法律事務所オーセンスの離婚コラム

相手の浮気で婚約破棄!慰謝料の支払い義務が発生するケースとしないケース

相手の浮気で婚約破棄!慰謝料の支払い義務が発生するケースとしないケース

「婚約しているのに、相手が別の誰かと浮気をしていた!」

そんな事実が発覚したら婚約は解消したいと思うのが通常でしょう。
相手の浮気が原因で婚約を解消する場合、婚約相手や浮気相手に慰謝料を請求することができるのでしょうか?

実は婚姻関係だけではなく、婚約関係でも相手の浮気等によって慰謝料を請求できるケースがあります。

今回は婚約期間中に婚約者が浮気をしたときの慰謝料請求の可否や慰謝料の金額の相場について、みていきましょう!

このコラムの監修者

小柳津緑 弁護士(大阪弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士小柳津 緑(大阪弁護士会所属)

京都大学法学部卒業、神戸大学法科大学院修了。不動産法務、離婚、相続、刑事事件を中心とした法律問題を取り扱う。不法行為に基づく慰謝料請求事件や刑事事件の示談交渉などの解決実績を有する。

1.「婚約」とはどういった状態なのか

婚約者の浮気等を理由に慰謝料請求が認められるためには、法的な意味での「婚約」が成立していることが必要となります。では「婚約」とはどういう状態を意味するのでしょうか?

婚約は「婚姻の予約」です。つまり男女が結婚することを約束したら婚約が成立するのが通常です。
婚約するときに契約書などの書面作成は不要です。

ただし書面がなく口頭での約束しかない場合、婚約が成立しているかどうかが争われる可能性が高くなります。慰謝料を請求した場合に、相手が「婚約なんかしていない」と主張する可能性があるためです。
「婚約した」といえるための証拠となり得る事実としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ・婚約指輪
  • ・結婚式場への相談や申込みの記録
  • ・結婚式場とのメールのやり取り、キャンセルの記録
  • ・新婚旅行の予約やキャンセルの記録
  • ・両家の親に挨拶したときの記録、写真など
  • ・結納を行ったときの記録、写真など

2.婚約破棄で慰謝料の支払い義務が発生するケースとしないケースがある

婚約をしていてもさまざまな事情で解消するケースがあるものです。婚約を解消・破棄したからといって必ずしも慰謝料の支払い義務が発生するわけではありません。
婚約破棄によって慰謝料の支払い義務が発生するのは、一方当事者に責任があるケースに限られます。つまり一方的な婚約破棄に違法性が認められ、相手方に大きな精神的苦痛が生じたような場合には慰謝料の支払い義務が発生するということです。
婚約破棄に至ったことにつき、どちらにも責任がないケースや、両者が話し合って納得して婚約を解消したケースなどでは慰謝料の支払い義務は発生しません。

以下で婚約破棄により慰謝料の支払い義務が発生するケースとしないケースの具体例をみていきましょう。

3.婚約破棄で慰謝料の支払い義務が発生するケース

婚約破棄により慰謝料の支払い義務が発生しうる場面として、以下のようなものが挙げられます。

3-1.相手が浮気した

相手が別の異性と肉体関係をもって浮気をしたことが原因で婚約を破棄するに至った場合。

3-2.相手から暴力を振るわれた

相手から暴力を振るわれたことが原因で婚約を破棄するに至った場合。

3-3.一方的に婚約を破棄された

「親が反対したから」「嫌いになったから」「家風が合わないから」などの理由で一方的に婚約を破棄された場合。

4.婚約破棄に関する慰謝料支払請求が認められにくいケース

以下のようなケースでは慰謝料支払請求が認められないことが多いです。

  • ・お互いに性格が合わないので婚約を解消した
  • ・結婚後の生活の見込みが立たないので婚約を解消した

5.慰謝料の支払い義務が発生する浮気の境界線

どこから「浮気」にあたるのかの判断は、人によって異なります。キスしたら浮気、食事に行ったら浮気、などいろいろな考え方があるでしょう。
浮気による婚約解消で慰謝料の支払い義務が認められるためには、どの程度の浮気が必要なのでしょうか?
「肉体関係」がある場合には、慰謝料請求が認められる可能性が高いといえます。
民法上、夫婦の離婚原因として「不貞行為」というものがあります。不貞行為とは「配偶者のある人が配偶者以外の異性と肉体関係をもつこと」をいいます。夫や妻に不貞行為があれば慰謝料請求をして責任追及をすることができますが、肉体関係がない場合は、肉体関係がある場合に比べて慰謝料請求が認められる可能性は低くなります。このような考え方は、婚約破棄の場合の慰謝料請求にも当てはまります。

