コラム

公開 2022.12.15

【2022年】DV防止法とは?弁護士がわかりやすく解説!

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DV防止法とは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的とする法律です。
では、どのような行為がDV防止法の対象となり、どのような形で被害者の保護が図られるのでしょうか?

今回は、DV防止法について弁護士がくわしく解説します。

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DV防止法とは

DV防止法の正式名称は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」です。

DV防止法は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図る」(前文)ことを目的としています。
そして、この目的を達成するために「配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備する」(前文)としており、これらについての規定が設けられています。

なお、DV防止法では「DV」という呼称は使われていません。
代わりに、「配偶者からの暴力」という表現を用いています。

DVの種類

DVというと、殴る蹴るなどの身体的暴力のみをイメージする場合も多いでしょう。
しかし、DV防止法や男女共同参画局の公式ホームページでは、次のものがDVに該当するとしています。※1

身体的な暴力以外であってもDVに該当する可能性がありますので、「身体的な暴力は振るわれていないから、私はDV被害者ではない」などとの思い込みから対応を諦めてしまわないようにしましょう。

ここでは、男女共同参画局のホームページを参照しつつ、それぞれのDVについて紹介します。

身体的DV

身体的DVとは、次のような行為です。

  • 平手でうつ
  • 足でける
  • 身体を傷つける可能性のある物でなぐる
  • げんこつでなぐる
  • 刃物などの凶器をからだにつきつける
  • 髪をひっぱる
  • 首をしめる
  • 腕をねじる
  • 引きずりまわす
  • 物をなげつける

これらの行為はDVに該当するのみならず、傷害罪や暴行罪に該当する違法な行為です。
他人ではなく配偶者間で行われたからといって、免責されるわけではありません。

精神的DV

精神的DVとは、次のような行為です。

  • 大声でどなる
  • 「誰のおかげで生活できるんだ」「かいしょうなし」などと言う
  • 実家や友人とつきあうのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックしたりする
  • 何を言っても無視して口をきかない
  • 人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする
  • 大切にしているものをこわしたり、捨てたりする
  • 子どもに危害を加えるといっておどす
  • なぐるそぶりや、物をなげつけるふりをして、おどかす

たとえ身体的な暴力をともなわなかったとしても、これらの行為はDVに該当する可能性があります。
なお、これらの行為は、「モラハラ」と呼称されることもあります。

性的DV

性的DVとは、次のような行為です。

  • 見たくないのにポルノビデオやポルノ雑誌をみせる
  • いやがっているのに性行為を強要する
  • 中絶を強要する
  • 避妊に協力しない

たとえ夫婦間であっても、相手に対して性交を強要できるわけではありません。
暴力や脅迫を用いて性交に及んだ場合には、夫婦間であっても強制性交等罪にあたる可能性があります。

経済的DV

次の行為は精神的DVにまとめられる場合もあれば、経済的DVとされる場合もあります。

  • 生活費を渡さない
  • 外で働くなと言ったり、仕事を辞めさせたりする

経済的DVを受けている場合には今後の生活への不安から、DV被害を訴えられない場合もあるでしょう。
しかし、DV被害者への支援として生活保護や自立支援などさまざまな支援策が存在します。
お困りの際は、弁護士や福祉事務所、配偶者暴力相談支援センターなどへご相談ください。

DV防止法の対象

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DV防止法ではこの法律の対象としている「配偶者の暴力」を、「配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」(1条)と規定しています。

これの対象範囲は、次にとおりです。

「配偶者」の範囲

DV防止法における「配偶者の暴力」に、現に夫婦である法律上の配偶者からの暴力が該当することは、言うまでもありません。
ほかに、次の者からの暴力も、DV防止法における「配偶者の暴力」に該当します。

  • 元配偶者
  • 内縁の配偶者
  • 元内縁の配偶者

「暴力」の範囲

DV防止法における「配偶者の暴力」には、身体的暴力のみならず、心身に有害な影響を及ぼす言動も含まれます。
つまり、上の「DVの種類」でも紹介をしたとおり、精神的なものや性的なものなども、「配偶者の暴力」に該当するということです。

ただし、次で解説をする保護命令の対象となるのは、配偶者の暴力の中でも特に「身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫」(10条)に限定されています。

DV防止法でできる4つの命令

DV防止法では、配偶者の暴力のうち、特に身体に対する暴力や生命などに対する脅迫を受けている場合において、裁判所から加害者に命令を発してもらう制度が設けられています。※2

この命令を、「保護命令」と言います。
この命令が発せられたら、DV加害者は命令に従わなければなりません。
命令に違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となります(29条)。

DV防止法で定められている保護命令は、次の4種類が存在します。

被害者への接近禁止命令

被害者への接近禁止命令とは、DV加害者である配偶者が被害者の身辺につきまとったり、被害者の住居や勤務先などの付近を徘徊したりすることを禁止する命令です。

この命令は保護命令のベースとなるものであり、6か月の期間を定めて発令されます。

退去命令

退去命令とは、DV加害者が被害者と同居している場合において、同居をしている自宅から退去することを命じるものです。

この命令は、2か月の期間を定めて発令されます。

被害者の子又は親族等への接近禁止命令

被害者の子又は親族等への接近禁止命令とは、被害者の子や親族などの身辺につきまとったり、子または親族などの住居や勤務先などの付近を徘徊したりすることを禁止する命令です。

