法律事務所オーセンスの離婚コラム

別居中は子どもに会えない?知っておきたい注意項目

別居中は子どもに会えない?知っておきたい注意項目

冷却期間として、あるいは離婚を前提として別居している夫婦のあいだに子どもがいる場合、どちらか片方の親は子どもと一緒に暮らせなくなってしまいます。
配偶者とのあいだに溝ができてしまっても、愛する我が子に会えないのはつらいことでしょう。

1つの目安として、調停等で離婚が成立した夫婦のうち、子どもとの面会交流に関する取り決めを行った件数は平成25年に初めて1万件を越えて以降、年々増加しており、平成29年では13,649件に上っています。[注1]

ただ、別居や離婚をした夫婦の関係は総じて悪く、子どもと暮らしているほうが配偶者(元配偶者)と子どもとの面会を嫌がるケースも多々見られます。
そこで今回は、別居中や離婚調停中、離婚後に離れた子どもと会うことはできるのかどうか、面会時のトラブルはどのように防げばよいのかなど、気になる情報をまとめました。

[注1] 平成29年司法統計年報3 家事編
https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/029/010029.pdf

別居中でも子どもと面会することは可能!親に与えられる面会交流権

別居中は子どもに会える?知っておきたいポイント

子どものいる夫婦が何らかの理由で別居することになった場合、子どもは父または母のいずれかと生活することになります。そのあいだ、離れて暮らす我が子に会いたいと思っても、なかなか面会できない人も少なくありません。
なかには配偶者に嫌がられて面会が叶わないケースもあり、「もう子どもに会えないのではないか」と悩んでいる方もいるでしょう。
結論からいうと、別居している我が子との面会は可能です。

別居中に子どもを養育・監護していないほうの親が子どもと面会・交流を持つことを「面会交流」といい、原則として子の親には面会交流を行う権利=面会交流権が与えられます。
日本ではかつて面会交流権について直接規定されておらず、子と離れて暮らすほうの親が面会交流を求めても、相手に拒絶された場合、面会することが不可能になるケースが大半を占めていました。

その結果、強制的に子どもを連れ去る、面会後に子どもを返さないなどトラブルが頻発したため、2011年の民法改正にともない、面会交流が明文化されることになりました。

面会交流権は一部例外を除き、子の親であれば誰でも行使できる権利です。特別に配慮されるような事情がなければ、原則として子を養育・監護している側がこれを拒否することはできない仕組みになっています。

面会交流の内容と取り決め

面会交流は親が直接子どもに会うだけでなく、手紙や写真のやり取り、学校の通知表を送付する、プレゼント交換など、間接的な交流も含まれます。
ただ、面会交流の可否や交流の方法、回数や日時、場所などについては当事者(夫婦)同士が話し合いによって取り決めなければなりません。

協議離婚であれば当事者同士のみで取り決めることも可能ですが、双方の主張が合致せず、当事者同士での解決が難しいと判断された場合は裁判所が関与するケースもあります。
その場合、子どもとの交流面会を求める側が、子どもを養育・監護する親の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、面会交流の調停を申し立てます。

調停ではお互い代理人を立てて話し合うことになりますが、それでも解決に至らなかった場合は審判に委ねることになり、裁判によって面会交流の可否や内容を判断してもらいます。

離婚調停中や離婚後でも子どもに会う・会わせることは可能

面会交流権を行使すれば、別居中の子どもに会えると説明しましたが、では離婚調停が始まった、あるいは実際に離婚が成立した場合はどうなのでしょうか。
そもそも面会交流権とは、自身が養育・監護していない子どもとの面会・交流を認める権利のことですので、離れて暮らしている理由に関わらず権利を主張することは可能です。

別居中の場合と同様、相手方と面会交流についての取り決めを行っていれば、そのルールに則って子どもと面会・交流できるようになります。

面会交流の取り決めに関しては、離婚調停中でも行うことが可能です。この場合、家庭裁判所の調査官が、面会交流に必要な調査を進めることもあります。

離婚調停中に子どもとの面会交流が拒否されるケースもある

面会交流権は子の親に平等に与えられる権利ですので、原則として相手方が権利の行使を拒否できません。

ただし、面会交流について前向きな協議を行っているあいだや、面会交流の調停あるいは審判を行っている最中の場合、明確な結論が出るまで相手方との面会を拒否できます。

これは面会交流と養育費の分担を明文化した民法第766条において、子どもの監護について必要な事項を取り決める際、子の利益を最も優先して考慮しなければならないと定められているためです。

たとえば面会交流の取り決めが行われる前に離れて暮らす親子が面会した場合、親が子に「もっとお父さん(お母さん)と会いたいといいなさい」と強要する可能性もあります。

子どもの心をいたずらに乱したり、脅迫まがいのことを行ったりしないよう保護するという目的であれば、離婚調停中の面会交流を拒否しても違法とみなされない場合があることを念頭に置いておきましょう。

