離婚したいと思ったら、話し合いの前に「準備」をしましょう。
離婚原因があるか検討し、有利な条件で離婚するための証拠集めなどを進めます。
準備ができたら相手と話し合い、協議離婚を目指しましょう。
スムーズに進められないときは、弁護士に相談してみましょう。
目次
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離婚したいと思ったときに検討すべきこと
「離婚したい」と思っても、いきなり相手に離婚を切り出すのは得策ではありません。
まずは以下の事項を検討しましょう。
本心から離婚したいのか?
相手と喧嘩すると、一時の感情で「もう離婚しかない」と思いつめてしまう方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、冷静になってみると、離婚するほどの問題ではなかったり、相手と仲直りできたりするケースも少なくありません。
まずは「本心から離婚したいのか、後悔しないのか」自分の心をしっかり確かめてみてください。
相手は離婚に応じそうか?
自分の離婚の決意が固ければ、次は相手側の対応が重要です。
相手が離婚に応じなければ協議離婚はできません。
今までの相手の言動や態度、性格などからして「離婚に応じそうか」を予想しましょう。
離婚に応じなさそうであれば、裁判しないと離婚できない可能性があります。
裁判で離婚するには「法律上の離婚原因を証明できる証拠」を集めておかねばなりません。
離婚原因があるか?
法律上の離婚原因があれば、相手が離婚を拒否しても裁判で離婚できます。
典型的な法律上の離婚原因を示します。
- 相手の不貞(浮気、不倫)
- 相手の暴力、モラハラ
- 相手が十分な収入があるにもかかわらず、生活費を渡さない
- 正当な理由もなく、相手が家出した
- 相手が回復しがたい精神病にかかっている
- 相手が3年以上行方不明
- 長期間の別居
「性格の不一致」は、法律上の離婚原因になりません。
相手に離婚を切り出す前に、法律上の離婚原因があるかどうか、検討してみてください。
離婚後の生活をどうするか?
離婚後の生活についてもしっかり考えておくべきです。
子どもを引き取るのか相手に委ねるのか、生活費や養育費を得られるのか、どこに住むのかなど事前に検討しておきましょう。
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離婚を決意した際に準備しておくべき7つの項目
離婚を決意した際には、相手へ離婚を切り出す前に、次の7つの準備を進めましょう。
1. 離婚や慰謝料請求へ向けた証拠を収集する
たとえ夫婦の一方が離婚をしたいと考えていても、相手が離婚に同意をしない場合には、正当な理由がなければ一方的に離婚をすることはできません。
正当な理由とは、たとえば相手に不貞行為があった場合や婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合などです。
また、これらを調停や裁判で主張するためには「疑わしい」というレベルでは不十分であり、たとえば不貞行為であればラブホテルに入る写真など決定的な証拠が必要となります。
同様に、相手へ慰謝料請求をする場合にも、証拠がなければなりません。
そのため、離婚を決意したら、まずは離婚や慰謝料請求をするための証拠を収集しましょう。
2. 請求可能なお金や資産をリストアップする
事前の準備のないままに相手に離婚を切り出してしまうと、相手の出した離婚の条件が妥当であるかの判断ができず、不利な条件のまま進められてしまうかもしれません。
そのため、離婚をしたいと考えたら、あらかじめ相手に請求可能なお金をリストアップして一般的な金額を把握しておくことをおすすめします。
離婚に際して、相手に請求できる可能性があるお金は次のとおりです。
- 財産分与:婚姻期間中に築いた夫婦の財産を、離婚にともなって清算することです。原則として2分の1ずつの割合で分与します。婚姻期間中に増加した共有財産を多く持っている側が、もう一方に対して渡します。
- 養育費:未成熟子の教育や監護にかかる費用です。親権を持たなかった側が親権を持った側に対して定期的に支払うことが一般的です。
- 慰謝料:不貞行為など一方の行為が原因となって離婚に至った場合に請求する金銭です。
これらの金額は一律で決まっているわけではなく、財産や収入、離婚に至った原因などによって適正な額が異なります。
そのため、予め自分の状況に合った適正額を把握しておくとよいでしょう。
また、適正額の財産分与を受けるためには、相手の財産の全容を把握しておかなければなりません。
そのため、相手に離婚を切り出す前に、相手の財産を調査しておくとよいでしょう。
調査をする前に離婚を切り出してしまうと、財産を隠されて調査が難航する可能性があるためです。
3. 生活に必要な金額を計算し、必要に応じて仕事を探す
離婚を決意したら、その後の生活に必要な収入を計算しましょう。
そのうえで、必要に応じて仕事を探しておくことをおすすめします。
特に子育て中の場合には時間が取りづらく、離婚をしてからでは仕事探しが難航する可能性があるためです。
また、定期的な収入の目途が立つことで、離婚へ向けて進みやすくなるでしょう。
4. 住まいを探す
離婚を決意したら、仕事探しとあわせて今後の住まいについても検討しておきましょう。
可能であれば、実家へ戻ることも有力な選択肢となります。