この命令は、単体で発せられるものではありません。
1つ目に挙げた「被害者への接近禁止命令」を前提として、命令の実効性を確保するために発令されます。

電話等禁止命令

電話等禁止命令とは、次のことを禁止する命令です。

  • 被害者に対する面会の要求
  • 監視の告知
  • 乱暴な言動
  • 無言電話
  • 緊急時以外の連続する電話・FAX・メール送信
  • 緊急時以外の夜間の電話・FAX・メール送信
  • 汚物等の送付
  • 名誉を害する告知
  • 性的羞恥心の侵害

こちらも単体で発せられるものではなく、「被害者への接近禁止命令」の実効性を確保するために、付随的に発せられます。

DVに関する主な相談先

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DV被害を受けている場合、どこへ相談すればよいのでしょうか?
主な相談窓口は、次のとおりです。※3

相談をしたい場合

DVについてまず相談をしたい場合には、配偶者暴力相談支援センターへ相談するとよいでしょう。
配偶者暴力相談支援センターとはDV防止法を根拠として設置されている機関であり、次の役割などを担っています。

  • 相談や相談機関の紹介
  • カウンセリング
  • 被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護
  • 自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
  • 被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
  • 保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助

配偶者暴力相談支援センターは、都道府県によって、婦人相談所や女性センター、福祉事務所に設置されています。
たとえすぐには相談をしない場合であっても、お住まいの地域における配偶者暴力相談支援センターの連絡先をホームページなどで確認しておくとよいでしょう。

一時保護を受けたい場合

配偶者から身体的な暴力や性的な暴力を受けており一時的な保護を受けたい場合には、婦人保護施設や民間のシェルターへ入所することができます。
これらの施設の所在地は、原則として非公開です。

そのため、一時保護を受けたい場合には、上で紹介をした配偶者暴力相談支援センターや、警察署などへ相談してください。

急を要する場合には、そのまま施設へ入所できる場合もあります。

自立して生活をしたい場合

DV加害者から離れ、自立して生活をしたいと考えている場合には、各自治体の福祉事務所へ相談するとよいでしょう。
福祉事務所とは、社会福祉法にもとづいて設置されている、社会福祉全般の窓口です。

福祉事務所へ相談することで、今後の居住場所の確保や生活費などについて受けられる支援を紹介してもらうことができます。

配偶者に近寄ってほしくない場合

DV加害者である配偶者に近寄ってほしくない場合には、上で紹介をした保護命令を出してもらうよう、地方裁判所に申立てを行いましょう。
保護命令の申立てをしたい場合には、裁判所へ直接相談をするか、弁護士へご相談ください。

離婚したい場合や慰謝料請求をしたい場合

DV加害者である配偶者と離婚をしたい場合や慰謝料請求をしたい場合には、弁護士へ相談しましょう。

夫婦双方の合意が成立すれば、離婚をすることができます。
また、民法(770条)に定められている次の事由に該当する場合には、たとえ相手が離婚を拒んだとしても、裁判所が認めることで一方的に離婚することが可能です。

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 回復の見込みのない強度の精神病
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由

DVはこのうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性が高いでしょう。

弁護士へ依頼をすることで、離婚へ向けた話し合いを弁護士に代理してもらえるほか、裁判にまでもつれ込んだ場合に備え集めるべき証拠などについてのアドバイスを受けることも可能となります。

また、DVは慰謝料請求の原因ともなり得ます。
慰謝料とは、相手から受けた損害を金銭で賠償してもらう請求です。
慰謝料の額はDVの態様や頻度、期間によって異なりますが、数十万円から300万円程度となることが多いでしょう。
弁護士は、慰謝料請求なども代理することが可能です。

なお、DV加害者との離婚にあたっては、お金などいらないからとにかく相手と離れたいと考える場合もあるかと思います。

しかし、離婚後生活をしていくためには、お金が必要です。
仮に慰謝料などを一切受け取らないままで離婚をしてしまうと、生活を立て直すまでにより時間を要してしまうかもしれません。

状況によっては慰謝料の他に、婚姻期間中の財産の清算である「財産分与」や、未成年の子どもの教育や監護費用である「養育費」が受け取れる場合もありますので、正当な権利は行使することをおすすめします。

まとめ

DV防止法とは、DVによる被害者を救済するための法律です。
配偶者など身近なパートナーから暴力などの被害を受けている場合には、一人で悩まず、弁護士や配偶者暴力相談支援センターなどへお早めに相談するとよいでしょう。

中でも、相手と離婚をしたい場合や相手に対して慰謝料を請求したい場合などには、弁護士への相談がおすすめです。

Authense法律事務所では、DV被害の救済や離婚問題に力を入れており、これまでも多くの問題を解決してまいりました。
配偶者からのDVや離婚についてお困りの際には、ぜひAuthense法律事務所までご相談ください。

参考文献:

※1 男女共同参画局:ドメスティック・バイオレンス(DV)とは

※2 男女共同参画局:配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の概要

※3 男女共同参画局:配偶者からの暴力被害者支援情報

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。早稲田大学法学部法律学科卒業、慶應義塾大学法科大学院法学研究科修了。一般民事、特に離婚事件に関する解決実績を数多く有する。離婚カウンセラーの資格を取得しており、法律的な問題を解決するのみならず、常に依頼者の方の心情に配慮し、不安や悩みに寄り添う対応を心掛けている。
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