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2021.07.02

夫婦別姓が離婚に与える影響は?夫婦別姓にするメリット・デメリット

選択的夫婦別姓が導入された際に離婚に影響があるのか、夫婦別姓にするメリット・デメリットには何があるのか解説します。
選択的夫婦別姓は、結婚する際に同姓・別姓を選べる仕組みです。現在の法律では、結婚の際は夫婦となる一方が必ず氏を改めなければなりませんが、夫婦別姓制度は法務省で検討が進められています。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事事件や刑事事件など幅広く取り扱う。

夫婦別姓が導入されたら変わること

「選択的夫婦別姓」は、結婚するときに夫婦で同姓にするか、別姓にするかを選べる仕組みです。
現在の法律では、結婚をする際、夫婦となるいずれか一方が、必ず氏を一方の氏に改めなければなりません。
そして、家制度の名残から夫の氏を選び、妻が氏を改める例が圧倒的に多くなっています。

ところが、女性の社会進出などに伴い、改姓による社会的な不便・不利益を指摘されてきたことなどを背景に、選択的夫婦別姓制度の導入を求める社会的機運が高まりました。
夫婦別姓制度が導入されると、結婚する際に夫婦どちらかの氏に改めるか、もしくは夫婦それぞれが結婚前の氏を名乗るかを選択できるように変わります。

また、別姓夫婦の間に子どもが生まれた場合、子どもは夫婦どちらかの氏を名乗ることになります。
基本的な夫婦の法的なルールに変更はありませんが、戸籍などの制度が変更になるため、現在も法務省で検討が進められています。

夫婦別姓にするメリット

夫婦別姓にするメリット

夫婦別姓制度では、夫婦がいずれも婚姻前の姓を引き続き名乗ることができ、改姓を余儀なくされたことによる自己喪失感、不平等感などがなくなります。
では、夫婦別姓には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

仕事に支障が出ない

夫婦別姓のメリットとして、仕事に影響を与えないという点があります。

これまでは、結婚を機に妻が、夫の氏に変更することが圧倒的に多かったため、改姓により、信用、実績を断絶されることもありました。

また、女性が職場で事実上、旧姓を使用していたとしても、書類などの記載には戸籍上の姓を記載しなければならないため、混乱を生じさせるおそれもありました。

そのため、夫婦別姓とすると、これまでの信用、実績に影響もなく、戸籍上の氏名と職場の通称がずれるという不自由から解消されることが期待されます。

公的な手続きが不要になる

夫婦別姓には、公的な手続きが要らなくなるというメリットもあります。

夫婦別姓になれば、改姓に伴う手続きが不要になるため、免許証、パスポートといった公的なものから、携帯電話やハンコ、クレジットカード、銀行口座といった私的なものを含めて各種手続きをする必要がなくなります。

夫婦別姓にするデメリット

夫婦別姓にするデメリットとしては、子どもが両親のどちらかの氏を名乗らなければならないことです。

子どもの姓が一方の親と異なることで、子どもが疎外感を感じるだろう、という意見もあります。

このほか、「家族」に対する価値観が薄くなってしまうという意見もあります。
婚姻制度はもともと家同士がつながりを持ち、家族となるという社会制度に由来するため、夫婦別姓によることで「家族」という意識が薄くなってしまうと考えられています。

ただ、あくまで価値観の違いによりますので、デメリットといえるかは難しいところです。
夫婦別姓が導入された場合、当初は抵抗感があるかもしれませんが、制度が定着してくれば、デメリットは解消されてくるものと想定されます。

夫婦別姓による離婚の際のメリット

夫婦別姓による離婚の際のメリット

夫婦別姓制度が導入され、夫婦別姓を選択した場合でも、婚姻関係が築かれることに違いはなく、離婚の条件などに影響はないでしょう。

夫婦別姓を選択した場合のメリットとしては、離婚後に氏が変更しないため、職場から必要以上にプライバシーに踏み込まれるリスクを減らすことができるという点が考えられます。

また、夫婦別姓を選択した場合には、離婚後に氏を戻す必要がないため、各種名義を変更するという手間がなくなります。

まとめ

夫婦別姓制度はまだ導入されていませんが、世界的な男女平等の機運の高まりによって、導入が積極的に検討されています。

もっとも、日本では「家制度」の風習が根強く、制度の導入に対する抵抗感もまだまだ強いのが現状です。
夫婦別姓制度によって、仕事をしている女性が、結婚してもより一層働きやすい環境となり、結婚に対して前向きになれる効果も期待できるでしょう。

また、万が一、離婚に至ってしまった場合にも、氏が変わらないため、職場から必要以上にプライバシーに踏み込まれるリスクも低減できます。

いずれにしても、夫婦別姓制度が導入された場合に、夫婦別姓を選択するかどうかは、夫婦で丁寧に話し合いをするべきです。

オーセンスの弁護士が、お役に立てること

・現在は、夫婦別姓制度が導入されていないため、婚姻時に姓を変更した場合は、離婚時には、旧姓に戻すか、婚姻時の姓を名乗るか選択することになります。弁護士にご相談いただければ、離婚後の手続きについて、具体的にご説明いたします。

・現在、夫婦別姓が法的に認められていないことから、「事実婚」のご夫婦もいらっしゃると思います。事実婚のご夫婦についても、事実婚の解消時(離婚時)には、離婚協議をし、離婚の条件について取り決めをすることが大切です。弁護士にご相談いただければ、離婚の進め方や、取り決めるべき離婚の条件について、具体的にアドバイスすることができます。

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