コラム
公開 2024.03.26 更新 2024.05.13

離婚慰謝料の相場は相手の年収が800万の場合いくら?弁護士がわかりやすく解説

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離婚時には、状況に応じて慰謝料や養育費などの取り決めを行います。

相手の年収が800万円である場合、離婚慰謝料や養育費の相場はどの程度となるのでしょうか?
また、離婚慰謝料は、誰がどのように決めるのでしょうか?

今回は、年収800万円の相手との離婚を前提に、離婚慰謝料や養育費などについて弁護士が詳しく解説します。

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離婚慰謝料の相場は相手の年収が800万円の場合いくら?

「相手の年収が〇円なのですが、離婚慰謝料の相場はいくらですか?」などと質問されることがあります。

しかし、実は離婚慰謝料は、相手の年収によって一律に決まるものではありません。
そのため、「相手の年収が800万円の場合の慰謝料相場は〇円」といった回答をするのは困難です。

後ほど解説しますが、離婚慰謝料は離婚原因や行為の悪質性、子どもの有無など具体的な事情から個別で判断されます。
離婚を検討している場合においてそのケースにおける慰謝料の目安額を知りたい場合は、相手に離婚を切り出す前に離婚問題に詳しい弁護士へご相談ください。

離婚慰謝料の決まり方

離婚慰謝料は、はじめから裁判所などが決めるわけではありません。
ここでは、離婚慰謝料の決まり方について解説します。

夫婦間の合意で決める

離婚慰謝料は、夫婦間の合意で決めることが原則です。
夫婦間で合意ができるのであれば、基本的には離婚慰謝料はいくらとしても構いません。

たとえば、そのケースにおける慰謝料の目安額が100万円である場合であっても、夫婦間の合意がまとまるのであれば慰謝料を30万円としても構いませんし、500万円としてもよいということです。

夫婦間で慰謝料の額に関して合意ができたら、後から「言った・言わない」の問題が発生することを避けるため、書面を取り交わしておくことをおすすめします。
慰謝料を分割払いとするなど離婚後長期にわたって金銭をする取り決めをする場合は、可能な限り公正証書としておくとよいでしょう。

公正証書とは、個人などからの嘱託によって公務員である公証人が作成する公文書であり、公証役場で作成します。
公正証書としておくことで、万が一相手が取り決めどおりに支払いをしない場合に、強制執行をするための手続きがスムーズとなるためです。

調停で決める

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当事者間で離婚慰謝料の額や慰謝料を支払うかどうかなどについて合意ができず、協議により離婚ができない場合は、調停へと移行します。

調停とは、2名の調停委員の立ち合いのもと、家庭裁判所で行う話し合いの手続きです。
話し合いといっても夫婦が直接意見をぶつけ合うのではなく、調停委員が当事者双方から交互に意見を聞いて意見を調整する形で話し合いが進行するため、直接の話し合いよりも合意が図りやすくなります。

調停も話し合いの手続きであるため、夫婦が合意さえできるのであれば、基本的には慰謝料をいくらとしても構いません。

ただし、調停にまで至っている時点で一般的な目安額とかけ離れた額で合意できる可能性は低く、裁判に移行した場合の目安額を参考とすることが多いでしょう。

調停が1回で終了することは稀であり、数回の期日を経て成立または不成立となります。
期日は1か月に1度程度の頻度で開かれることが一般的であり、調停の終結までに半年程度以上を要することも多々あります。

慰謝料の額など、夫婦が離婚の条件について合意をすると調停が成立します。
一方、合意の見込みがないと判断されると、調停は不成立に終わります。

裁判で決めてもらう

調停が不成立となった場合は、裁判へ移行することが一般的です。
裁判では、具体的な事情を考慮のもと、裁判所が慰謝料の額を決定します。

裁判所が下した結論には、原則として当事者双方が従わなければなりません。
納得がいかない場合は、判決文の送達から2週間以内に控訴の手続きをとらなければなりません。

このように、夫婦間での合意ができない場合は最終的に裁判所に決めてもらうことになることから、裁判に至った場合の慰謝料がどの程度の金額になるかを意識して交渉を進めることとなります。

離婚慰謝料が決まる主な要素

調停や裁判において、離婚慰謝料はどのような要素によって決まるのでしょうか?
ここでは、離婚慰謝料が決まる主な要素について解説します。

離婚原因

1つ目は、離婚原因です。

離婚原因別の慰謝料の目安は、不貞行為(性的関係を伴う不倫)の場合で100万円から300万円程度、DVの場合で50万円から300万円程度といわれています。
ただし、これはあくまでも一般的なケースにおける参考値であり、状況によってはこれ以外の金額となることもあります。

