コラム
公開 2019.07.18 更新 2023.12.01

5月病?様子のおかしい夫と離婚したい

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5月に入る頃、夫の様子がおかしいと感じることがあります。やたらとふさぎ込んでいたり、反対に偉そうにされたりやつあたりをされたり、あるいは無理な要求をされたり。
そんなやりとりに疲れてしまったとき、夫と離婚できるのでしょうか?

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5月になって夫の態度がおかしくなったときに考えられる原因

5月病になっている可能性

5月は、会社員がいわゆる「5月病」の状態に陥る季節といわれます。
少し新しい環境に慣れて緊張が緩んだ分、どっと疲れが出て会社に行きたくなくなり、そこで夫がふさぎ込んだり妻にやつあたりをしてきたりするケースも考えられます。

なお、「5月病」とは正式な病名ではなく、上記のような状態を一般的に示す言葉です。
5月頃に一時的にふさぎ込んでいても、夏頃にはすっかり慣れて普通に元気にしているケースもあるでしょう。

うつ病などの精神病になっている可能性

夫の様子がおかしいとき、それが精神病の症状である可能性もあります。
たとえば、会社での勤務がつらくなって「うつ状態」「うつ病」になっているケースです。
新しい仕事や環境になじめない場合、仕事で大きな失敗をした場合、上司からパワハラを受けた場合などにうつ病になってしまうケースが考えられるでしょう。
うつ状態になると無気力になるだけではなく、家族に対する思いやりを持てずに八つ当たりをしたり、泣き出すなど感情的になったりするケースもありえます。

パーソナリティ障害の可能性

それまでには気づかなかったものの、実は夫がもともと「パーソナリティ障害」などの精神障害を抱えていた可能性も考えられます。
5月になり、夫にストレスがかかったためにもともとの障害が顕著になった結果、家族が気づくというケースです。

パーソナリティ障害とは、一般とは異なるさまざまな「人格障害」です。
人格障害にはさまざまなタイプがありますが、問題になりやすいのは「自己愛性人格障害」や「境界性人格障害」です。
自己愛性人格障害は、自分への愛情が特に強いタイプで、いわゆる「モラハラ夫」に多いです。
「自分の言うことが絶対的に正しく妻は自分に従うべき」という考えを持っているので、妻に同調を強要したり束縛したり蔑んだりします。
境界性人格障害は、自分と他者との関係のイメージを捉えにくい人格であり、被害妄想を持ったり自傷行為をしたりするケースもあります。

5月になり夫の様子がおかしいと思ったとき、単なる5月病ならば良いのですが、うつ病や人格障害などが隠れている可能性もあります。
心当たりがあれば、一度精神科を受診してみることも選択肢となるでしょう。

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精神障害だけでは離婚理由にならない

夫がうつ病やパーソナリティ障害などの場合、妻が対応に疲れて「離婚したい」と考えるケースもありえます。
民法は、配偶者が「回復しがたい精神病」のケースにおいて離婚を認めています。
では、配偶者が5月病やうつ病、パーソナリティ障害であることは「回復しがたい精神病」に該当しないのでしょうか?

民法の定める「回復しがたい精神病」は、どのような治療を施しても医学的に回復が難しい精神病です。
具体的には、重度の統合失調症や躁うつ病、偏執病やアルツハイマー病などのケースにおいて、離婚が認められています。
また、回復しがたい精神病で離婚するには、それまでに相手を献身的に介護してきたことが必要であり、離婚後に相手が生活に困らない状態を作る必要もあります。

このことから、夫が普通に会社員を続けており多少様子がおかしい、うつ状態になっている、普通と異なる人格障害がある、という状況では「回復しがたい精神病」として離婚することは困難といえます。

精神障害の相手と離婚することは可能

ただし、相手が精神障害をもっているからといって離婚できないわけではありません。
相手がうつ病や人格障害だったとしても、離婚に至るプロセスは変わりません。
2人で話し合って離婚協議がまとまったら離婚届を作成・提出して協議離婚できますし、調停や訴訟で離婚することも可能です。

