法律事務所オーセンスの離婚コラム

離婚の養育費は誰が支払うの?知りたい親権者と養育費の関係

離婚の養育費は誰が支払うの?知りたい親権者と養育費の関係

離婚の際は、離婚届を提出しなければなりません。この離婚届の欄に「親権者」を記載する欄があります。親権者といえば、なんとなく一緒に子どもと住む人?というイメージがありますが、正確な意味を把握している人は少ないのではないのでしょうか。
同じようなニュアンスの言葉として「監護者」という言葉もあります。実際に、「親権者」や「監護者」は違う人のことをいうのでしょうか。
さらに、子どもがいる場合は、「養育費」の問題も考える必要があります。この「養育費」は誰が支払うのでしょうか。
そこで、今回は「親権者」と「養育費」の関係について、それぞれの言葉の意味にも触れながら、まとめてご説明します。

このコラムの監修者

平沼夏樹 弁護士(第二東京弁護士会所属)

弁護士法人法律事務所オーセンス

弁護士平沼 夏樹(第二東京弁護士会所属)

京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。

離婚時に指定された親権者とは?

子どものいる夫婦が離婚をする場合、必ず離婚前に親権者を決める必要があります。
ここでは、親権者についてご説明します。

・親権の内容は2つある

民法には「成年に達しない子は、父母の親権に服する」(民法818条1項)と定められています。
結婚している間は、父、母が共同して行う「共同親権」として、双方が親権者となります。
しかし、離婚するとなれば、共同して親権を行使することができません。そのため、どちらか一方の親を親権者として、親権を認めることとなります。
ここでいう、親権の内容は大きく2つに分けることができます。それが「財産管理権」と「身上監護権」です。

・財産管理権とは?

財産管理権とは、子どもの財産を管理し、その財産に関する法律行為については子どもに代わって行うことができるというものです(民法824条)。
子どもは単独で有効な法律行為をすることはできません。そのために、財産管理権は親権者に認められている権利・義務となります。

未成年の子どもは、日用品などの購入を行うことはできますが、単独で高価な商品を購入しても確定的な効果が生じるわけではなく、後から取り消すことができる状態となります。
例えば、未成年の子どもが勝手に一人で、自動車を購入する契約を行った場合は、自分の行動の結果を正しく理解して契約をしたとは考えられず、親権者としてその契約を後から取り消すことができます。
このように、子どもの財産を保護するために、親権者には財産管理権が認められているのです。

・身上監護権とは?

一方、親権者が有するもう一つの権利・義務が身上監護権です。
具体的には以下の内容を行うことができます。

  • ・子どもの利益のために、子の監護や教育を行う(民法820条)
  • ・子どもの住む場所を指定する(民法821条)
  • ・監護や教育をする上で必要な場合には、子どもを叱ったり罰したりする(民法822条)
  • ・子どもが就職する場合に許可を与える(民法823条)

つまり、子どもと同居をして、子どもが生活する上で必要な身の回りの世話や教育を行う権利・義務が、身上監護権です。

・親権者と監護権者を分けることもできる

一般的に、親権者は財産管理権と身上監護権の2つを有しています。
ただ、離婚の際にどちらが親権者となるかで争っている場合には、なかなか結論が出ないこともあります。両者が「親権者となること」に対して譲歩せず、1歩も引かない状況であれば、とにかく子どもと一緒に暮らすことを優先的に考え、親権から身上監護権だけを切り離すことも可能です(民法776条)。
つまり、財産管理権を有する親権者と、身上監護権を有する監護者とに分けるわけです。
例えば、父親が親権者、母親が監護者とした場合には、父親は子どもと別居しますが、子どもの財産を管理する権利・義務を有します。一方で、母親は子どもと同居し、子どもの世話を行いますが、子どもに代わって法律行為を行うことはできません。

離婚における養育費は誰が払うの?

それでは、離婚後の養育費は誰が支払うのでしょうか。親権者でない親は、養育費を払う必要がないのでしょうか。ここでは、養育費の意味も含めてご説明します。

・養育費とは?

そもそも養育費とは、簡単にいえば「未成熟の子どもが自立するまでにかかる生活費」のことを指します。
養育費の内容として、一般的には、生活する上で必要なお金以外に、教育費や医療費などが含まれると解されています。

・両親には扶養義務がある

「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」(民法887条)。
直系血族とは親子関係を意味し、親は子に対して、また子どもが成長して親が老いれば、子は親に対して、互いに扶養する義務があると、民法には明記されています。
扶養とは養うことですから、子どもが未成熟であり、社会的に自立できない間は、親が子どもを養わなければなりません。
そのために、養育費としてお金を負担するわけです。これは、改正後の民法776条でも、「子の監護に要する費用の分担」と「養育費」という言葉を明記されたことからも理解できます。

なお、離婚という事実は、扶養義務には影響しません。離婚して縁が切れるのは夫婦関係であり、親子関係は変わりません。つまり、離婚後、配偶者であった相手の生活費の面倒は、当然見る必要はありません。しかし、子どもの生活にかかるお金は、親である以上、負担しなければなりません。それは、一緒に住むかどうかや、親権者となるかどうかとは関係なく、親である以上、当然の義務なのです。

・身上監護権を有していない側が養育費を支払う

子どもが生活していく上で欠かせないのが、生活費です。これらを賄うものとして養育費の存在は非常に重要です。
それでは、誰が養育費を支払うのでしょうか。
まず、同居している親は、必然的に子どもの生活費を支出している状況といえます。共に暮らしているため、食事や寝る場所なども提供しているでしょう。賃貸住宅であれば必要となる賃料、食費、日用生活に必要な様々なものの代金などの費用を負担しています。

一方で、監護をせずに別居している親は、これらの費用を負担していません。そのため、別居側の親が子どもの生活にかかわるお金を一部負担するのが公平といえます。
よって、別居している側が養育費を支払うことになります。

親権者と引き換えの「養育費なし」の合意はよく考えて

「子どもの親権をどちらが有するか」という問題は、なかなか解決が難しいものです。
というのも、離婚は夫婦の問題で、子どもとの関係で起こるものではないからです。別れたいと思う相手は配偶者であり、子どもと離れたいと思うケースは少ないでしょう。
そのため、どうしても親権者として、子どもと同居し育てたいという気持ちを捨てきれません。中には、親権者になることの引き換えに養育費を交渉の一つとする場合があります。つまり、養育費はいらないから、親権を得たいという、交渉です。

このようなケースにおいて、「養育費は不要」という夫婦間の合意は、果たして有効なのでしょうか。

夫婦間の合意は、あくまで夫婦との間の取り決めであり、子どもの権利を放棄するわけではありません。親は子どもを扶養する義務があり、子どもからすれば親に扶養の請求を行うことができます。そのため、夫婦間で「養育費が不要」と合意したところで、子どもからの扶養請求には応えなければなりません。したがって、安易に「養育費不要」の合意をすることはお勧めしません。

親権者や監護者などいろいろと法律用語が出てきますが、要は、子どもと同居している親は、子どもの生活費も当然に支払います。そのため、子どもと別居している親がその生活費などを一部負担するのが養育費なのです。
ただ、子どもと同居している親の収入が高く経済的余裕があり、子どもの生活費も十分足りるという状況で、別居している親の方が、収入が低く経済的余裕もない場合は、養育費が認められない可能性もあります。
家庭裁判所の調停や審判で養育費を決める場合は、複合的な個別要素を考慮して判断されます。
養育費の決定に不安がある場合には、弁護士などの専門家に相談してはいかがでしょうか。

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