また、子育て中の場合には住居のあっせんや家賃手当の支給などを行っている市区町村もあるため、あらかじめ市区町村の役場で使える制度がないか確認しておくとよいでしょう。
5. 相談先の弁護士を探しておく
相手へ離婚を切り出す前に、相談先の弁護士を探しておくことをおすすめします。
相談先の弁護士を決めておくことで、話し合いが難航した際には弁護士に相談できるという安心感を持って、離婚を切り出すことが可能となるためです。
また、弁護士へ相談して集めるべき証拠についても事前にアドバイスを受けることで、必要な証拠を集めやすくなるでしょう。
さらに、養育費や財産分与、慰謝料などの適正額を知ったうえで交渉に臨むことも可能となります。
なお、相手からDVやモラハラの被害を受けているなど自分で離婚を切り出すことに不安がある場合には、はじめから弁護士に同席してもらったり弁護士に代理で交渉してもらったりすることも選択肢の一つとなります。
6. 証拠集め、資料集め
有利な条件で離婚したいなら、事前の証拠や資料集めが非常に重要です。
財産分与のための資料
預貯金通帳、不動産の全部事項証明書、査定書などの資料をコピーでも構わないので手元に集めましょう。
不貞の証拠
相手が不貞している場合、離婚を切り出す前に証拠を集めておくべきです。不貞相手との写真やLINEのやりとり、ホテル利用時のクレジットカードの明細書など可能な限り多くの証拠を集めましょう。
暴力やモラハラの証拠
相手から暴力やモラハラを受けているならその証拠も必要です。診断書や写真、録音データなど集めましょう。
親権を獲得するための資料
親権争いが生じそうな場合には自分が親権者にふさわしいと判断してもらうための証拠が必要です。
これまでの監護実績を示す資料など集めましょう。
7. 知識を得る
有利な条件で離婚するには離婚に関する法律知識が必須です。
養育費や婚姻費用、財産分与の方法や慰謝料の相場、請求方法など、本やインターネットで調べたり、弁護士相談を利用するなどして、法律知識を得ましょう。
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離婚を切り出すべきタイミング
離婚を相手に切り出すタイミングは、いつにすればよいのでしょうか?
それは、先ほど解説した「離婚を決意した際に準備しておくべき7つの項目」についてすべて準備が整ってから切り出すことをおすすめします。
特に、離婚や慰謝料請求に必要となる証拠の収集は、最低限済ませてから離婚を切り出すとよいでしょう。
なぜなら、証拠が集まっていない段階で相手に離婚を切り出してしまうと、その後の証拠収集が困難となる可能性が高いためです。
たとえば、相手の不貞行為を理由として離婚をしたい場合において早期に離婚を切り出してしまうと、その後離婚が成立するまで不貞行為の相手方と会うことを控える可能性があるでしょう。
そうなれば、不貞行為に関する証拠の確保が困難となってしまいます。
離婚を決意した場合、できるだけ早期に決着をつけてしまいたい場合もあるかと思います。
しかし、後悔しない離婚をするためにも、相手へ離婚を切り出すタイミングは慎重に検討することをおすすめします。
相手との離婚協議で決めるべきこと
準備が整ったらいよいよ相手と離婚協議を開始します。
以下のような事項を取り決めましょう。
財産分与
夫婦が婚姻中に協力して形成した財産を分けることです。
法律的には夫婦共有財産を2分の1ずつにするのが原則です。
ただし両者が納得すれば2分の1以外の割合にしてもかまいません。
慰謝料
相手の不貞や暴力、モラハラなどを理由に離婚する場合、慰謝料を請求できます。
不貞の場合、相手だけではなく不貞相手にも慰謝料請求可能です。
慰謝料の金額相場は概ね100~300万円程度となっていますが、ケースによって異なります。
なお性格の不一致など「どちらが悪いともいえない」場合には慰謝料を請求できません。
親権者
未成年の子どもがいる場合「親権者」を決めなければ離婚できません。
協議離婚するには夫婦双方がどちらを親権者にするか、合意する必要があります。
養育費
親権者になる場合には相手に養育費を請求できます。
家庭裁判所では、養育費について「算定表」が利用されていますので、相場を知りたい方は参考にするとよいでしょう。
裁判所:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について
面会交流
協議離婚の場合でも、「離婚後の別居親との面会交流」を定めておくべきとされています。
特に幼い子どもがいる場合には、離婚後、子どもと別居親をどのくらいの頻度でどのようにして会わせるか、話し合って決めましょう。
子どもの利益を最優先にしながらも、同居親に過度な負担がかからないよう、面会交流の方法を定めましょう。
年金分割
相手や自分が厚生年金に加入している場合「年金分割」ができます。
相手が会社員でこちらが専業主婦の場合などに年金分割をすると、将来受け取れる年金額が上がるので、老後の生活の助けになります。
年金分割には、「合意分割」と「3号分割」の2種類がありますが、合意分割を求める場合、相手との間において、年金分割とその分割割合について取り決めなければなりません。
合意後も、離婚後2年以内に年金事務所で年金分割の手続きをしなければならないので、忘れず早めに対応しましょう。
