離婚の慰謝料について

離婚の際に慰謝料を請求したいと思っても、離婚するからといって必ずしも慰謝料が請求できるわけではありません。どのような場合に慰謝料を請求できるのか慰謝料の金額はいくらになるのかどのように慰謝料を請求するのかが分からないという方が多いと思います。

そこで本ページでは、
  • 離婚の慰謝料が請求できる場合
  • 慰謝料金額の相場
  • 請求方法や慰謝料を請求するための証拠
についてお伝えします。

目次


1離婚の慰謝料

1.1慰謝料とは

離婚にともなう慰謝料とは
慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償として支払われるものです。よって、離婚をしない場合でも、不貞行為や暴力を受けるなど、不法行為によって精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求することができます。

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2離婚の慰謝料の相場

2.1離婚の慰謝料の相場

慰謝料請求の方法
離婚の慰謝料には、養育費の算定表のような明確な基準はありません。
離婚の慰謝料の金額は、離婚の理由や婚姻期間、子どもの有無、相手方の社会的地位や資力などの事情で変わるためです。

しかしながら、実際の交渉では過去の裁判例が参考とされています。例外もありますが、たとえば、不貞行為(浮気や不倫などの有責行為)が離婚の理由である場合の慰謝料は、200万円~300万円でまとまることが多い傾向にあります。

慰謝料の増額

慰謝料の金額は、精神的苦痛(どれだけ悲しい思いをしてきたか、つらい思いをしてきたか)を証明することで、増額の可能性があるでしょう。
精神的苦痛を受けたことにより、病院へ通院することを余儀なくされたなどの事情は、裁判でも重要なポイントとなりますので、できるだけ証拠となりうるものを集めておいてください。
同時に、証拠をいつどのタイミングで提示するかも含めた「交渉」も重要になってきます。

2.2離婚慰謝料の算定要素

離婚の慰謝料は、離婚に至るまでの様々な事情を考慮して総合的に判断されます。

算定要素として、以下のような要因が考慮されます。

一般的要因

  • 離婚に至った原因や動機
  • 浮気・不倫などの不貞行為(有責行為)の原因や態様、程度
  • 婚姻関係(夫婦関係)の破綻に至る経緯
  • 精神的苦痛や身体的苦痛の程度
  • 婚姻に至る経緯、実情
  • 婚姻期間(同居期間・別居期間)
  • 未成年の子の有無、人数
  • 親権、監護権の帰属
  • 財産分与の金額etc.
  • 資産状況
  • 社会的地位 etc.

請求者側の要因

  • 性別
  • 年齢
  • 資産
  • 初婚、再婚の別
  • 自活能力
  • 妊娠中絶の有無
  • 健康状態(精神疾患など) etc.

被請求者側の要因

  • 性別
  • 年齢
  • 職業
  • 資産
  • 収入
  • 婚外子の出生、認知の有無
  • 婚姻中における贈与
  • 生活費(婚姻費用)不払いの有無
  • 夫婦関係修復の努力の有無 etc.

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3離婚慰謝料請求が発生する事案とは

3.1性格の不一致

性格の不一致が原因で離婚できるのか

「性格の不一致」を理由に離婚できるのは、夫婦で話し合い署名捺印した離婚届を役所に提出する「協議離婚」と、家庭裁判所の調停手続きを利用して(調停委員を介して)話し合う「調停離婚」の場合です。

夫婦で話し合い、お互いが離婚に合意すれば、「性格の不一致」を理由に離婚することができます。

平成29年度 司法統計によると、婚姻関係事件の申立人総数65,725人(夫:17,918人、妻:47,807人)のうち、29,876人(約45.46%)が「性格が合わない」を申立ての動機としています。

<参考>司法統計 家事 平成29年度19婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所」(注)申立ての動機は,申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計した。
http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/024/010024.pdf

性格の不一致と認められるパターンと条件について

どちらかが離婚に応じなければ、裁判離婚(離婚の訴訟手続)で離婚が認められるかどうかの問題となります。
裁判離婚では、法律(民法第770条1項各号)で定められた離婚事由(法律上の離婚原因)が必要となるため、「性格の不一致」だけでは離婚が認められません。

第770条

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

  • 一 配偶者に不貞な行為があったとき。
  • 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  • 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  • 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  • 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

「性格の不一致」を理由に離婚したい場合、「性格の不一致」によって、夫婦関係がどう変わってしまったのか(婚姻関係が破綻してしまったのか)を証明することが必要となります。

  • 例えば…
  • ・夫婦喧嘩が増えた
  • ・暴力をふるわれるようになった
  • ・別居状態となった

「性格の不一致」を理由に離婚を考えている方は、弁護士にご相談されることをおすすめします。

3.2借金

借金が原因で離婚はできるのか

夫または妻が借金をしたという事実だけでは、離婚の原因にはなりません。ただし、ギャンブルやカードローンなどにより、家計を脅かすほどの金額であれば「婚姻を継続しがたい重大な事由」として、夫婦間が破綻し、やり直しが難しいと判断され、離婚が認められる可能性があります。

借金を隠して結婚した場合、離婚慰謝料請求はできるのか

「いくら借金をしているか」というのは個人の自由です。結婚前に借金をしていたとしても、結婚するからといって、結婚相手に言う義務はありません。

また、結婚前にあった借金は、結婚したからといって夫婦の借金とはなりません。自分がした借金は自分のものです。結婚相手に返済義務は発生しません。

しかし、「収入のほとんどを自分の借金の返済にあてて、生活費を入れてくれない」、「借金によって、夫婦関係が破綻し、婚姻関係を継続し難い重大な事由がある」と判断された場合には、離婚が認められる可能性があります。

この場合、夫婦関係を破綻させた責任として、慰謝料を請求することはできるでしょうが、多額の借金がある相手方が慰謝料を支払えるかというと実際には難しいでしょう。

借金が原因で離婚した場合の親権はどうなるのか

子の親権について、夫婦の話し合い(協議離婚)で合意とならない場合、家庭裁判所の調停や裁判で争うことになります。

この場合、親権者・監護者の判断要素として、家庭裁判所は、子の利益を基準としています。

離婚の原因や有責性は、親権者の判断に考慮されないのが原則ですが、例外として、子の養育環境に影響を及ぼす場合、親権者として適切か甲乙つけがたい場合などは、離婚の原因や有責が考慮されることもあります。

3.3有責行為(浮気・不貞行為)

浮気(不貞行為)が原因で離婚はできるのか

夫または妻に浮気(不貞行為)があった場合は、離婚できる可能性があります。

浮気(不貞行為)の慰謝料

浮気(不貞行為)をしたことへの慰謝料(夫婦関係を継続する場合)は、50万円~100万円、浮気(不貞行為)が原因で離婚する場合の慰謝料は200万円~300万円で合意される傾向にあります。夫婦のどちらが浮気(不貞行為)の有責者であっても性別によって金額は大きく変わりません。

