から法律的な理由をつけて説得される方が、納得しやすい傾向があります。

また、弁護士に相談していれば、調停の準備や事前の証拠集めなども効果的に進められます。不安も解消され安心して手続きを進められるので、離婚調停を申し立てるなら、離婚に詳しい弁護士のサポートを受けるとよいでしょう。

まとめ

離婚調停で調停委員と話をするときには、冷静な態度で自分の要望をわかりやすく伝える必要があります。弁護士を代理人に立てていると、調停を有利に進められる可能性が高くなります。
当事務所では離婚トラブルの解決に積極的に取り組んでおり、調停に必要な知識や対応ノウハウも蓄積しています。後悔しない離婚を実現するため、ぜひとも一度ご相談ください。

CONTACT

法律相談ご予約のお客様