すなわち、婚約相手が浮気をしたことによって慰謝料請求をする場合には、婚約者と浮気相手との「肉体関係の証拠」があると、慰謝料請求が認められやすくなります。

6.婚約破棄で慰謝料を請求できる相手は?

婚約者が肉体関係を伴う浮気をした場合には慰謝料請求が認められることが多いですが、慰謝料の請求は誰に対してできるのでしょうか?
慰謝料の請求は、婚約者に対しても、浮気相手に対してもすることができます。
浮気は婚約者と浮気相手が共同して行う不法行為なので、法律上は「共同不法行為」と評価されます。共同不法行為が成立すると、共同不法行為者は「連帯責任」を負います。連帯責任の場合、共同不法行為者全員に対して債務の履行を請求することができます。
そこで婚約者が浮気した場合には、婚約者と浮気相手のどちらに対しても慰謝料の請求をすることが可能となります。

7.浮気が原因で婚約を破棄したときの慰謝料の相場

婚約者の浮気によって婚約破棄に至った場合には、慰謝料の金額はいくらになるのでしょうか?相場の金額をみてみましょう。

7-1.婚約破棄を原因とする慰謝料の相場

これまでの判例をみると、婚約破棄の慰謝料請求として認められる金額としては、100万円~300万円が多いようです。高額な慰謝料請求が認められるのは、浮気をされた女性が妊娠中絶・出産をしたり、浮気をした側が浮気をされた側に対して暴力を振るったり、一方的に追い出したりするようなとても悪質な事例です。

7-2.慰謝料が高額になる場合とは?

浮気により婚約破棄に至った際の慰謝料の金額は、ケースによって異なりますが、以下のような事情がある場合には、金額が高くなる傾向にあります。

婚約期間が長い

婚約期間が長いと将来の婚姻に対する期待も高くなるので、浮気によって破棄されたときの慰謝料の金額が高くなる要因になりえます。

浮気の期間が長い

浮気をしていた期間が長いと慰謝料の金額が高くなる要因になりえます。

浮気の回数が多い

浮気の回数が多いと、慰謝料の金額が高くなる要因になりえます。

婚約者や浮気相手に反省がない

浮気が発覚しても婚約者や浮気相手が一切謝罪しない、開き直って慰謝料も払わないなど、誠意がみられない場合には慰謝料の金額が高くなることもあります。

婚約を破棄された女性が妊娠・中絶・出産した

男性が浮気した事例では、女性が妊娠、流産、中絶、出産していることは慰謝料の金額が高くなる要因になりえます。

婚約破棄をした婚約者が暴力を振るうなど悪質

浮気した側が浮気された側の婚約者に暴力を振るったり一方的に家から追い出したりするなど、浮気以外の悪質な行為をしている場合には、慰謝料額が高くなる要因になりえます。

8.婚約者の浮気を理由として慰謝料請求をする手順

婚約者が浮気をした場合、まずは「肉体関係」や「婚約成立」についての確実な証拠を入手しましょう。
そのうえで内容証明郵便などを使って婚約者と浮気相手に対し、慰謝料請求を求めます。いくらの慰謝料を請求するかについては、上述の相場の金額を参考にしていただければと思います。そして、慰謝料を請求した相手方と話し合い、合意ができたら合意書を作成して慰謝料の支払を受けます。
当事者間で合意ができない場合には、訴訟を検討する必要があります。

まとめ

婚約者の浮気問題は配偶者の浮気問題に比べて慰謝料の支払い義務が発生するかどうかの見極めや証拠収集も難しくなりやすく、泣き寝入りする方も多数おられます。しかし婚約破棄も不法行為にあたりうる行為ですので、泣き寝入りする必要はありません。
相手の浮気で婚約破棄を検討する場合には、一人で悩まずに専門の弁護士に相談してみてください。

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