浮気(不貞行為)が原因の離婚は、浮気相手に慰謝料請求できるのか

浮気相手に、故意または過失があり、因果関係も認められる場合には、浮気相手に慰謝料を請求することができます。

この「故意または過失がある」とは、浮気相手が、浮気(不貞行為)をした夫(または妻)のことを既婚者だと知って交際していた、または注意すれば既婚者だと知ることができた、ということです。

浮気(不貞行為)で慰謝料が高額になりうる場合

慰謝料は、精神的苦痛に対する損害賠償請求権として請求することができます。
過去の裁判榮においては、婚姻期間や子どもの有無などの要素が考慮されていますが、主に、以下のような場合は、慰謝料が高額になる可能性があります。

  • 浮気(不貞行為)をしている期間が何年も続いている。
  • 浮気(不貞行為)が原因で夫婦が別居することになった。
  • 浮気(不貞行為)をした夫(また妻)が浮気相手と同棲している。
  • 浮気相手が浮気(不貞行為)をした夫の子を妊娠(出産)した。
  • 浮気(不貞行為)を知ったことで気分障害(うつ病)などを患った。

3.4DV

DVは法定離婚事由になるのか?

法定離婚事由(民法第770条)は、協議離婚や調停離婚で離婚が成立しない場合に「裁判離婚」で必要となるものです。

(裁判上の離婚)
第770条

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

  • 一 配偶者に不貞な行為があったとき。
  • 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  • 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  • 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  • 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、法定離婚事由(民法第770条)の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたります。

※DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多い用語です。

どの程度のDVから法定離婚事由になるのか?

「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうかによるとされますが、重大かどうかは、DVの頻度、内容、期間、被害の程度などから判断されます。

平成29年度 司法統計によると、婚姻関係事件の申立人総数65,725人(夫:17,918人、妻:47,807人)のうち、申立人が妻の13,820人(約28.91%)が「生活費を渡さない」、12,093人(約25.30%)が「精神的に虐待する」、10,311人(約21.57%)が「暴力を振るう」、を申立ての動機としています。

司法統計 家事 平成29年度19婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別

<参考>司法統計 家事 平成29年度19婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所」(注)申立ての動機は、申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計した。
http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/024/010024.pdf

配偶者暴力防止法とは

配偶者からの暴力を防止し、被害者の保護等を図ることを目的として制定された法律「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法)」は、「DV防止法」と呼ばれることもあります。

配偶者暴力防止法においては、被害者が男性の場合も対象となりますが、配偶者からの暴力の被害者は多くの場合が女性です。

DVで離婚するのに必要な証拠とは

協議離婚や調停離婚で離婚が成立しない場合に「裁判離婚」で必要となる「DVの証拠」は、以下のようなものになります。

  • 映像や録音データ(スマートフォンや携帯電話で撮影したものでも〇)
  • 内容を具体的に記録した日記(日記帳、スマートフォン、パソコンでも〇)
  • ケガやアザの写真と診断書(医師の診察と診断書があれば◎)
  • 心療内科や精神科の診察と診断書(精神疾患や精神的苦痛からの諸症状など)
  • 壊された財産(所有物)の画像(スマートフォンや携帯電話で撮影したものでも〇)

DVが原因の離婚は慰謝料請求できるのか

DVが原因で離婚する場合、相手に慰謝料を請求することができます。協議離婚や調停離婚で合意できない場合は離婚裁判となることもあります。

慰謝料の金額は、DVの頻度、内容、期間、被害の程度などから判断され、過去の裁判例では、100万円~300万円、高額なものですと800万円の慰謝料が認められたケースがあります。

「物にあたる」のはDVになるのか?精神的苦痛とは?

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、「身体的なもの」「精神的なもの」「性的なもの」に分類されます。

・身体的なもの

刑法第204条の傷害、第208条の暴行に該当する違法行為です。配偶者間で行われとしても処罰の対象となります。

  • 例)
  • 平手でうつ
  • 足でける
  • 身体を傷つける可能性のある物でなぐる
  • げんこつでなぐる
  • 刃物などの凶器をからだにつきつける
  • 髪をひっぱる
  • 首をしめる
  • 腕をねじる
  • 引きずりまわす
  • 物をなげつける
・精神的なもの

PTSD(心的外傷後ストレス障害)など、刑法上の傷害とみなされるほどの精神障害になれば、刑法上の傷害罪として処罰されることもあります。

  • 例)
  • 大声でどなる
  • 「誰のおかげで生活できるんだ」「かいしょうなし」などと言う
  • 実家や友人とつきあうのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックしたりする
  • 何を言っても無視して口をきかない
  • 人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする
  • 大切にしているものをこわしたり、捨てたりする
  • 生活費を渡さない※
  • 外で働くなと言ったり、仕事を辞めさせたりする※
  • 子どもに危害を加えるといっておどす
  • なぐるそぶりや、物をなげつけるふりをして、おどかす

※「経済的なもの」と分類される場合もあります。

・性的なもの

刑法第177条の強制性交等罪にあたる場合があります。(夫婦間であっても、暴行・脅迫を用いた性交が許されるわけではありません)

  • 見たくないのにポルノビデオやポルノ雑誌をみせる
  • いやがっているのに性行為を強要する
  • 中絶を強要する
  • 避妊に協力しない

注)すべてが配偶者暴力防止法第1条の「配偶者からの暴力」に該当するとは限りません。
<参考>内閣府男女共同参画局
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/02.html

DVが原因で離婚した時の、子どもとの面会は拒否できるのか

DVが原因で離婚となった場合の面会交流について、面会交流を禁止・制限すべきとの主張が認められる場合があります。

  • 子が連れ去られるおそれがある場合
  • 非監護親が子を虐待していた場合
  • 監護親が非監護親から暴力等を受けていた場合
  • 子自身が面会交流を拒絶している場合
・非監護親が子を虐待していた場合

面会交流において、非監護親が子を虐待するおそれがある場合や、子が非監護親と会うことによって、過去の虐待の影響から精神的なダメージを受けるおそれがある場合など。

・監護親が非監護親から暴力等を受けていた場合

暴力やモラハラなどが子の面前で行われたことにより、子が精神的なダメージを受け、未だそのダメージから回復していないような場合。

(児童虐待の定義)
第二条

この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

  • 一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
  • 二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
  • 三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
  • 四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。第十六条において同じ。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

<参考>厚生労働省 児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv22/01.html

非監護親の監護親に対するDVの有無・態様・程度、子が受けた影響について、主張が対立する場合は、提出資料や家庭裁判所調査官による調査を行い、事情を把握したうえで判断されます。

DV(身体的暴力)で慰謝料が高額になりうる場合

DV(身体的暴力)を理由として慰謝料が高額になりうる主張として、DV(身体的暴力)の回数や頻度、DV(身体的暴力)を受けていた期間)、DV(身体的暴力)を受けていた被害者に落ち度がないこと、DV(身体的暴力)によるケガや、精神障害(うつ病など)の程度、婚姻期間の長さや、子どもの有無などがあります。また、相手方の社会的地位や収入・資産なども考慮されます。

3.5精神的苦痛(モラハラ)

精神的苦痛(モラハラ)が原因で離婚できるのか

DVとは異なり、肉体的には傷付けはしないものの、相手に精神的なストレスを与え続けるモラハラ(モラルハラスメント)も離婚の理由になります

モラハラが原因の離婚で証拠になるものとは

モラハラの証拠となりうるものとして、日記(日付と具体的な事柄をメモしたもの)や音声の録音データ、LINEやメールなどの履歴(バックアップ)、医療機関での受診記録や診断書などがあります。

モラハラで慰謝料を請求するなら診断書を貰うべき?

