法律事務所オーセンスの離婚コラム

養育費を払ってもらえないシングルマザーが8割!きちんと支払ってもらうためにできることを弁護士が解説!

養育費を払ってもらえないシングルマザーが8割!きちんと支払ってもらうためにできることを弁護士が解説!

2011年に厚生労働省が行った調査によると、離婚後に元夫からきちんと養育費を受け取っているシングルマザーの割合は、約2割にとどまっています。
少し古いデータなので現在は多少とも数字が良くなっている可能性がありますが、劇的な変化は期待しにくいでしょう。

しかしきちんと養育費についての取り決めを行い、公正証書を作成したり調停を利用したりすれば、もっと多くのケースで養育費を払ってもらえるようになります。

今回は離婚後に養育費を払ってもらうためにできる効果的な対処方法を弁護士が法的な視点から解説します。

1.離婚時に養育費の取り決めを行う

離婚後、養育費を払ってもらうには、離婚する際に「きちんと養育費の取り決めをする」ことが必須です。養育費の約束をしていなければ、相手の方から養育費を払ってくることはほとんど期待できないからです。

離婚時、子どもの親権者を決めるときに一緒に養育費の金額や支払方法も決めましょう。養育費の金額は、支払う側と支払いを受ける側の収入のバランスや子どもの人数、年齢によって異なります。こちらの家庭裁判所の算定表を参考に、金額を決定すると良いです。

※参考:裁判所「養育費・婚姻費用算定表」
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html
※令和元年12月23日に公表された改訂標準算定表(令和元年版)です

2.養育費についての合意書は「公正証書」にする

養育費について話し合いをして取り決めたら、必ずその内容を「合意書(書面)」にしましょう。口約束では、払ってもらえなくなる危険性が極めて高くなるからです。
また、単なる当事者間で作成した合意書ではなく「公正証書」にすることを強くお勧めします。

公正証書とは、公証役場で公証人に作成してもらう公文書です。公正証書にすると、相手が不払いを起こしたとき、すぐに相手の給料や預貯金などを差し押さえることができるので、不払い対策に非常に効果的です。特に相手がサラリーマンや公務員の場合、給料を差し押さえるとその後は会社や自治体などから差押え分を直接払ってもらえるので、相手による不払いを心配する必要がなくなります。

離婚公正証書を作成するには、養育費やその他の離婚条件について定めた合意書を公証役場に持ち込み「これを離婚公正証書にしてください」と言って申込みをします。すると日にちを決めて当事者2名が公証役場に行き、署名押印をすれば離婚公正証書が完成します。

公正証書の作成には数万円の費用が必要で、公証役場に行ったり書類を集めたりする手間もかかりますが、後に養育費を確実に回収できることを考えれば安いものです。必ず作成しましょう。

3.離婚時に決められなかったときや公正証書がない場合には「養育費調停」を行う

離婚時に養育費についての取り決めができなかった場合、相手は離婚後に養育費を払ってくれません。また当初は払ってくれていても、だんだんと養育費を支払ってくれなくなることがあります。

そのような場合には、家庭裁判所で「養育費調停」を申し立てましょう。
養育費調停とは、子どもの養育費の金額や支払方法を決めるための調停です。裁判所の調停委員が間に入り、養育費の話し合いを進めてくれます。
相手が支払いに消極的なケースでも説得してくれますし、相場に従った養育費の金額を提示してくれるので、自分では決め方がよくわからない場合にも安心です。

養育費調停で、相手と申立人の双方が納得できる金額を決められたら調停が成立します。通常は、その後調停内容に従った支払いをしてくれるでしょう。

一方、相手が頑なに「払いたくない、払えない」という場合もありますし、ときには養育費調停に出頭しないケースもあります。そのような場合には、養育費調停が「審判」に切り替わり、裁判官(この場合には「審判官」と言います)が養育費の金額を決めて、相手に支払命令を出します。