なお、すべての離婚で慰謝料が発生するわけではなく、慰謝料が発生するのは一方の不法行為(不貞行為やDVなど)によって婚姻関係が破綻するに至った場合のみです。
一方、性格の不一致など不法行為がない場合は、原則として慰謝料の対象とはなりません。

そのケースにおいて離婚慰謝料の請求が可能であるか知りたい場合や、そのケースにおける慰謝料の目安額が知りたい場合などには、弁護士へご相談ください。

行為の悪質性

2つ目は、行為の悪質性です。

たとえば、同じ不貞行為であっても、不倫相手と会う頻度が高い場合や不倫をしていた期間が長い場合は悪質性が高いと判断され、慰謝料が高くなる傾向にあります。
また、DVの場合はDVをしていた期間が長い場合やケガの程度が重い場合などには、悪質性が高いと判断されやすいでしょう。

婚姻期間の長さ

3つ目は、婚姻期間の長さです。

婚姻期間が長い方が、これまで積み上げてきた信頼や安定した生活を破壊した責任は重いといえます。
そのため、婚姻期間が長い方が、慰謝料が高くなる傾向にあります。

子どもの有無

4つ目は、未成年の子どもの有無です。

幼い子どもがいる状態での離婚は心理的な負担が大きいうえ、生活の再建にも困難が伴いやすくなります。
そのため、子どもがいる状態で離婚をする方が、慰謝料が高くなる傾向にあります。

支払い能力

5つ目は、支払い能力です。

先ほど解説したように、離婚慰謝料の額は年収で決まるわけではありません。
しかし、支払い能力が低い場合は、高額な慰謝料を支払うことが現実的に困難でしょう。
そのため、調停や裁判において話し合いにより慰謝料を決めるうえでは、支払い義務者の支払い能力もある程度考慮した上で決めるケースが多く見られます。

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相手の年収が800万円の場合の養育費相場はいくら?

離婚慰謝料の額が相手の年収によって決まるのではない一方で、養育費は双方の年収によって目安となる額が算定できます。
ここでは、養育費の概要と、裁判所が公表している養育費算定表をもとにした養育費の目安額を紹介します。※1

養育費の目安額は次の前提で算定します。

  • 義務者(養育費を支払う者)の年収:800万円
  • 権利者(養育費を受け取る者)の年収:ケースによる
  • 義務者と権利者は、ともに給与所得者である
  • 子どもは、「15歳未満が1人」のケースと「15歳未満が2人」のケース

なお、算定表によって算定される金額はあくまでも目安であり、具体的な状況によってはこれとは異なる額が適切とされることもあります。
そのため、実際に養育費について取り決めをする際は弁護士へご相談ください。

養育費とは

養育費とは、子どもの教育や監護に要する費用です。
夫婦の婚姻期間中も、養育費は発生しています。

しかし、婚姻期間中に発生する養育費は夫婦の生活費などと混じっていることが多いため、養育費として抜き出して意識することは少ないでしょう。

一方、夫婦の離婚後は子どもの親権者である親ともう一方の親との財布が分かれるため、養育費として一定の金額をやり取りする必要が生じます。
離婚後の養育費は、非親権者である親から親権者に対して、毎月まとまった額を支払う形とすることが一般的です。

権利者の年収が200万円の場合

権利者の年収が200万円である場合、養育費の目安額はそれぞれ次のとおりです。

  • 15歳未満の子どもが1人いる場合:8~10万円
  • 15歳未満の子どもが2人いる場合:10~12万円

権利者の年収が400万円の場合

権利者の年収が400万円である場合、養育費の目安額はそれぞれ次のとおりです。

  • 15歳未満の子どもが1人いる場合:6~8万円
  • 15歳未満の子どもが2人いる場合:8~10万円

権利者の年収が800万円の場合

権利者の年収が800万円である場合、養育費の目安額はそれぞれ次のとおりです。

  • 15歳未満の子どもが1人いる場合:4~6万円
  • 15歳未満の子どもが2人いる場合:6~8万円

年収800万円の相手と離婚する場合の注意点

年収800万円の相手と離婚をする場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?
最後に、主な注意点を3つ解説します。

請求できる金銭と目安額をあらかじめ確認しておく

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1つ目は、相手に請求することができる金銭と、その目安となる額をあらかじめ把握しておくことです。