モラハラ(言葉や態度による嫌がらせ・イジメ・精神的暴力)による精神的苦痛を主張して慰謝料を請求する場合、医療機関での受診記録や診断書が有効な証拠の一つとなる場合があります。
からだの不調が続くようであれば、医療機関での受診をされておくことも大切です。

妻からのモラハラが原因での離婚で親権はどうなるのか

妻からのモラハラ(言葉や態度による嫌がらせ・イジメ・精神的暴力)を理由に離婚したいというご相談も少なくありません。この場合、子どもの親権はどうなるのでしょうか。

平成29年度 司法統計によると、離婚調停または離婚審判の総数20,588件うち、父親が親権者となったのは1,959件、母親が親権者となったのは19,160件です。
しかし、これは親権について争いにならない(最初から、母親が親権者となることを承認している)ケースも多く含まれていると思われます。

親権者を父母どちらにするのか争いになった場合、家庭裁判所は「子の利益(子の福祉)」に親権者の判断基準としています。
わかりやすく言うと、「どちらの親と生活することが子どもにとって幸せになるか」を重視するということです。

親権について

婚約者からのモラハラによる婚約破棄の慰謝料は請求できるのか

婚約者からのモラハラ(言葉や態度による嫌がらせ・イジメ・精神的暴力)を理由に婚約破棄となった場合、慰謝料の請求ができる可能性があります。

慰謝料の金額は、婚約までの交際期間や婚約破棄の原因(浮気や暴力、モラハラなど)、それぞれのケースによって異なりますが、おおよそ50万円~300万円となることが多いです。

婚約者からのモラハラに対する慰謝料を請求する場合、どのようなものが証拠になりうるのか、不法行為として立証できるのかについては、弁護士とご相談されることをおすすめします。

姑からのモラハラが原因で離婚。姑に慰謝料は請求できるのか

姑からのモラハラ(言葉や態度による嫌がらせ・イジメ・精神的暴力)が原因で、夫婦関係が悪化し、婚姻関係の継続が難しくなってしまう、離婚するとなった場合、姑に慰謝料を請求する正当な理由と、姑からのモラハラが客観的に不法行為であったことを証明できれば、慰謝料を請求することはできるでしょう。

姑からのモラハラに対する慰謝料を請求する場合、どのようなものが証拠になりうるのか、不法行為として立証できるのかについては、弁護士とご相談されることをおすすめします。

モラハラで慰謝料が高額になりうる場合

モラハラ(言葉や態度による嫌がらせ・イジメ・精神的暴力)を理由として慰謝料を請求する場合、モラハラの頻度や内容、期間、被害の程度に加え、モラハラ行為の悪質性が証明されれば、高額な慰謝料も認められる可能性があります。

モラハラを理由に慰謝料を請求する場合、どのようなものが証拠になりうるのか、不法行為として立証できるのかについては、弁護士とご相談されることをおすすめします。

3.6悪意の遺棄

悪意の遺棄が原因で離婚できるのか

悪意の遺棄とは、正当な理由や夫婦の合意がなく、「同居義務」「協力義務」「扶養義務」を怠る、履行しないことを言います。

協議離婚や調停離婚で離婚が成立しない場合に離婚裁判で離婚を請求することができる法定離婚事由の一つです。

悪意の遺棄

悪意の遺棄の期間について、特別な規定はありません。

悪意の遺棄の証拠を集めて離婚するには

悪意の遺棄を立証するための証拠として、たとえば、別居していることがわかる書類(住民票や賃貸借契約書など)、一方的に家を出て行ったことがわかる手紙やメモ、LINEやメールなどの履歴(バックアップ)、生活費が支払われなくなったことがわかる通帳記帳などがあります。
悪意の遺棄は、法定離婚事由の一つですが、できるだけ多くの証拠を集めておくことをおすすめします。

悪意の遺棄で慰謝料が高額になりうる場合

悪意の遺棄を理由として、高額な慰謝料が認められるには、しっかりとした証拠と、客観的に不法行為であったことを立証できれば、慰謝料を請求することができるでしょう。
また、悪意の遺棄の悪質性が立証されれば、高額な慰謝料も認められる可能性があります。

どのようなものが証拠になりうるのか、不法行為として立証できるのかについては、弁護士とご相談されることをおすすめします。

3.7セックスレス

セックスレスが原因で離婚できるのか

セックスレスも離婚できる可能性があります。夫婦のどちらが原因だったとしても、特別な事情がないにもかかわらず、セックスを拒否し続けている場合、法定離婚事由の1つである「婚姻を継続し難い重大な事由」として、離婚が認められる可能性があります。

妻が原因で離婚となった場合は、妻に慰謝料を請求できますし、夫が原因の場合は、夫に慰謝料を請求できます。

セックスレスで慰謝料が高額になりうる場合

セックスレスが原因で離婚する場合、慰謝料が高額になりうる要素としては、相手方の社会的地位や収入・資産、年齢、婚姻期間、子の有無、セックスレスの期間などがあります。

また、セックスレスのきっかけが相手方の浮気や不倫などの不貞行為である場合や、浮気相手とはセックスをしていた場合などは慰謝料が高額になる傾向があります。

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4慰謝料を請求するための有効な証拠とは

より高額な慰謝料を請求するためには、有効な証拠(使える証拠)が必要です。

4.1不倫などの不貞行為を立証する有効な証拠

夫または妻が浮気や不倫などの不貞行為をした場合、民法第770条第1項の「配偶者に不貞な行為があったとき」にあたりますので、浮気をされた側(妻または夫)は、離婚を請求することができます。
この場合、浮気をした側(夫または妻)の浮気や不倫などの不貞行為を立証できる証拠を集めることが重要となります。不貞行為を主張し、立証することができれば、慰謝料を請求することができます。これは、浮気や不倫などの不貞行為が、夫婦のセックスレスのきっかけ(原因)である場合も同様です。

  • 写真・動画

    配偶者と不倫相手がラブホテル※に出入りしている写真や動画。※ビジネスホテルなどは、「打ち合わせ」などの言い訳ができてしまう可能性があるので、必ずしも有効な証拠とはなりません。