4.養育費調停や審判で決まったことを守ってくれないときには「履行勧告」をする

養育費調停や審判で養育費の支払いが決定されても、相手が従わないケースもあります。その場合、家庭裁判所で「履行勧告」をしましょう。履行勧告とは、家庭裁判所から相手に対し「調停や審判で決まったことを守ってください」と連絡する手続きです。

履行勧告の方法は、家庭裁判所に行って履行勧告の申請書を提出すれば良いだけなので、簡単です。
ただし履行勧告には強制力がないので、相手が無視したらそれ以上何もできません。

似たような制度に「履行命令」があります。これも家庭裁判所に申立をして、裁判所から「調停や審判で決まったことを守りなさい」と命令してもらう手続きです。
これを無視すると、相手には「10万円以下の過料」という行政罰が下される可能性があります。ただし過料の制裁が発動されても養育費を払ってもらえるわけではありませんし、それ以上の強制力はありません。

5.無視されたら「強制執行」をする

相手が養育費を払ってくれないとき、履行勧告を無視されたら「強制執行」を検討しましょう。また、離婚時に公正証書を作成していたら、養育費調停をしなくてもいきなり強制執行が可能です。

強制執行とは、相手の債権や資産を差し押さえる手続きです。
差押えの対象になるのは、以下のようなものや債権です。

  • ・現金
  • ・預貯金
  • ・生命保険の解約返戻金
  • ・給料
  • ・社内積立
  • ・不動産
  • ・株式などの有価証券
  • ・車
  • ・貴金属、骨董品、時計などの動産類

上記のどのようなものも差押えの対象です。

相手が会社員や公務員の場合には「給与差し押さえ」をお勧めします。
養育費の場合、相手の「手取りの2分の1まで」毎月取り立てることが可能です。
一度申立をしたら、その後相手が今の職場を辞めるか強制執行を取り下げるまで差押えの効力が続きます。
つまり相手が今の職場を辞めるまで、給料から確実に養育費を支払ってもらえるということです。

相手がサラリーマンや公務員でない場合には、預貯金や生命保険の解約返戻金などの差押えがお勧めです。
不動産や車などの差押えにはかなりの労力と費用がかかるので、優先順位としては後になります。特に車や動産差押えの場合、費用の方が高くかかって「赤字」になる可能性もあるので注意が必要です。

また住宅ローンが設定されている「オーバーローン」物件の場合、そもそも差押えが難しくなるケースもあります。

6.養育費の請求は「早ければ早いほど良い」

離婚後に養育費を払ってもらえていない場合「どうしよう」と思って悩み続けて数か月が経過してしまうこともよくあります。
しかし養育費の請求は「なるべく早く」行うべきです。なぜなら養育費は「請求したときからの分」しか払ってもらえない可能性が高いからです。

本来、養育費は離婚時から子どもが成人するまで払ってもらえるはずのものです。
しかし離婚後に養育費調停をするとき、調停や審判で払ってもらえるのは「養育費を申し立てた月から」の分です。
「離婚後、養育費調停を申し立てるまでの分」は払ってもらえないのです。
養育費調停を早く申し立てれば申し立てるほど、多額の養育費を払ってもらえる計算となります。

7.面会交流との関係

離婚後、親権者にならなかった相手には子どもとの面会交流権が認められます。
確かに養育費の支払いと面会交流は引換えではありませんが、子どもと面会して緊密な関係を築けている方が、相手としても養育費を積極的に払う気持ちになりやすいことは確かです。
もしも今相手と子どもが会えていない場合には、面会交流と養育費の問題を同時解決することも可能です。

正しい知識を持って適切な対応をすれば、多くのシングルマザーの方が養育費を受け取れるようになります。
養育費を払ってもらえていなくてお困りであれば、弁護士がケースに応じたアドバイスと対応を実施いたしますので、なるべく早めにご相談ください。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

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