慰謝料や養育費について相手との合意が成立すると、その額がそのケースにおいて本来請求できたはずの金額よりも低いことに気付いても、原則として後から増額することは困難となるためです。
また、養育費や慰謝料などは離婚後に請求することも不可能ではないものの、請求できることを知らずに「一切の請求を行わない」などと合意書を交わしてしまうと、後から請求することは難しくなります。

証拠を揃える

2つ目は、慰謝料を請求したい場合は、あらかじめ証拠を揃えておくことです。

なぜなら、慰謝料請求をしようにも証拠がなければ、相手が不貞行為やDVなどの不法行為の存在を断固として否定し慰謝料の請求を拒んだ場合、請求が困難となるためです。

調停や裁判では証拠が重視され、単に「怪しい」というだけでは、慰謝料の請求は原則として認められません。
しかし、先走って相手に離婚を切り出してしまうと、相手が警戒して証拠を集めづらくなるおそれがあります。
そのため、相手に離婚を切り出す前に証拠を集めるのが慰謝料請求を成功させる鉄則です。

集めるべき証拠は離婚の原因によって異なりますが、不貞行為の場合は次のものなどです。

  • 性的関係があったことのわかる画像やLINEのやり取り
  • ラブホテルに出入りする写真

なお、不貞行為とは性的関係を伴う不倫であることから、単に2人で食事をしている写真や会う約束をしているLINEだけでは弱いでしょう。
そのケースにおいて集めるべき具体的な証拠については、弁護士へご相談ください。

あらかじめ弁護士へ相談する

3つ目は、離婚問題に強い弁護士へあらかじめ相談することです。

弁護士へ相談することで、そのケースにおいて請求できる金銭やその目安となる金額を把握しやすくなります。
集めるべき証拠や交渉の進め方についてもアドバイスを受けることが可能です。

また、弁護士へ正式に依頼する場合は、相手との交渉や交渉がまとまった場合における書面の作成などを弁護士に任せることが可能となり、慰謝料請求を成功させやすくなります。
そのほか、調停や裁判に移行しても対応を任せることできることや味方ができることで心理的な負担が軽減されやすいことなど、メリットが少なくありません。
そのため、年収800万円の相手と離婚をしたい場合は、あらかじめ弁護士へご相談ください。

まとめ

年収800万円の相手と離婚する場合の慰謝料や養育費の考え方などについて解説しました。

離婚慰謝料は相手の年収によって決まるのではなく、離婚原因や悪質性の高さ、婚姻期間の長さなどによって左右されるものです。
一方、養育費は原則として、権利者と義務者の年収を目安として算定されます。

状況に応じた慰謝料や養育費の目安額を知りたい場合は、あらかじめ弁護士へご相談ください。
弁護士へ相談することで、そのケースにおける慰謝料や養育費の目安額を把握することが可能となるほか、必要な証拠の集め方などについてアドバイスを受けることも可能となります。

Authense法律事務所には離婚問題に詳しい弁護士が多数在籍しており、多くの解決実績があります。
年収800万円の相手と離婚をしたいとお考えの際や、慰謝料養育費などの交渉を有利に進めたいとお考えの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
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Authense法律事務所が選ばれる理由

Authense法律事務所では、離婚問題について、豊富な経験と実績を有する弁護士らで構成する離婚専任チームを設けています。
これまでに蓄積した専門的知見を活用しながら、交渉のプロである弁護士が、ご相談者様の代理人として相手との交渉を進めます。
女性弁護士が数多く在籍しており、面談予約時に「弁護士性別」をご希望いただくことも可能です。

弁護士らで構成する離婚専任チーム

離婚問題を弁護士にご依頼いただくことには、さまざまなメリットがあります。

感情的になりがちな相手方との交渉を弁護士に任せることで、精神的なストレスから解放されますし、日常生活への影響も最小限に留められます。
相手方に有利な条件での示談や和解を要求された場合でも、弁護士に依頼することによって、過去の判例などを踏まえた対等な交渉ができます。

また、問題終結後に弁護士を通して合意書を作成しておけば、和解成立後に相手方から再び慰謝料を請求されたり、不貞行為の内容をSNSに投稿されたりといった事後的なトラブルを未然に防止することも可能になります。

私たちは、調停や裁判の勝ち負けだけではなく、離婚後の新生活も見据えてご相談者様に寄り添い、一緒にゴールに向けて歩みます。

どうぞお気軽にご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。早稲田大学法学部法律学科卒業、慶應義塾大学法科大学院法学研究科修了。一般民事、特に離婚事件に関する解決実績を数多く有する。離婚カウンセラーの資格を取得しており、法律的な問題を解決するのみならず、常に依頼者の方の心情に配慮し、不安や悩みに寄り添う対応を心掛けている。
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