経営者である夫と離婚するときは、財産分与や養育費などさまざまな問題が生じるものです。
財産分与額は一般的なケースより高額になる傾向があり、夫が株式を持っていれば株式の財産分与方法も問題となります。
経営者である夫と離婚するときに、損をしないための知識を弁護士がお伝えします。
目次
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経営者である夫と離婚する場合の財産分与の注意点
経営者である夫と離婚する場合「財産分与」で争いが生じるケースが多いので、まずは財産分与の注意点から確認しましょう。
財産分与の資料を集める
会社経営者は収入や資産が多いために財産分与の対象資産も高額となり、財産の種類も多くなる傾向があります。
適正に財産分与を受けるには、財産の開示を受ける必要があります。
しかし、いざ離婚の話し合いをするときに相手に開示を求めても、全部開示されるとは限りません。
そのため、事前にしっかりと資料を集めることが大切です。まずは以下のような資料を収集しましょう。
- 預金通帳、取引履歴
- 保険や解約返戻金証明書
- 車検証や査定書
- 株式に関する資料
- 不動産の全部事項証明書や売買契約書などの資料
- 借入金に関する資料
退職金代わりの保険に要注意
経営者の場合、退職金代わりに、会社が経営者を被保険者として「長期平準定期保険」や「逓増定期保険」とよばれる保険に加入している場合があります。
こういった退職金代わりの保険も、財産分与の対象になる場合がありますので、確認するようにしましょう。
夫が財産開示しない場合
自分で、夫の財産関係の資料を集めるには限界があります。
とはいえ、経営者である夫が正直に財産を全部開示するとは限りません。
相手がいわゆる「財産隠し」をすることが想定される場合、弁護士へ相談してみましょう。
どのように資料を集めたらいいのか、離婚調停や離婚裁判などの際に、裁判所を通じて、情報開示を求められないかといった点について、アドバイスをもらうことができます。
財産の調査を十分に行わないと、受け取ることができる財産分与額が大きく減ってしまう可能性がありますので、資料の収集にお困りの際は、早めにご相談ください。
会社名義財産を財産分与に含められる場合
経営者と離婚するとき、「会社名義の財産は対象にならないの?」と疑問を持つ方が多くいらっしゃいます。
法律上、会社と個人には別の人格が認められるので、基本的に会社名義財産は財産分与対象になりません。
ただし、会社資産と個人資産の区別ができておらず、会社資産と個人資産が同視できるようなケースでは、会社名義財産も財産分与対象に含められる可能性があります。
また妻が創業時から会社の運営に関わっており、会社の資産形成に大きく貢献した場合などにも、会社名義の財産を一部分与してもらえる可能性があります。
会社株式を保有している場合の解決方法
経営者である夫が、会社の株式を保有している場合、会社の株式も財産分与の対象になるので、分与を求めるべきです。
もっとも、株式をそのまま分与されても、離婚後に会社経営にかかわらない場合は、株式を持つメリットは小さいため、株式を適正に評価して、金銭で分与を求めるのがよいでしょう。
中小企業の株式は、適正に評価すると高額になる場合も多々あります。
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「財産分与割合を減らす」といわれた場合の対処方法
経営者である夫と離婚するとき、相手から「財産形成に対する貢献度が低いので、財産分与割合を減らす」といわれるケースもよくあります。
しかし、財産分与の割合は、原則として2分の1ずつとされており、それは、夫が経営者であっても同じです。
ただし、夫婦の一方が特殊な資格やスキルによって著しく高額な所得を得ている場合、他方配偶者への財産分与割合が、調整される裁判例もみられます。
割合を減らされるとしても、どこまで減らすべきかケースバイケースの判断が必要です。
財産分与割合について、夫婦間で問題になった場合には、弁護士までご相談ください。
養育費について
離婚するときに妻が子どもを引き取るなら、経営者である夫に対し、養育費を請求できます。
養育費の金額について、調停の場では、家庭裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」にしたがい、養育費の金額を算定するというのが実務上通例となっています。
しかし、経営者ご夫婦のお子様の場合、私立学校に通わせるなど、高額な費用がかかるケースも多いでしょう。
お子様が私立学校に通学している場合や、受験を予定している場合には、私立学校への学費などについて、離婚協議の段階でしっかり話し合いをして、負担者を決めておくことをおすすめします。
なお、協議離婚する場合も、養育費の取り決めは必ず公正証書にしておきましょう。
そうすれば、万が一、相手が支払わなくなったときにも、すぐに相手の資産を差し押さえることができます。
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経営者が相手でも年金分割を請求できる
経営者が相手の場合でも、年金分割ができます。
夫が会社経営をしている場合、「厚生年金」に加入しているはずだからです。
年金分割ができるなら、手続きを検討することをおすすめします。
妻が役員になっている場合の対処方法
妻が、夫の会社の役員になっている場合、離婚すると「解任」される可能性があります。
ただし、任期中に解任された場合、正当な理由がなければ損害賠償請求ができます。
まとめ
会社経営者は、収入や資産が多いために、財産分与の対象資産について、資料収集を丁寧に行っていく必要があります。
弁護士にご相談いただくことで、財産分与の対象とすべき財産や、資料の収集方法について、具体的にアドバイスを受けることができます。
また、会社経営者と離婚する場合、財産分与や養育費など多種多様な問題があることから、スムーズに交渉が進まないこともありえます。
弁護士に依頼すると、代理人として、相手と離婚条件に関する交渉をしてもらうことができます。
経営者である夫と離婚する際には、財産分与や養育費など多種多様な問題に対応しなければなりません。
離婚を急ぐあまり、相手の言われるままに従って、損をしてしまうケースもみられます。
判断に迷ったときには、専門知識を持った弁護士に、ご相談いただくことをおすすめします。
Authense法律事務所が選ばれる理由
Authense法律事務所では、離婚問題について、豊富な経験と実績を有する弁護士らで構成する離婚専任チームを設けています。
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離婚問題を弁護士にご依頼いただくことには、さまざまなメリットがあります。
感情的になりがちな相手方との交渉を弁護士に任せることで、精神的なストレスから解放されますし、日常生活への影響も最小限に留められます。
相手方に有利な条件での示談や和解を要求された場合でも、弁護士に依頼することによって、過去の判例などを踏まえた対等な交渉ができます。
また、問題終結後に弁護士を通して合意書を作成しておけば、和解成立後に相手方から再び慰謝料を請求されたり、不貞行為の内容をSNSに投稿されたりといった事後的なトラブルを未然に防止することも可能になります。
私たちは、調停や裁判の勝ち負けだけではなく、離婚後の新生活も見据えてご相談者様に寄り添い、一緒にゴールに向けて歩みます。
どうぞお気軽にご相談ください。
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