  • メール・SNS・手紙

    有責行為(結婚している人との浮気、不倫などの不貞行為)があったと思われるような、たとえば、性交渉の感想や準備、要望などの履歴、または保存データなど。

  • 念書

    配偶者本人、不倫相手が不貞関係の事実を認めた念書。

    なお、配偶者本人が認めても、不倫相手が認めない場合は、配偶者と不倫相手のどちらが信用できるか五分五分の争いとなるため、有力な証拠にならないことがあります。

4.2DV(身体的暴力)・モラハラ(精神的暴力)を立証する有効な証拠

  • 診断書

    暴力をふるわれてケガをしたときの診断書。

  • 写真

    ケガを撮影した写真。

  • メモ

    DV、モラハラを受けた日時、場所、できるだけ詳細なメモ。

  • 心療内科等の受診記録や診断書

    モラハラによる精神疾患での心療内科(メンタルクリニック)などの受診記録や診断書。

4.3悪意の遺棄を立証する有効な証拠

  • 預金通帳

    生活費が振り込まれていない、または途絶えたことが分かる通帳記録。

  • メモ

    別居に至った経緯、別居が始まった日時などを記録したメモ。

  • 賃貸借契約書

    別居先を特定できる資料(賃貸借契約書など)。

4.4セックスレスを立証する有効な証拠

  • メモ

    相手の性交渉拒否を証明するもの。

4.5その他婚姻を継続し難い重大な事由を立証する有効な証拠

重大な事由はそれぞれ違いますが、他の項目と同様に、詳細を書き留めた記録などは証拠として残しておきましょう。

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5裁判例でみる!離婚の慰謝料請求

離婚の慰謝料については、各メディアで相場や平均といった情報が様々あふれていますが、ここでは実際の裁判例をご紹介したいと思います。

離婚の動機のうち、有責行為(結婚している人と浮気、不倫などの不貞行為)、DV・モラハラ(暴力などの身体的虐待や精神的虐待)を理由に離婚の申し立てをされることが多いのですが、『離婚の慰謝料は、離婚に至るまでの様々な事情を考慮して総合的に判断される』ということが少しご理解いただけると思います。

5.1配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 1

慰謝料額600万円

(1) 概要

X(妻)との婚姻中にY2(夫)がY1(不倫相手)と肉体関係を持ったことから、Xが、Y1・Y2に対して慰謝料請求をした事案です。

配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 1
【具体的事情】

Y1・Y2は、いわゆる出会い系サイトを通じて知り合って交際を開始し、肉体関係(男女関係)を持った。その際、Y1は、自分に夫と子がいることを話しており、Y2は、婚姻していることを告げたが、被告らは、別れるつもりがなく、その後も男女関係を続けた。

Y2の外泊が、自宅に帰宅する日数よりも多くなったため、Xは、Xの母及びY2の母とともに、Y2に外泊の原因等を問いただした。Y2は、前妻が癌で入院したため、前妻の下にいた子の面倒をみていたと弁解したが、虚偽だと判明した。

Y2は、Y1と交際していること、Y1がY2の子を妊娠したことを告げ、Xに離婚を要求した。Xは、睡眠薬を服用し、手首を切り自殺を図ったが、未遂に終わった。

その後、Y2は、Y1と別れると約束しながら、交際を続け、Xとの間でいさかいが続いた。Xは、Y2らの離婚意思が強く変わらないことから、やむなく協議離婚した。

(2) 争点

婚姻関係の破綻・離婚の原因はY2の不貞行為であるか否か、慰謝料の金額。

(3) 慰謝料額

Y2については400万円、Y1については200万円が相当とされました。

(4) 判決理由(慰謝料額決定のポイント)

  • Xは、不貞行為、妊娠を知った後も、Y2との婚姻関係の修復・維持を望み、そのための努力をしていたもので、婚姻関係の破綻につきXに帰責性(きせきせい)※は認められないこと。
  • Y2は、Xをだまして不貞行為を続け、Xが不貞行為を知って自殺を図り入院した後、Y1と別れると約束しながら、これを破って同被告と別れず、離婚に至ったこと。
  • Xは、これにより、精神状態が不安定となり、うつ病と診断されており、Xの受けた精神的苦痛は極めて大きなものであったと認められること。
  • Xは、離婚に伴い、何らの財産分与も受けておらず、自宅マンションのローンのほか、Y2の事業のために多額の連帯保証をしているため、経済的にも多大の損失を被っており、これによる精神的損害も少なくないこと。
  • 不貞行為により婚姻関係を破綻させた第一次的責任はY2にあり、不貞行為の相手方Y1の責任は、第二次的、副次的なものというべきであること。
※帰責性:法的な責任を負わせること。
東京地判平成18年1月16日(LLI/DB 判例秘書登載)

5.2配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 2

慰謝料額200万円

(1) 概要

A(妻)との婚姻中にB(夫)がC(不倫相手)と肉体関係を持ったことから、Aが、B・Cに対して慰謝料請求をした事案です。

配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 2
【具体的事情】

AとBとの間には2人の子どもがいる。

BとCは、婚姻からおよそ20年経った頃から、不貞関係にあったものと認められる。一方、その頃の時点でAとBの婚姻関係が破綻していたと認めることはできない。

AとBは離婚した。これと近い時期に、BとCが同居を開始した(裁判所は、同居が離婚より前か後かについては認定していない。)。

AとBは、離婚に際して、BがAに対し、扶養的財産分与として毎月5万円を支払うこと、子ども2人の養育費として毎月計10万円のほか学費を支払うことなどを内容とする合意書を締結した。しかし、その後、AはBの債務不履行を理由にこの合意を解除した。

(2) 争点

BとCがいつから不貞関係にあったか、BとCが不貞関係にあった時点でAとBの婚姻関係が破綻していたか否か、慰謝料の金額。

(3) 慰謝料額

200万円が相当であるとされました。

(4) 判決理由(慰謝料額決定のポイント)

  • BとCが不貞関係にあった時点でAとBの婚姻関係が破綻していたものとは認められないこと。
  • BとCが肉体関係を含む男女の交際をし、同居するに至ったことが原因となって、AとBは離婚に至ったこと。
  • AとBの婚姻期間が約22年間であり、離婚時点でAが50歳に近い年齢であったこと。
東京地判平成25年7月16日(LEX/DB25513758)

5.3配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 3

慰謝料額80万円

(1) 概要

A(夫)が、B(妻)とC(不倫相手)が不貞関係にあったと主張して、B・Cに対し、不法行為に基づく損害賠償の支払を求めた事案です。

配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 2
【具体的事情】

Bとの結婚当時、Aは、麻雀店を経営して一定の収入を得ていたが、自らの浪費癖もあって、300万円ほどの借金を負っていた。Aは、長女が誕生する直前に、麻雀店を知人に譲渡することとなったが、以後は、短期間で職を転々とし、安定した収入を得ることができず、家族の生活費を一切負担しなくなったため、Bがキャバクラで勤務するようになった。

Aは、家庭に生活費を入れない一方で、麻雀賭博を行ったり、Bの友人から借金するなどしたことから、Bは、次第にAとの離婚を考えるようになった。

その後、Bは、2回ほど早朝に帰宅したことがあり、このことをAに責められると、Aとはもう一緒に生活したくないとの自らの思いを初めて伝えた。これに対し、家庭に生活費を入れていないことへの負い目があったAは、特段反論をすることなく、そのまま家を出てBとの別居を開始した。

