法律事務所オーセンスの離婚コラム

離婚後すぐに再婚したい!女性が注意すべきポイントとは?

離婚後すぐに再婚したい!女性が注意すべきポイントとは?

厚生労働省が10年ごとに調査してまとめる「婚姻に関する統計」によれば、平成 27年において、「夫妻とも再婚又はどちらか一方が再婚」の夫婦は170,181組となっており、同年に結婚した夫婦全体の26.8%を占めています。近年の傾向としては、ほぼ横ばいで推移しています。

再婚した夫婦がこのように毎年一定数いる中で、そのうち「離婚して同じ年に再婚した人」はどれくらいの割合いるのでしょうか。
「婚姻に関する統計」の別のデータでは、平成27年に離婚し同年に再婚した人の割合は、夫は4.6%、妻は2.6%という結果が発表されています。

この数字を多いとみるか少ないとみるかはさておき、このように離婚後すぐに再婚する場合には、注意すべきポイントがあります。特に女性ならではの「再婚禁止期間」は、是非とも知っておくべき内容といえるでしょう。ここでは、「再婚禁止期間」や「戸籍」の問題などを中心にご説明します。

出典:厚生労働省 平成28年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況
表1 夫妻の初婚-再婚の組合せ別にみた婚姻件数及び構成割合の年次推移
表5 各年に離婚した者が平成27年までに再婚をした割合 -平成23~27年-
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/gaikyo.pdf

離婚後の再婚!女性特有の再婚禁止期間とは?

法律上についていえば、離婚後すぐに再婚できるかどうかは、性別によって結論が異なります。
具体的には、男性であれば問題なく離婚後すぐに再婚することができます。
一方、女性は再婚禁止期間(待婚期間)という制限がつけられ、一定の期間を過ぎなければ再婚することができません。ここでは、再婚禁止期間を中心にご説明します。

・再婚禁止期間とは?

民法733条1項には、「女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができない」と明記されています。
条文の通り、女性のみ、再婚するには前婚の解消又は取消しから100日を経過する必要があるのです。一般的に再婚禁止期間や待婚期間といわれています。

・再婚禁止期間はどうして規定されているの?

それでは、どうして女性のみ、再婚禁止期間が設けられているのでしょうか。
これは、女性に対しての差別などではなく、女性が「子どもを産む」機能を備えているがために設けられた規定なのです。

女性は子どもを妊娠し出産することができます。そのため、民法772条には、「嫡出の推定」という条文が明記されています。
「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」(民法772条1項)。
「婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」(民法772条2項)。

簡単にいえば、以下のようになります。

  • ・結婚してから200日経過後に生んだ子どもは、現在の夫の子どもと推定される
  • ・離婚してから300日以内に生んだ子どもは、前の夫の子どもと推定される

つまり、再婚禁止期間がなく、離婚した翌日に再婚できるとなれば、離婚後300日以内で、かつ再婚後200日以降のちょうど100日間ほどの期間に生まれた場合、現在の夫の子どもと推定され、重ねて前の夫の子どもの推定も受けることになります。父親の推定が重複するわけです。
このような事態に陥って一番困るのは、生まれてきた子どもです。離婚と再婚が近すぎると、結果的に二人の父親が存在する不都合が生じます。そのため、生まれてきた子どもが、前の夫と現在の夫の二人から父親の推定を受けないために、重複する期間である100日を「再婚禁止期間」と規定したのです。

なお、改正民法では100日となっていますが、それまでは6ヶ月という長い期間が再婚禁止期間と定められていました。最高裁判所の違憲判決により、改正されて現在の日数となっています。

・再婚禁止期間内に再婚したらどうなる?

それでは、再婚禁止期間を経過する前に、再婚すればどうなるのでしょうか。
心配するには及びません。再婚の際に提出する「婚姻届」自体、受理してもらえません。

ちなみに、どうしても再婚禁止期間を待てないという場合は、内縁の夫婦として、婚姻届を出さずに事実婚として夫婦生活を始めるという選択肢があります。
これは個人の判断となるので、どのような選択をするかについては、再婚相手との話し合いが必要といえます。

離婚後すぐに再婚できる再婚禁止期間の例外とは?

