コラム

公開 2020.01.14 更新 2023.11.17

離婚調停が不成立に!離婚訴訟へ進めるときの流れはどうなる?

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離婚調停をしても、相手とどうしても合意できない場合や、相手が調停に来ないために話を全く進められない場合があるものです。

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1.離婚調停の「不成立」とは

何度か離婚調停の期日を重ねてもなかなか成立しないとき、調停委員から「これは調停を不成立にするしかないかもしれません」と言われるケースがあります。
不成立とは、調停成立の見込みがないために話し合いが打ち切られることです。

調停は当事者(申立人と相手方)が話し合いによって解決を目指す手続きです。
双方の対立が激しくて溝を埋めようがないケースや、そもそも相手方が出席もしないケースでは、話し合いが成立する余地がありません。
それ以上調停を続けても意味がないので不成立とされます。

2.離婚調停が不成立になる典型的なパターン

離婚調停が不成立になりやすいパターンとして、以下のような場合があります。

  • ・双方とも親権を主張していて譲らない
  • ・一方が不倫を主張しており、他方が否定している
  • ・慰謝料の金額について合意できない
  • ・一方が相手の財産隠しを疑っており、財産分与について話し合いができない
  • ・DV事案で、加害者側が離婚を頑なに拒絶している、暴れたり騒いだりする
  • ・調停期日何度か開かれているが、相手方が一向に出席しない、連絡もつかない

なお対立しているポイントが養育費や年金分割であれば、調停内でなんとか調整されるケースが多数です。
また財産分与や慰謝料であっても、対立がわずかであれば調停で調整可能です。

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3.不成立の手続きの流れ

離婚調停が不成立になるとき、具体的にどのような流れになるのか説明をします。

調停の成立見込みがないと考えられると、調停委員が担当の調停官(裁判官)と評議を行い、調停官が調停を不成立にすることを認めます。
すると調停が不成立となり、調停委員から当事者それぞれに対し「不成立になりました」と伝えられます。

裁判所にもよりますが、特に相手方と同席したり調停官がやってきて説明されたりするわけではありません。
調停委員が部屋に戻ってきて簡単に不成立になったことを伝えられ、そのまま当事者が帰宅するケースが多くなっています。
申請しない限り不成立の証明書を受け取ることもありませんし相手とも会いません。
裁判官から「今後離婚訴訟をしてくださいね」などと助言してもらえるケースもほとんどありませんし、後日に何らかの書類が送られてくることもありません。

当事者にしてみると、あまりにあっけなく終わるので拍子抜けするケースも少なくありませんが、それでも裁判所の方ではきちんと調停不成立の処理ができています。

4.離婚訴訟は自分で提起する必要がある

離婚調停が不成立になった後、離婚をしたければ離婚訴訟をしなければなりません。
調停が不成立になっても自動的に訴訟が始まるわけではないので、訴訟は自らが原告となって提起する必要があります。

離婚訴訟は、調停を行った家庭裁判所を利用するか別の裁判所を利用するかで、少し手続きの流れが変わってくるので分けてご説明します。

4-1.離婚調停と同じ家庭裁判所で訴訟を起こす場合

離婚調停と同じ家庭裁判所で訴訟を起こす場合には、相手とあなたの戸籍謄本を用意して訴状を作成し、証拠をつけて家庭裁判所に提出すれば訴訟を提起できます。

そのとき、請求内容に応じた印紙を貼付する必要があります。
離婚請求だけなら印紙代は13,000円ですが、慰謝料などの他の請求をする場合には内容に応じて金額が加算されます。
たとえば500万円の慰謝料を請求する事案であれば印紙代は30,000円必要です。

4-2.離婚調停と異なる家庭裁判所で訴訟を起こす場合

離婚調停とは異なる家庭裁判所で訴訟を起こす場合には、提訴前に調停を行った家庭裁判所から「不成立証明書」を取得する必要があります。
不成立証明書とは、離婚調停が不成立になったことを裁判所が証明してくれる書類です。

日本の法律では、離婚訴訟を起こす前に必ず離婚調停をしなければならないという「調停前置主義」が採用されています。
調停と異なる裁判所でいきなり離婚訴訟を起こされると、裁判所としては「きちんと調停のステップを踏んでいるのか」がわからないので、調停が不成立になったことを確かめるために不成立証明書を要求するのです。

不成立証明書は、調停を行った家庭裁判所に申請すれば取得できます。実は調停が不成立になった日の帰りに書記官室に行くと、少し時間はかかりますが不成立証明書を発行してくれます。
その日に取得できなかった場合には、後日郵送で申請することもできますし、裁判所に行って申請しその場で受け取ることも可能です。

不成立証明書を入手したら、その後の流れは同じ家庭裁判所で離婚訴訟を起こすときと同じです。
訴状を作成して戸籍謄本と証拠を添付し、印紙と郵券を買って家庭裁判所に提出すれば、離婚訴訟の申立を受け付けてもらえます。

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5.離婚訴訟には調停内容が引き継がれない

  • ・離婚訴訟をするとき、離婚調停の記録が引き継がれるのですか?
  • ・離婚調停で有利に進めていた場合、離婚訴訟も有利になるのですか?

訴訟を起こすとき、こういったご質問を頂く機会がよくあります。
離婚訴訟には、基本的に離婚調停の記録は引き継がれません。
調停で相手が理不尽なことを言っていたり、DV夫が裁判所で騒ぎを起こしたりしても、そういった情報は訴訟の裁判所に伝わりません。
訴訟において過去の調停の話の流れを伝えたいのであれば、自分で主張する必要があります。

また、離婚調停の経緯について相手に不服があった場合、訴訟で相手から「調停では自分の意向を全く聞いてもらえなかった」などと主張される可能性もあります。
調停は、できるだけ双方が意見を出してしっかりと話し合ってから決裂させるのが本筋です。

6.離婚訴訟は相手が出席しなくても進められる

離婚調停に相手が来なかった場合、「訴訟にも相手が来なかったらどうすれば良いのだろう?」と考える方もおられます。
訴訟は調停と違い、相手が来なくても進められる手続きです。訴訟で反論も出席もしない場合、原則として、相手方の言い分を全面的に認めたという扱いとなります。

以上より、訴訟では「相手が来ないかも知れない」ことについて、さほど大きな不安を抱く必要はありません。

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7.訴訟では立証しないと主張を認めてもらえない

訴訟では、こちらにも綿密な立証を求められることに注意が必要です。
たとえば相手が不倫していると主張するなら、不倫の証拠を提出して明らかにしなければなりません。
訴訟を有利に進めたければ事前にしっかり証拠を集め、法律的に正しい主張を行う必要があります。

まとめ

離婚調停から離婚訴訟への流れは、一般にあまり知られていないので「調停が不成立になる」と聞くと不安に感じる方も多数おられます。

しかし調停が不成立になっても粛々と訴訟を進めていけば良いだけなので、おそれる必要はありません。
弁護士がサポートしていると常に横から助言を受けられて安心感が高くなりますので、離婚問題でお困りであれば、お気軽にご相談下さい。

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Authense法律事務所では、離婚問題について、豊富な経験と実績を有する弁護士らで構成する離婚専任チームを設けています。
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離婚問題を弁護士にご依頼いただくことには、さまざまなメリットがあります。
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私たちは、調停や裁判の勝ち負けだけではなく、離婚後の新生活も見据えてご相談者様に寄り添い、一緒にゴールに向けて歩みます。
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記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。
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