AとBは、離婚に合意し、離婚届が提出されたが、その間、AとBが連絡を取り合うことはほとんどなかった。離婚に際し、Aは、借金の問題が片付いたときはBと再びやり直したいとの希望を伝えたが、Bの側では、これを真剣に取り合うことはなかった。

C・Bは、AとBが別居状態となったころに不貞行為を行ったものと認められ、その後Bは、Cとの性交渉で妊娠した可能性が高いとみられる。

(2) 争点

B・Cによる不貞行為の有無、AとBの婚姻関係の破綻の有無、慰謝料の金額。

(3) 慰謝料額

80万円が相当であるとされました。

(4) 判決理由(慰謝料額決定のポイント)

  • 婚姻期間中に行った不貞行為によって、別の男性の子を妊娠、出産するといった事実は、不貞行為の悪質さを示す事情として無視し得ないものがあること。
  • 一方で、被告らの不貞行為が行われたのはAとBとの別居期間中であり、婚姻関係が破綻しているとはいえなくても、婚姻関係の実質が相当程度損なわれていたこと。
  • AとBが別居を開始した原因は、家庭に生活費を入れようとしないAの怠惰かつ無責任な生活態度にあったこと。
東京地判平成25年8月2日(LEX/DB25514535)

5.4不倫相手に対する慰謝料請求

慰謝料額150万円

(1) 概要

X(妻)とA(夫)は、4人の子どもがいる夫婦でしたが、AがYと不倫していることが判明したため、離婚するに至りました。これを受けて、XがYに対して慰謝料を請求したという事案です。

配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 2
【具体的事情】

Aは、早番の場合、電車で通勤すると始業時間に間に合わないので、自転車で1時間ほどかけて出勤していた。もっとも、悪天候の場合等は、勤務先の近くにあるインターネットカフェに泊まるなどしていたが、Xには二女の家に宿泊していると伝えていた。

YとAは、勤務先で知り合い、同僚も含めて飲みにも行くようになった。

Yは、Aがインターネットカフェに寝泊まりしていることを知り、自宅の一室を使用してよいと伝えた。Aは、職場から深夜に帰宅すると酒に酔って不機嫌になったXから説教をされたり、Xとの価値観の相違を感じる等していたため、Y宅の一室を利用することとし、やがてほとんど自宅には戻らなくなった。

Xは、Aが不倫をしていることを二女から聞いたため、Aに対し不倫しているのかを質問するメールを送信したところ、Aは、「好きな人ができました。裏切ってすみません。」とのメールを返信した。また、YとAが、2人で居酒屋に行った帰りに手をつないでいるところを目撃された。

Xが、Yに対し、Aが既婚者であったことを知っていたかを尋ねたところ、Yは、知っていると述べた。

(2) 争点

本件不貞の有無、損害額(慰謝料額)。

(3) 慰謝料額

150万円が相当であるとされました。

(4) 判決理由(慰謝料額決定のポイント)

  • XとAとは、Aが本件不貞により別居を開始するまで約31年間にわたって婚姻関係にあり、4人の子どもをもうけるに至ったこと。
  • Yは本件不貞を認めず、Aとともに不合理な弁解に終始していること。
  • 他方で、Xは仕事の都合から海外で過ごす機会も少なくなく、Xとの間の価値観の相違が本件不貞の遠因(えんいん)※といえなくもないこと。
※遠因:間接的な原因。
東京地判平成28年2月9日(LLI/DB 判例秘書登載)

5.5DV

慰謝料額400万円

(1) 概要

X(妻)とY(夫、高校教師)は、子ども2人がいる夫婦でしたが、婚姻の2年後から下記のようなYの子どもじみた癇癪(かんしゃく)に悩まされるようになり、婚姻関係が回復しがたいほどに破綻しているとして離婚及び慰謝料請求等を求めた事案です(なお、Xの離婚等請求に対して、Yも離婚等を求めて反訴を提起しています。)。

配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 2
【具体的事情】

Xが長男の学校のPTA委員長になると、Yが「PTAをしている暇があるなら働け」といいながら子どもにも当り散らし、子どもをかばうXに対して平手うちをしたほか、義母から「嫁が外にでてどうするの」などと非難された。

YはXが肉体関係を拒むと部屋に入れないことが続いた。

Xの行動でYの意向にそぐわないことがあると、ささいなことでも怒り出し、子どもの目の前でXの洋服の首部分を引っ張ったり、アイスティーを頭からかけ、頬を殴ったりといった暴力を振るうなどした。

YはXが病気のために入院した際に、手術費を一切出さず、退院した際もそれを喜ぶことなく、帰宅したXに対して「お前の帰ってくるところはここじゃないだろう。帰ってきやがって」などと怒鳴りながら食器棚を殴ったり蹴ったりし、Xを再び入院に追い込んだ。

Yはうつ病治療の際に、Xとともに父親を同行し、うつ病になったのはXの理解が足りないからだと担当医師に話すなど、事あるごとに両親を介在させてXを非難した。

(2) 争点

婚姻関係が回復し難いほどに破綻しているか、親権者はどちらか、慰謝料の金額、財産分与。

(3) 慰謝料額

400万円が相当とされました。

(4) 判決理由(慰謝料額決定のポイント)

  • XYの婚姻期間が20年ほどであること。
  • YがXとの問題を自分たちで解決しようとすることなく、常に両親を介在させて解決しようとする傾向が強いこと。
  • 他方でYの意向に沿わないXの態度については極端なまでにXを侮辱し暴行を加えるといった態度に出ていること。
  • このような婚姻の継続し難い状況はYに責任によるものであること。
東京地判平成17年6月22日(LLI/DB 判例秘書登載)

5.6モラルハラスメント

慰謝料額300万円

(1) 概要

X(夫、精神科医)がY(妻)に対して離婚を求めたのに対し、Yが、Xの言葉の暴力や精神的虐待などを理由に、Xに対して離婚と離婚に伴う慰謝料を求めた(反訴した)事案です。

配偶者・不倫相手の両方に対する慰謝料請求 2
【具体的事情】

Xは、婚姻当初から別居に至るまで、正当の理由なく、ほぼ全面的にYとの性交渉を拒否し続けた。子どもを望んだXが真剣に性交渉を求めたところ、Xは、それに取り合うことなく、突然一方的に離婚を言い出した。翻意を求めるYに対し、何ら理由を説明もせず、異常とも思える発言を執拗に繰り返した。

Xは、一方的に離婚届に署名押印してYに交付した上、「早く離婚しろ」などと迫った。それに加えて、夕食後に階段を下りながら、「後ろから押さないで。殺さないで。」などと何度も口走ったり、食事中に「毒が入っていないか心配。殺されるかも」などと述べ、一口食べて「うっ」などと苦しそうに述べたり、「僕は夜寝ている間、血まみれにされる。刺される。刺すなよ。」などと述べたりした。

