法律事務所オーセンスの離婚コラム

配偶者がアルコール依存症!飲酒問題で離婚できる?

配偶者がアルコール依存症!飲酒問題で離婚できる?

配偶者がアルコール依存症の場合、夫や妻に重い負担がかかります。ときには「離婚」が頭をよぎるケースもあるでしょう。
アルコール依存症は法律上の離婚原因になるのでしょうか?

今回はアルコール依存症の診断基準や治療方法、離婚原因になるかどうかなどを弁護士が解説します。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

1.アルコール依存症が家族に与える影響

アルコール依存症とは、生活や健康に悪影響が出ているにもかかわらず飲酒をやめられない状態です。配偶者がアルコール依存症になってしまったら、以下のような問題が発生して家族にさまざまな負担がかかります。

1-1.仕事を辞めてしまう

アルコール依存症になってしまったら、仕事を続けられずに辞めてしまう方が多数です。
一家の大黒柱である夫が仕事を辞めると家族全員が生活に困ることになりかねません。

1-2.暴言や暴力を振るう

アルコール依存症の方は、飲酒すると「人が変わる」ケースが多々あります。ふだんはおとなしいのにお酒が入ると暴れて物を壊す、配偶者や子どもへ暴力を振るう暴言を吐くなどの問題行動をとります。

1-3.健康を損なう

アルコール依存となって多量の飲酒を続けると、肝臓を始めとした臓器がむしばまれます。身体を自由に動かすこともできなくなったり入院が必要になったりして家族に負担がかかります。

1-4.子どもへの悪影響

アルコール依存症となって昼間から家でお酒ばかり飲んでいる親を見て育つのは、子どもにとって良い環境とはいえません。お酒を飲んで暴力を振るう場合、子どもに身体的な危険が及ぶ可能性もあります。

2.アルコール依存症の診断基準

「アルコールが好き」「たくさんアルコールを飲む」としても、アルコール依存症とは限りません。
アルコール依存症についてはWHOによる診断基準が明らかにされています。過去1年間において、次の6つ項目のうち3つ以上が同時に1か月以上現れたか繰り返し出現した場合に「アルコール依存症」と判定されます。

2-1.飲酒したいという強い欲望、強迫観念

常日頃から「アルコールを摂取したい」という強い欲望を持っています。日中もアルコールが頭から離れず仕事を辞めてしまい、家でお酒を飲み続ける方もおられます。

2-2.アルコール摂取量をコントロールできない

自分ではアルコールの摂取量をコントロールできず、めちゃくちゃに飲み過ぎてしまいます。たとえば「ビール一本だけ」と思っていても、いつしか酩酊状態になるまで飲み続けてしまうなどです。

2-3.禁酒や減酒すると禁断症状が起こる

お酒を断ったり量を減らしたりすると「禁断症状」が発生します。たとえば発汗したり指先が震えたり不眠状態になったりするので、結局はまたお酒に頼らざるを得なくなってしまいます。

2-4.アルコールに耐性ができてしまう

長期にわたって多量のアルコールを摂取し続けていると、耐性ができてしまいます。これまで酔えた量では酔えなくなるのでどんどん摂取量が増えてしまい、状況が悪化していきます。

2-5.飲酒時間が増える、回復に時間がかかる

飲酒する時間がどんどん増えて、酩酊状態から回復するまでに時間がかかるようになります。常に酔っ払った状態が続き、お酒に代わる楽しみや興味の対象が失われて生活が「アルコール一色」に染まっていきます。

2-6.明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず飲酒を続ける

  • ・健康診断で「お酒をやめるように」と言われた
  • ・肝硬変のリスクが高まっている
  • ・アルコールのせいで仕事を辞めてしまった
  • ・アルコールのせいで家族に迷惑をかけている
  • ・アルコールに過剰なお金をつぎ込んでいる

このように、明らかに有害な結果が生じているにもかかわらず断酒できない場合、アルコール依存症の可能性が高いと言えます。

あなたの配偶者にも上記の3つ以上にあてはまる状態が続いていないか、チェックしてみてください。

3.アルコール依存症の治療方法

アルコール依存症が進行すると、家族だけで回復させるのは困難となります。もしも配偶者がアルコール依存症になっている可能性があるなら、以下のように対応しましょう。

3-1.保健所や精神保健福祉センターへ相談

誰にも相談できない、とりあえずどうして良いかわからない場合などには、お近くの保健所や精神保健福祉センターへ相談してみましょう。状況に合わせたアドバイスをしてもらえます。

3-2.専門の医療機関を受診

アルコール依存症の回復に対応している専門の医療機関を受診しましょう。場合によっては入院治療を行うべきケースもあります。

3-3.自助グループに参加

本人に治療意欲があるなら、自助グループへの参加をお勧めします。同じ苦しみを味わっている人同士で励まし合うことにより、回復へ進んで行きやすくなります。

3-4.治療のためにやってはいけないこと

以下のようなことは治療の妨げになるのですべきではありません。本人のためと思っても実際には逆効果になります。

  • ・居酒屋のツケを払ってあげる
  • ・飲酒時に暴れて他人に迷惑をかけたなど、トラブルの後始末をする
  • ・二日酔いで会社を休みたいと言ったとき、本人の代わりに連絡してあげる
  • ・酔いつぶれた本人を店などに迎えに行く

4.アルコール依存症は離婚原因になる?

配偶者がアルコール依存症の場合、離婚できるのかみていきましょう。

4-1.相手が離婚を承諾すれば離婚できる

協議離婚や調停離婚なら、相手がアルコール依存症でも問題なく離婚できます。これらの手続きでは、夫婦がお互いに「離婚を了承」すれば離婚が成立するからです。

まずはアルコール依存の相手とよく話し合い、離婚を承諾させましょう。その上で親権や養育費、財産分与などの離婚条件を取り決めて合意し、離婚届を提出したら離婚できます。

4-2.アルコール依存症は基本的に法律上の離婚原因にならない

相手が協議や調停では離婚を受け入れない場合、裁判で離婚を認めてもらう必要があります。しかしそのためには「法律上の離婚原因」を要求されます。
一般的に「配偶者がアルコール依存症」というだけでは法律上の離婚原因として認められないので、訴訟を起こしても離婚できない可能性があります。

4-3.アルコール依存症で裁判離婚できるケース

配偶者がアルコール依存のとき、以下のような状態なら「法律上の離婚原因」が認められて裁判離婚できる可能性があります。

相手から日常的に暴力や暴言の被害を受けている

DVやモラハラの被害が発生しているなら「婚姻関係を継続し難い重大な事由」が認められて裁判離婚できる可能性があります。

長期間の別居

長期間別居が継続している場合、「婚姻関係を継続し難い重大な事由」が認められて裁判離婚できる可能性があります。

5.アルコール依存症の配偶者との離婚は弁護士へ相談を

配偶者がアルコール依存症の場合、離婚は慎重に進める必要があります。
そもそも法律上の離婚原因があるかないかを見極めねばなりませんし、証拠収集も進めなければなりません。

離婚を進める流れとして、まずは相手と離婚協議、その後調停となりますが、いずれの段階でも不利にならないためにはプロによる助言や代理が必須です。ご自身で判断すると離婚に失敗したり、離婚後後悔してしまったりするリスクも高まります。

当事務所では離婚問題に積極的に取り組んでおり、難しいアルコール依存のケースにおいても状況に応じたアドバイスやサポートをいたします。お悩みの際にはお早めにご相談下さい。

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