法律事務所オーセンスの離婚コラム

養育費に時効があるって知っている?未払いになる前に防ぐ効果的な方法

養育費に時効があるって知っている?未払いになる前に防ぐ効果的な方法

やむにやまれぬ理由で離婚した後、子どもを育てるために相手へ請求することが認められている養育費には、実は時効が存在します。
「いつか払ってもらえるだろう」「生活が落ち着いてから請求しよう」と養育費の請求を後回しにしていると、いつの間にか時効を迎えて養育費を回収できなくなってしまう場合もあるので、現在離婚を考えている人、離婚の際に親権を取得した人は、養育費の時効や、未払いを防ぐためのポイントについて知っておきましょう。

このコラムの監修者

藤本奏恵 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士藤本 奏恵(第二東京弁護士会所属)

早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事事件や刑事事件など幅広く取り扱う。

基本は5年!養育費は一定期間請求しないと回収するのが難しくなる

養育費を回収できない現状

民法には消滅時効という制度があり、請求できる権利を持っていても、一定期間請求しなければ、時効で権利が消滅します。
2020年4月1日の改正では、原則として、消滅時効期間は、次のどちらか早い方となります。

  • ・権利を行使できることを知った時から5年
  • ・権利を行使できる時から10年

権利を行使できることを知った時から5年との規定から、養育費について取り決めをした場合、原則、養育費の時効は5年です。
養育費は、月ごとに支払い時期が到来しますので、原則として、各支払い時期から5年経つと、毎月順々に時効を迎えます。したがって、基本的には、養育費の未払いがあってから5年以内に請求することを意識しましょう。

未払いの養育費について時効の完成を阻止するには?

未払いの養育費がある場合、現行の民法では、「時効の中断」があれば、時効が完成することを阻止することができます。そのため、時効中断の方法について、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

一方、改正民法では、「時効の中断」に対応するものとして、「時効の完成猶予」と「時効の更新」という新しい考え方が導入されています。そのため、養育費の時効が迫っている場合、時効の完成を妨げるため、時効の完成猶予、時効の更新する手続きを早期に進める必要があります。

時効を迎えた後に養育費を請求しても相手側に支払う義務はない

時効を迎えた後であっても、相手側が支払いに応じれば、養育費をもらうことはできます。
しかし、時効が完成した後に相手側へ養育費を請求しても、相手方が消滅時効を援用すれば、相手方には支払う義務はありません。そのため、時効が完成する前に、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

ポイントは書面の作成!養育費を支払ってもらう効果的な方法

子どもの養育費を請求するにあたって、もっとも大切なのは、法的に有効な書面で養育費について取り決めをすることです。

契約上は口約束も有効!ただし口約束では養育費を回収できないケースが多い

法律上、口約束であっても、「養育費を月○万円払ってほしい」「わかった」という合意ができていれば、養育費の支払いに関する契約は成立します。
しかし、口約束だと、「お互いの合意があった」という証拠を残すことができません。そのため、いくら口約束をしたところで、そんな約束をした覚えはないと言われてしまうと、泣き寝入りとなる可能性があります。

したがって、協議離婚をする場合は積極的に離婚協議書を作成しましょう。

実際には、取り決めをしていても途中で支払いが止まってしまうケースも少なくありません。
なお、厚生労働省がひとり親家庭に対して実施したアンケート調査(平成28年度)によると、離婚後相手側から継続的に養育費を受け取っているのは、

  • ・母子家庭:24.3%
  • ・父子家庭:3.2%

でした。[注1]

離婚時に養育費の支払いについて定めた合意書を作成しておく

養育費を支払ってもらいたい場合におすすめしたいのが、離婚協議書の作成です。離婚協議書は、協議離婚をするにあたって、当事者同士で離婚の条件について定めた契約書です。

離婚協議書に記載する事項は夫婦によってそれぞれですが、一般的なものは以下のとおりです。

  • ・子どもの親権者は両親のどちらか
  • ・養育費は月いくら、何歳まで請求するのか
  • ・子どもとの面会交流(面会の回数や条件など)
  • ・財産分与の金額と方法
  • ・年金分割
  • ・相手側に有責事由がある場合は、慰謝料の額、支払い期限
  • ・離婚後の連絡などに関する事項
  • ・離婚協議書で定めた内容以外、金銭等を請求しないという合意

養育費の支払いについて公正証書を作っておくことも有効

離婚相手に収入があっても、取り決めどおり支払ってもらえるかわからない場合は、養育費について公正証書を作成しておくのも効果的です。公正証書とは、公証役場という機関で作成します。

公正証書を作るメリットは、一般的な契約書では認められていない、「強制執行認諾条項」を定められることです。
通常、相手の給与などを差し押さえる強制執行手続きは、相手の財産権を侵害する行為なので、裁判所での確定判決を受けなければ行うことができません。しかし、養育費の支払いについて強制執行認諾付で公正証書を作成しておけば、相手の給与の差押えなどの「強制執行」の申立てがただちに行えます。

[注1] 厚生労働省:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果[pdf]
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188168.pdf

まとめ

離婚をする際、「相手と関わりたくない」「1日でも早く離婚したい」と、養育費について書面を作成することなく離婚をする人は少なくありません。

しかし、後々のトラブルを避けるためには、口約束ではなく離婚協議書を作成するのがおすすめです。また、弁護士に依頼すれば相手と直接話す必要がありませんので、できるだけ早く離婚したい人、相手と直接関わりたくないと考えている人は、弁護士に相談するとよいでしょう。
そして、養育費の時効が迫っている場合には、対応について早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

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