Yは、Xから「お前を人格障害の患者としてしか見ない」などと言われ、これにより、ショックを受けたYは、精神的に不安定となった。

その結果、Yは急性胃炎及び仮面うつ病の疑いとの診断を受けるに至った。

Xは、一方的に別居を開始した後、婚姻関係を解消すべく、Yに責任があるかのような虚偽の事実を作出して本訴を提起した上、Yに対して侮辱的ともいえる主張、供述を繰り返した。

(2) 争点

離婚原因(どちらに有責性があるか)、財産分与、慰謝料額。なお、Yの不貞行為の有無も争われましたが、不貞行為は認められないとされました。

(3) 慰謝料額

300万円が相当とされました。

(4) 判決理由(慰謝料額決定のポイント)

  • XとYの婚姻関係が破綻するに至った原因はすべてXにあり、Yに非難されるべき点は何ら認められないこと。
  • 離婚を求めるXの態度が執拗かつ常道を逸したものであること。
東京地判平成19年3月28日(LLI/DB 判例秘書登載)

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6離婚の慰謝料を請求する方法

6.1離婚の慰謝料を請求する方法

離婚慰謝料請求の方法と流れ

夫または妻に対する離婚と離婚にともなう慰謝料を請求する方法は、離婚条件を決める夫婦の話し合いの中で、慰謝料の金額も決めることになります。相手方と連絡がとれない場合などは、内容証明郵便を送付して、こちらの意思を明示する方法があります。ただし、内容証明郵便には法的効力や強制力はありません。

話し合い(協議離婚)がまとまらない場合には、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停(離婚)」の申立てを行い、調停で慰謝料についても話し合うことになります。調停でも解決ができない場合には、離婚訴訟(離婚裁判)とともに、離婚にともなう慰謝料を請求する訴訟を起こすこともできます。

離婚慰謝料請求の時効

離婚時から3年です。

浮気(不貞行為)相手に対する離婚慰謝料請求の方法

夫または妻の浮気(不貞行為)相手に対する慰謝料を請求する方法は、相手方に内容証明郵便を送付するなどして、慰謝料を請求する旨を伝えます。その後、交渉を行い、和解や示談を目指します。

交渉で和解や示談が成立しなかった場合、家庭裁判所に「慰謝料請求調停」の申立てを行い、調停で慰謝料について話し合うことになります。調停でも解決ができない場合には、慰謝料を請求する訴訟を起こすこともできます。

  • 当事者間で話し合って相手に慰謝料を請求
  • 手法1
    離婚慰謝料の請求方法としてまず考えられるのが、当事者間で話し合って相手に慰謝料を請求する方法です。当事者間で納得すれば公序良俗に違反しない限りで、相場より高額な慰謝料を得る可能性もあります。当事者間で話し合った内容は、後々のトラブルを避けるためにもメール等で記録を残しておきましょう。
  • 郵便やメール、内容証明郵便で請求
  • 手法2
    当事者と直接会って交渉するのが難しい場合は、郵便やメール、内容証明郵便で請求する方法が考えられます。
  • 弁護士へ示談交渉を依頼したり、離婚調停を提起
  • 手法3
    これらの方法でも話がまとまらなかった場合は、弁護士へ示談交渉を依頼したり、離婚調停を提起したりする方法が考えられます。

このように離婚の慰謝料の請求方法はいくつかの方法があるので、ご自身にあった方法を検討されると良いでしょう。

6.2誰に離婚の慰謝料請求ができるのか

離婚の慰謝料を請求する場合に、誰に請求できるのか?を、代表的なケースである不貞行為(浮気・不倫)を理由とした離婚の慰謝料請求でご紹介します。

  • Aパターン
  • 配偶者と浮気相手・不倫相手の両者に慰謝料を請求

例:慰謝料の金額が300万円の場合

偶者と浮気相手・不倫相手の両者に慰謝料を請求

夫と不倫相手それぞれに300万円ずつ請求はできません

夫と不倫相手に合計300万円の請求が可能です。

離婚をする場合、配偶者と浮気相手・不倫相手の両者に慰謝料を請求することができます。両者に慰謝料請求をした場合、損害額を超えた慰謝料をそれぞれから二重請求することはできません。図の場合では、配偶者と不貞相手(浮気相手・不倫相手)から合計慰謝料300万円を請求できることになります。

  • Bパターン
  • 不貞相手(浮気相手・不倫相手)のみに慰謝料を請求

例:慰謝料の金額が300万円の場合

不貞相手(浮気相手・不倫相手)のみに慰謝料を請求

不倫相手に300万円の請求が可能です。

離婚をする場合、浮気相手・不倫相手に慰謝料を請求することができます。慰謝料請求をすることで、謝罪と反省を求め、婚姻関係破綻の責任と重大さをわかってもらうことができる場合があります。また、離婚をせずに慰謝料を請求することで、配偶者との関係を断つことを求めることもできる場合があります。

  • Cパターン
  • 配偶者のみに慰謝料を請求

例:慰謝料の金額が300万円の場合

配偶者のみに慰謝料を請求

夫に300万円の請求が可能です。

離婚をする場合、浮気・不倫をした配偶者に慰謝料を請求することができます。離婚をしない場合には、同一家計(夫婦間)でお金が移動しただけとなるため、慰謝料請求をしない選択をされる方もいらっしゃいます。

6.3離婚の慰謝料請求の時効

離婚の慰謝料請求は、3年で時効となりますので、原則、離婚が成立した日から3年を経過してしまうと、慰謝料を請求することができません。もし、時効完成間近である場合には、時効中断の手続をとる必要があります。

「離婚が成立した日」とは?

  • 協議離婚 → 離婚届けが受理された日
  • 調停離婚 → 調停が成立した日
  • 審判離婚 → 審判が確定した日
  • 裁判離婚 → 判決が確定した日

離婚慰謝料の時効起算点とは

離婚の慰謝料は、①離婚自体慰謝料と②離婚原因慰謝料の2種類があります。これらは、「時効」を考えるときに少し注意が必要です。

離婚自体慰謝料

離婚そのものによる配偶者の地位の喪失という精神的苦痛に対する損害賠償請求権である、①離婚自体慰謝料は「離婚成立から3年」となります。

不貞行為(浮気)の時効起算点はいつ?