再婚禁止期間の趣旨は合理的です。しかし、全てのケースにおいて、離婚後すぐに再婚することは不可能なのでしょうか。
じつは、結論からいえば、再婚禁止期間に対して例外的な取り扱いがなされる場合があります。ここでは、例外として離婚後すぐに再婚できる場合を具体的にご説明します。

・再婚禁止期間の趣旨から考える

再婚禁止期間を待つ必要がない状況であれば、例外的に離婚後すぐに再婚することができるでしょう。というのも、再婚禁止期間を設けたのは、あくまで父親の推定が重複ならないようにするためだからです。
つまり、父親の推定が重複しない状況であれば、例外的に再婚禁止期間を待たずに再婚することができます。

・結婚していた同じ相手と再度結婚する場合

例外の一つが、離婚した相手と再婚する場合です。特に衝動的に離婚をした場合、一度独りの身となることが冷却期間となるのかもしれません。冷静になって考えれば、やはりお互いにとって、気心しれた別れた相手が一番だったというケースもあります。
このような場合には、離婚後100日を経過しなくとも、再婚が可能となります。
つまり、父親の推定が重複したところで、前婚の夫も現在の夫も同一人物になるわけです。よって、再婚禁止期間の例外といえるでしょう。

・妊娠の可能性が低い場合

妊娠をしていないことが分かれば、父親の推定が重複することもありません。そのため、下記の場合には、離婚後100日以内の再婚も可能となります。

  • ・離婚した時点で妊娠していなかった場合
  • ・離婚した後に出産した場合

なお、上記の事実を証明するために、医師の診断書を婚姻届と共に提出しなければならないので、注意が必要です。
また、前婚が夫の行方不明(3年以上の生死不明を原因とした離婚)による離婚の場合にも、100日以内の再婚が可能とされています。3年もの間、生死不明であれば、前の夫が父親に推定されることは不可能だからです。

離婚後の再婚で、子どもがいる場合の戸籍は?

子どもがいる場合に、再婚で注意すべきことの一つが戸籍です。全てのケースに当てはまるわけではありませんが、場合によっては子どもだけが元の戸籍に残るという状況が生じる可能性があります。ここでは、戸籍についてご説明します。

例えば、結婚時に相手の戸籍に入った女性が、離婚したケースを考えます。離婚の際には、女性は相手の戸籍から抜けます。そして、結婚前の戸籍に戻るか、自分一人で新しい戸籍を作るかを選択することができます。そこで、新しい自分の戸籍を作ったとしましょう。
この女性に子どもがいる場合、子どもは元夫の戸籍にいる状況です。そのため、子どもを自分の戸籍に入れて、新しい戸籍に母親と子どもがいる状況となりました。
そこで、女性が再婚したとします。この女性が、また再婚相手の戸籍に入ることになった場合、母親の新しい戸籍にいる子どもはというと、そのまま残っていることになります。
そのため、子どもがいる場合の再婚については、自分の戸籍や姓と共に、子どもの戸籍や姓も合わせてどうするかを考えねばなりません。

なお、子どもを再婚相手の戸籍に入れるには2つの方法があります。

  • ・再婚相手と養子縁組をする
  • ・養子縁組をせずに、家庭裁判所に子の氏の変更許可を得て、子どもの入籍届を出す

どちらにせよ、子どもは母親と同じ姓、同じ戸籍に入ることになります。
どちらの方法がいいかについては、相続などの問題ともかかわってくる事柄ですので、慎重に取り決める必要があるでしょう。

まとめ

離婚後の再婚は、やはりタイミングが非常に重要となります。極端なことをいえば、男性であれば離婚の翌日に再婚することが可能です。
女性であっても、離婚後100日間の再婚禁止期間を経た後、もしくは例外の事情があれば100日以内に再婚することは可能です。ただ、あまりにも再婚が早ければ、前婚の時から付き合っていたのではと、周囲からあらぬ疑いを持たれることも、珍しくはありません。
離婚後の再婚について悩んだときには、まずは、弁護士などの法律の専門家にアドバイスをもらうのもよいかもしれません。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

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