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話し合いで解決できない場合の対処方法
離婚したいと思っても、相手がどうしても離婚に応じないケースが少なくありません。
相手が不貞を認めない場合もありますし、親権者や財産分与で争いが生じて合意できない場合もよくあります。
どうしても話し合いで解決できなければ、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てましょう。
調停では調停委員が間に入って話し合いを進めてくれます。
調停前に弁護士に依頼して相手に離婚意思を告げるのも一つの方法です。
弁護士が入ると、相手も、こちらの離婚意思を受け入れ、離婚に応じるケースが少なくありません。
調停離婚が成立しない場合には、離婚裁判を提起することになります。
離婚の手続きに必要なもの・手続きの流れ
離婚手続きに必要なものや、離婚手続きの流れは次のとおりです。
離婚の手続きに必要なもの
離婚をするためには、当事者双方が離婚届に署名をして役所へ提出する必要があります。
提出時には、記入済の離婚届と併せて、次のものを持っていきましょう。
- 提出者の本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなどです。
- 戸籍謄本:本籍地以外の市区町村役場へ離婚届を出す場合にのみ必要です。
また、裁判所を介さずに協議で離婚をする場合には、離婚届に2名の証人による署名が必要となります。
そのため、証人の候補をあらかじめ検討しておくとよいでしょう。
なお、離婚調停や離婚裁判で離婚をした場合には、証人の署名の代わりに調停調書の謄本や判決書の謄本などが必要となります。
離婚手続きの流れ
離婚手続きの一般的な流れは、次のとおりです。
離婚について取り決める
はじめに、離婚をすることについて取り決めをしましょう。
当事者間で話し合いがまとまらない場合には、離婚調停や離婚裁判などで離婚するかどうかを取り決めます。
離婚の諸条件を取り決める
離婚をすること自体の取り決めと合わせて、離婚に関する諸条件について取り決めます。
離婚の諸条件とは、たとえば親権に関することや養育費に関すること、慰謝料や財産分与に関することなどです。
こちらも当事者同士で取り決めることが原則ですが、当事者間の話し合いで決着がつかなければ、離婚調停や離婚裁判などで決めることとなります。
離婚届を提出する
離婚することや離婚についての諸条件についての取り決めができたら、離婚届を記載して市区町村役場に提出しましょう。
原則として、提出先は届出人の本籍地の市区町村役場です。
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離婚で後悔しないために
離婚で後悔しないためには、離婚を切り出す前に、一度離婚問題にくわしい弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士へ相談することで、離婚へ向けて集めるべき証拠についてアドバイスが受けられる他、離婚した場合に相手から受け取れる養育費などの想定もしやすくなるためです。
また、離婚へ向けての自分の意思を再確認するきっかけともなるでしょう。
離婚後の生活は、離婚後も長く続いていきます。
財産分与や養育費など必要な取り決めをしっかり行い、後悔しない離婚を行いましょう。
まとめ
離婚したいと思ったら、まずは自分の心に「本当に離婚してもいいのか、後悔しないのか」聞いてみてください。
その上で証拠や資料を集めたり知識を仕入れたりして準備を行い、「後悔しない離婚」を実現しましょう。
離婚という判断は非常に重く、簡単にできるものではありません。
弁護士にご相談いただくと、別居や離婚してからの生活がイメージできるよう、夫婦間で取り決めておくべき事柄についてアドバイスをすることができます。
離婚の切り出し方や、相手に離婚を切り出す前に準備すべき事項、証拠や資料の収集方法などについても具体的に説明、アドバイスいたします。
Authense法律事務所が選ばれる理由
Authense法律事務所では、離婚問題について、豊富な経験と実績を有する弁護士らで構成する離婚専任チームを設けています。
これまでに蓄積した専門的知見を活用しながら、交渉のプロである弁護士が、ご相談者様の代理人として相手との交渉を進めます。
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離婚問題を弁護士にご依頼いただくことには、さまざまなメリットがあります。
感情的になりがちな相手方との交渉を弁護士に任せることで、精神的なストレスから解放されますし、日常生活への影響も最小限に留められます。
相手方に有利な条件での示談や和解を要求された場合でも、弁護士に依頼することによって、過去の判例などを踏まえた対等な交渉ができます。
また、問題終結後に弁護士を通して合意書を作成しておけば、和解成立後に相手方から再び慰謝料を請求されたり、不貞行為の内容をSNSに投稿されたりといった事後的なトラブルを未然に防止することも可能になります。
私たちは、調停や裁判の勝ち負けだけではなく、離婚後の新生活も見据えてご相談者様に寄り添い、一緒にゴールに向けて歩みます。
どうぞお気軽にご相談ください。
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