精神障害の相手と離婚しても不利にならない

「夫が精神的に不安定な場合、離婚すると不利になるのではないか?」と心配になる方がおられます。
しかし夫が精神病だからといって、妻が離婚の際に不利になることはありません。
夫婦の間に共有財産があれば、きちんと財産分与を2分の1請求できますし、相手から暴力やモラハラを受けていた場合や相手が不倫していた場合などには慰謝料請求も可能です。
子どもがいる場合、夫が精神病であれば多くのケースで妻が親権者となりますし、離婚後に養育費を請求することも可能です。
相手が精神病だからという理由で、離婚を諦める必要はないのです。

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精神障害の夫と離婚する方法

夫が精神障害を抱えている場合、どのようにして離婚を進めればよいのでしょうか?
以下で手順を解説します。

離婚協議をする

まずは夫と離婚について話し合いをするところから始めましょう。
夫に離婚を承諾させることが第一のステップです。
ただし、パーソナリティ障害の夫の場合などには簡単には納得しないケースも多いので、あなたの決意がどれだけ固いのか知らせる必要があります。
また、夫が不倫している場合には不倫を理由に離婚請求できるので、証拠を持っていることなどを告げて離婚を通告しましょう。
一方DVやモラハラを受けている場合で、夫に直接離婚を切り出すと身に危険が及ぶ可能性がある場合には、協議の段階を飛ばして別居することも選択肢となります。

別居する

同居したままでは相手との離婚話がうまくいかない場合、いったん別居して距離をおくという方法があります。
距離をとることによって相手も頭を冷やし、離婚に応じる気持ちになるケースが考えられます。
別居中は婚姻費用(生活費)を請求できるので、調停などを利用してきちんと払ってもらいましょう。

離婚調停をする

別居して協議を進めても離婚できない場合には調停を申し立てましょう。
調停では調停委員が間に入ってくれるので、自分たちで話し合うよりも冷静に話を進められます。

離婚訴訟を検討する

調停でも離婚できなければ、離婚訴訟を検討しましょう。
ただ、法律上の離婚原因がないと訴訟しても離婚できないので、実際に訴訟を起こすべきかどうかについてはケースごとの検討が必要です。
離婚に詳しい弁護士に現在の状況を相談し、訴訟を起こすのが得策かどうか、相談しながら進めましょう。

まとめ

夫の様子がおかしいと思いながら、今後の長い人生でずっとそれに合わせて生きて行くのはしんどいものです。
離婚するかどうか悩まれているなら、お一人で抱え込まずにお気軽に弁護士までご相談下さい。

Authense法律事務所が選ばれる理由

Authense法律事務所では、離婚問題について、豊富な経験と実績を有する弁護士らで構成する離婚専任チームを設けています。
これまでに蓄積した専門的知見を活用しながら、交渉のプロである弁護士が、ご相談者様の代理人として相手との交渉を進めます。
女性弁護士が数多く在籍しており、面談予約時に「弁護士性別」をご希望いただくことも可能です。

弁護士らで構成する離婚専任チーム

離婚問題を弁護士にご依頼いただくことには、さまざまなメリットがあります。
感情的になりがちな相手方との交渉を弁護士に任せることで、精神的なストレスから解放されますし、日常生活への影響も最小限に留められます。
相手方に有利な条件での示談や和解を要求された場合でも、弁護士に依頼することによって、過去の判例などを踏まえた対等な交渉ができます。
また、問題終結後に弁護士を通して合意書を作成しておけば、和解成立後に相手方から再び慰謝料を請求されたり、不貞行為の内容をSNSに投稿されたりといった事後的なトラブルを未然に防止することも可能になります。

私たちは、調停や裁判の勝ち負けだけではなく、離婚後の新生活も見据えてご相談者様に寄り添い、一緒にゴールに向けて歩みます。
どうぞお気軽にご相談ください。

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記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
京都大学総合人間学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。一般民事(主に離婚事件)に関する解決実績を数多く有する。また、企業法務についても幅広い業務実績を持つ。
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