離婚原因慰謝料

離婚原因となった個別的有責行為による精神的苦痛に対する損害賠償請求権である、②離婚原因慰謝料は「不法行為(浮気や不倫などの不貞行為やDV・モラハラなど)があり、この事実を知ったときから3年」となります。

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7高額な慰謝料請求になりうる場合

7.1慰謝料が高額になりうる共通事情

  • 婚姻期間
    婚姻期間が長いと精神的苦痛の度合いは大きいとされ、慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 年収
    慰謝料を請求される側の年収が高いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 年齢
    慰謝料を請求する側の年齢が高いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 職業
    慰謝料を請求される側の社会的地位が高かったり、収入が高いと思われる職業に就いている場合、慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 養育が必要な子の数
    養育が必要な子の数が多いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。

7.2有責行為(不倫などの不貞行為)で慰謝料が高額になりうる場合

  • 不倫などの期間が長期に及ぶ。
  • 不倫などが原因で夫婦が別居に至った。
  • 不倫相手と同棲している。
  • 不倫などの不貞行為を知ったことによる精神障害(鬱病など)を患った。

7.3DV(身体的暴力)・モラハラ(精神的暴力)で慰謝料が高額になりうる場合

  • DV、モラハラの頻度が多い、または期間が長期に及ぶ。
  • 暴力行為を受けた側に特別な落ち度がなく、DV,モラハラが始まった。
  • DV、モラハラによるケガ、後遺症などの程度が重い、または精神障害(鬱病など)を患った。

7.4悪意の遺棄で慰謝料が高額になりうる場合

  • 別居期間が長期に及ぶ。
  • 悪意の遺棄を受けた側に特別な落ち度がないにも関わらず、別居に至った。
  • 専業主婦(または専業主夫)であり、収入がないにも関わらず、生活費を渡さない。
  • 健康であるにもかかわらず働かない。

7.5セックスレスで慰謝料が高額になりうる場合

  • セックスレスの期間が長期に及ぶ。
  • 婚姻後、一度もセックスがない。
  • 夫婦間でセックスレスである一方、不貞相手とはセックスしていた。

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8離婚慰謝料を少しでも多く請求できる条件

8.1子どものあり・なしで離婚慰謝料は変わるのか

離婚の慰謝料は、相手方による浮気や不倫などの不貞行為や、DVやモラハラなどの不法行為によって、権利の侵害があった場合に請求できるものです。
子どもがいないから慰謝料が請求できないということはありません。もちろん、財産分与や婚姻費用も請求することができます。

8.2婚姻期間で離婚慰謝料の額が変わるのか

婚姻期間(別居期間を含む)は、離婚の慰謝料を算定する要素の一つとして考慮されます。一般的に、婚姻期間が長ければ、離婚の慰謝料は高くなる傾向にありますが、有責性や資産・収入など様々な要素が考慮されます。

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9離婚慰謝料が支払われない場合について

9.1慰謝料を請求できる場合

代表的なケースは相手に不貞(浮気・不倫)行為があった場合です。

離婚の慰謝料は、法律で定められている離婚事由を基準として考えられており、配偶者の浮気や不倫などの不貞行為(有責行為)などが原因で離婚に至るような場合に、精神的苦痛に対する損害賠償として配偶者と浮気・不倫相手に請求することができます。

法律で定められている離婚事由は以下の5つとなります。

民法第770条
  • 一 配偶者に不貞な行為があったとき。
  • 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  • 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  • 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  • 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

こんな場合にも慰謝料を請求することができます

精神的・肉体的虐待
(DV・モラハラなど)

  • DVを受けている
  • モラハラを受けている
    (暴力行為を受けた側に特別な落ち度がなく、DV、モラハラがはじまった)

セックスレス

  • セックスレスの期間が長期(3年以上)に及ぶ
  • 夫婦間ではセックスレスである一方、浮気相手(不倫相手)とはセックスしていた

悪意の遺棄

  • 生活費を渡さない
  • 理由もないのに同居を拒否する(帰ってこない)
  • 健康なのに働かない
  • 専業主婦(専業主夫)なのに家事をしない etc.

9.2慰謝料が請求できない(請求が認められない)場合

慰謝料は、離婚をするからといって必ず請求できるものではありません。

  • 「不貞行為(浮気や不倫などの有責行為)より前に婚姻関係がすでに破綻していた」
  • 性格の不一致や価値観の違いが離婚理由で、夫婦どちらの責任ともいえない」
  • 「配偶者の不貞行為(浮気や不倫などの有責行為)を理由として慰謝料を請求し、すでに慰謝料が支払われ、受け取っている」

などの場合は、慰謝料が請求できない、または慰謝料の請求が認められない場合があります。

9.3離婚慰謝料の給料の差し押さえは可能なのか

離婚の慰謝料の支払いを確実にしてもらうために、相手方の給料(給与や預金口座)を差し押さえる(強制執行)ことができます。
しかし、これは相手方が働いている会社に対して持っている給与債権を差し押さえることですので、相手方が職場を退職してしまうと効力がなくなります。

離婚の慰謝料の差し押さえ(強制執行)するには、公正証書や調停調書(調停離婚の場合)、和解調書または判決書(離婚裁判の場合)が必要となります。

9.4離婚慰謝料は支払い能力が無い人からでも請求できるのか

離婚の慰謝料を請求することはできても、相手方に支払い能力がない場合や、差し押さえる財産がない場合は、相手方に慰謝料を支払わせることはできません。

9.5離婚慰謝料は自己破産した人に対して免責されるのか

離婚の慰謝料を支払う前に、相手方が自己破産した場合、慰謝料の支払い義務が免除(免責)される可能性があります(一部を除く)。
ただし、相手方による不法行為が非免責債権にあたる場合には、相手方が自己破産をしても慰謝料は免責されないため、請求することができます。

破産法第253条

免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。

  • 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
  • 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
  • 四 次に掲げる義務に係る請求権
    • イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
    • ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
    • ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
    • ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
    • ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
  • 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
  • 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
  • 七 罰金等の請求権

9.6生活保護の人に対して離婚慰謝料は請求できるのか

離婚の慰謝料を請求することはできても、相手方が生活保護の受給者である場合、生活保護費に対して、差し押さえや強制執行はできません。

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10慰謝料のほかにもらえるお金

10.1財産分与

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦二人で築いてきた財産を離婚に際して、夫婦それぞれに分割、清算することです。

婚姻前から夫婦それぞれが所有していた財産、婚姻中に自分の親から相続した財産(不動産や現金など)は対象となりません。

財産分与

10.2養育費

養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用です。

子が健やかに成長し、自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費※などがこれに当たります。

※一時的な入学金や高額な医療費など、養育費だけでは到底賄えないような費用については、別途その一時金については養育費とは別に条項として定めるのが一般的です。

養育費

10.3婚姻費用

別居中の夫婦の間で、夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用(婚姻費用)です。

衣食住に必要な経費、交際費、医療費などがこれにあたります。

婚姻費用

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11離婚慰謝料でもらう養育費の相場

11.1子どもが1人の時の養育費の相場

家庭裁判所では、平成15年4月より、養育費を決めるときの参考資料として「養育費・婚姻費用算定表」が用いられています。この算定表にある「義務者」とは養育しない親、「権利者」とは子を養育する親をいいます。

養育費は「義務者」が「権利者」に子の養育にかかる費用を支払うものです。子の人数と年齢に応じて養育費が算定されていますが、実際の養育費は両親の収入や生活水準によっても変わります。