面会交流で違法や事件などのトラブルを起こさないようにするための注意点

面会交流でトラブルを起こさないための注意点

2011年の民法改正によって面会交流が明文化されてからは、面会交流を巡るトラブルは減少傾向にあります。

しかし、トラブルの発生件数がゼロになったわけではなく、中には違法行為や、子どもを巻き込む事件などに発展したケースも存在します。

面会交流を巡って悲しいトラブルに発展しないよう、以下の点に注意しましょう。

面会交流の内容は可能な限り詳細に取り決める

面会交流の内容は原則として当事者同士の話し合いと合意によって決まります。
一般的な内容としては、面会の頻度や場所、日時などが挙げられますが、それぞれ細部に至るまで詳しく取り決めておかないと、トラブルの原因になる可能性があります。

どこまでルールを設けるかは当事者同士の裁量によりますが、可能な限り以下の内容について取り決めておくと良いでしょう。

  • ①面会交流の頻度
  • ②一回あたりの面会時間
  • ③面会交流する場所
  • ④旅行や宿泊の可否
  • ⑤子どもの受け渡し場所と方法
  • ⑥電話・手紙・メールなどのやり取りの可否
  • ⑦プレゼント受け渡しの可否
  • ⑧行事・イベントへの参加の可否
  • ⑨祖父母との面会の可否
  • ⑩親同士の連絡方法
  • ⑪緊急連絡方法(都合がつかなくなった場合など)
  • ⑫面会交流にかかる交通費の負担について

ほかにも必要だと思うことはどんなにささいな事柄でもルールとして取り決めておくとトラブルリスクを軽減できます。

無理な条件を提示しない

我が子と離れて暮らす側は1日でも多く子どもと会いたい、一緒にいたいと願うものですが、無理難題を申し入れた場合、面会交流を拒否されるおそれがあります。
たとえば学校に通っている子どもに対して毎日会うことを強要したり、遠方に住んでいるのに毎週末会わせに来て欲しいと主張したりするのはおよそ現実的ではありません。

面会交流はあくまで子の利益を優先させるものですので、子どもの負担になるような取り決めを主張するのは控えましょう。

子どもを元配偶者に会わせたくない場合や、トラブルが懸念される場合の対処方法を紹介

離婚の原因は夫婦ごとに異なりますが、別れた後も円満な関係を維持できるケースはまれで、「二度と関わりたくない」「子どもに会わせたくない」と考える方も多いようです。ただ、面会交流は子の親に与えられた権利ですので、たとえ子を養育・監護する親権者であってもその権利を剥奪できません。

しかし、以下のような事情がある場合は面会交流が認められないケースもあります。

子どもが嫌がっている場合や生活環境に悪影響を及ぼす場合

子どもがある程度の年齢(おおむね15歳以上)に達している場合、当人の意見や意思が尊重されるため、子ども自身が拒絶した場合は面会交流が認められない場合があります。
また、子どもが両親の離婚によって精神的に不安定になったり、離れて暮らす親が元配偶者を非難したりして子どもに悪影響を及ぼす可能性がある場合は面会交流不可となる可能性があります。

相手方に問題がある場合

離れて暮らす親に薬物使用の疑いがある、子どもを連れ去る危険性があるなどと判断された場合は、子どもを保護する観点から面会交流が認められないことがあります。同居していたときからDVなどの被害を受けていた場合は、面会交流によって子どもに危害を加える可能性が高いとみなされ、面会交流が許可されない場合があります。

このほかにも、面会交流によって子の利益が脅かされる可能性があると判断された場合は、面会交流が認められません。
単なる感情的な問題ではなく、正当な理由があって別れた相手と子どもを会わせたくない場合は、調停を申し立ててその旨を主張しましょう。

まとめ

面会交流は子の親に与えられる権利ですので、当事者同士の心情はどうあれ、相手が面会交流を望んでいるのなら話し合いに応じなくてはなりません。相手と長い時間話し合いたくないからといって、おおざっぱに決めてしまうと後にトラブルを起こす原因になる場合もあります。
面会交流は子どもに関わる大切な事柄ですので、細部に至るまでしっかりルールを決めておく事が大切です。

なお、面会交流によってトラブルが懸念される場合や、面会交流に関する話し合いに相手が応じてくれない場合などは、調停を申し立てることも可能です。ただ、その場合は審判にまで発展する可能性もあるので、スムーズに問題を解決するためにも、信頼できる弁護士に相談するのがおすすめです。

協議によって取り決めを行う場合も、あらかじめ弁護士に相談しておけば、最低限決めておきたいルールや注意点についてアドバイスをもらえるので、後のトラブルリスクを軽減できるでしょう。

このコラムの監修者

甲野裕大 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士甲野 裕大(第二東京弁護士会所属)

中央大学法学部法律学科卒業、中央大学大学院法務研究科修了。離婚、交通事故、相続問題などの一般民事事件を中心に、幅広い分野に積極的に取り組む。

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