  • 例)
  • 義務者(養育費を支払う親)の年収600万円の給与所得者
  • 権利者(子を養育する親)の年収300万円の給与所得者

子1人(0~14歳)の養育費:4~6万円

養育費について

11.2子どもが2人の時の養育費の相場

  • 例)
  • 義務者(養育費を支払う親)の年収550万円の給与所得者
  • 権利者(子を養育する親)の年収350万円の給与所得者

子2人(第1子及び第2子0~14歳)の養育費:6~8万円

養育費について

11.3子どもが3人の時の養育費の相場

  • 例)
  • 義務者(養育費を支払う親)の年収700万円の自営業者
  • 権利者(子を養育する親)の年収200万円の給与所得者

子3人(第1子15~19歳,第2子及び第3子0~14歳)の場合:16~18万円

養育費について

11.4養育費はいつまで支払われるのか(養育費はいつまでもらえるのか)

養育費の支払義務は、一般的に「20歳まで」とされていますが、支払期間の終期は、子どもが未成年かどうかで決めるのではなく、子どもが経済的に自立することが見込まれる時期を考慮し、十分な期間を設けておくようにします。

出典
法務省 「子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」について パンフレット
http://www.moj.go.jp/content/001286705.pdf

11.5養育費が支払われないときは差し押さえ出来るのか

養育費が支払われないとき、養育費の未払いによる給料の差押えを申し立てることができます。
差押えができるのは給料の(税金等を控除した残額)一定割合までと法律で定められています。また、未払いの養育費とあわせて、支払期限の到来していない将来分の養育費についても差押えの申立てをすることができます。

しかし、相手方の差押え対象(職場や預貯金口座)が不明であったり、相手方が裁判所からの命令を無視し続ける場合など、養育費を支払ってもらうことが難しい現状もあります。

これについて、民事執行法の改正について、国会に法律案が提出されました。(2019年2月時点)

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12慰謝料請求時に気を付けるべきことは?

12.1離婚慰謝料には所得税(税金課税)がかかるのか

離婚の慰謝料が現金で支払われた場合、原則として非課税となりますので、税金はかかりません。ただし、慰謝料があまりにも高額な(社会通念上相当の金額を超える)場合、贈与としてみなされ慰謝料を受け取った側に贈与税が課税される可能性があります。

(非課税所得)
所得税法9条

次に掲げる所得については、所得税を課さない。

  • 十七 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
(非課税とされる保険金、損害賠償金等)
所得税法施行令30条

法第九条第一項第十七号(非課税所得)に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号の損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。

  • 一 損害保険契約(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社若しくは同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約又は同条第十八項に規定する少額短期保険業者(以下この号において「少額短期保険業者」という。)の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この条において同じ。)に基づく保険金、生命保険契約(同法第二条第三項に規定する生命保険会社若しくは同条第八項に規定する外国生命保険会社等の締結した保険契約又は少額短期保険業者の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この号において同じ。)又は旧簡易生命保険契約(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)第二条(法律の廃止)の規定による廃止前の簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)第三条(政府保証)に規定する簡易生命保険契約をいう。)に基づく給付金及び損害保険契約又は生命保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金で、身体の傷害に基因して支払を受けるもの並びに心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金(その損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかつたことによる給与又は収益の補償として受けるものを含む。

12.2離婚慰謝料は確定申告が必要?

離婚の慰謝料が現金で支払われた場合、原則として非課税となるため、確定申告の必要はありません。(所得税法9条1項第17号)

12.3離婚をしなくても慰謝料は請求できる?

夫(または妻)の浮気や不倫などの不貞行為が発覚した場合、離婚をしなくても、夫(または妻)や、その浮気相手から受けた「精神的苦痛に対する損害賠償請求」として、慰謝料を請求することができます。
話し合いで示談(解決)となるケースもあれば、裁判になったケースもあります。
参考までに、過去の裁判例では、慰謝料は50万円~200万円となっています。

12.4離婚後に再婚しても慰謝料請求はできる?

女性は、離婚から100日間は再婚できないとする再婚禁止期間が法律で定められていますが、男性は離婚後すぐに再婚しても法的に問題ありません。

(再婚禁止期間)
第733条

女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

  • 一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
  • 二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

離婚後、再婚をした元夫(または元妻)に慰謝料を請求できるのは、離婚前から相手方の浮気や不倫の不貞行為があったことを立証できるだけの証拠がある場合です。

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13離婚協議書を公正証書にするには

13.1離婚協議書とは

離婚協議書とは、離婚について夫婦で話し合いをして合意した内容(離婚の合意、親権者と監護権者の定め、子どもの養育費、子どもとの面会交流、慰謝料、財産分与など)を記載します。

協議離婚

13.2なぜ公正証書にする必要があるのか

離婚の公正証書とは、「離婚給付等契約公正証書」といいます。公正証書は、法務大臣に任命された公証人(裁判官や検察官、法務局長などを永年勤めた選ばれた法律の専門家)が作成する「公文書」です。
公正証書には、証明力と執行力があります。公証役場で20年間保管され、改ざんなどの心配もなく、交付された正本・謄本が紛失した場合には、再交付も可能です。

13.3離婚協議書の作成費用はいくらくらい掛かるのか

離婚協議書の作成は当事者同士で作成する場合、特別な費用はかかりません。

離婚協議書の作成について、弁護士のアドバイスが受けられる「バックアップセットプラン」についてはコチラをご覧ください。

13.4離婚協議書は自作できる?

離婚協議書は、当事者たちで作成することができます。夫婦で話し合って合意した離婚条件を書面にしたものを2部作成し、署名・捺印します。完成した離婚協議書は各自一部ずつ保管します。

13.5離婚協議書を作るときの注意事項

離婚協議書は、内容に不備があった場合、一部または全部が無効になる可能性がありますので、作成する際には十分注意が必要です。
また、公正証書とは違い、証明力や執行力がないため、慰謝料や養育費など金銭債務の支払いが滞った場合、すぐに強制執行手続きをとることができません。

時間がかからない、費用がおさえられるというメリットもありますが、デメリットもあることを理解して、ご自身にとっての最善策をお選びいただくとよいでしょう。

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ご相談までの流れ

大切なことだから 話す相手は選んでほしい

オーセンス弁護士

弁護士は、秘密保持の義務が法定され、高度の守秘義務があります。(弁護士法第23条)

  • 慰謝料を請求したい
  • 調停について今後の対応を相談したい
  • 親権をとって離婚したい
  • 感情的になってしまい冷静な話し合いができず、心身共に疲弊している 」etc.

法律事務所オーセンスは、これまでの豊富な経験・実績に基づいて、法的観点から冷静に分析し、論理的な主張をし、最良の解決・支援へ導くため全力を尽くします。

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    フリーダイヤル0120-272-585
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話す相手は選んでほしい

弁護士は、秘密保持の義務が法定され、高度の守秘義務があります。(弁護士法第23条)

法律事務所オーセンスは、法的観点から冷静に分析し、論理的に主張を続け、最良の解決・支援へ導くため全力を尽くします。

tel:0120-272-585

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ご了承ください。

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