離婚調停を迎えるにあたって
離婚調停を迎えるにあたって準備しておくことや、調停委員と話すときに気を付けることなど、調停成立までの流れをまとめました。
離婚調停を迎えるにあたって準備しておくことや、調停委員と話すときに気を付けることなど、調停成立までの流れをまとめました。
調停期日までに、自分が何についての問題を相手と話し合いたいと考えているのか、問題点のうち、それぞれについて「自分はどのような希望を持っているのか」、その理由を、調停の期日で正確に調停委員に伝えることができるよう準備しておきましょう。
話し合いたいことをはっきりとさせておく(希望や理由もしっかりと)
当事者間で言い分が食い違うことになる可能性が高い場合には、その点についての証拠を探しておく
例)妻は夫が不貞行為(浮気・不倫)をしたと主張し、夫は不貞行為(浮気・不倫)をしていないと主張している場合。
事実があったかどうかで夫婦間の言い分がことなっている場合には、それに関する証拠がないか探し、証拠があれば第1回目の調停期日で提出もしくは開示することも考えておきましょう。
不貞行為(浮気・不倫)に関する証拠として、写真などの強い証拠があれば、夫の言い分は信憑性が弱くなり、不貞行為(浮気・不倫)に関する話し合いは決着がつき、その後の調停では他の問題についての話し合いを進めることができます。
証拠がないのであれば仕方がありませんが、あるのに提出しないとなると、不貞(浮気・不倫)をした、していないと言い合いになり、その言い合いだけで第1回目の調停期日が終わってしまい、他の問題点についての話し合いが全く進まないことになります。
このように、自分の言い分を相手が争ってくると考えられる場合には、自分の言い分に関する証拠がないか探し、調停期日で提出もしくは開示することができるよう準備しておく必要があります。
特別なものを用意する必要はありませんが、高級な時計やアクセサリー、香水などは控えるほうがようでしょう。
「身だしなみチェックリスト」を参考に、当日は早めに起きて身だしなみを確認しましょう。
身だしなみチェックリスト
男性編身だしなみチェックリスト
女性編調停で失敗しないためには、自分の主張を正確に調停委員に伝えることが必要になります。調停委員も、当事者の心の中まで知ることはできませんので、意向を正確に伝えられないと、自分の希望に沿わない内容の調停が成立してしまうことも考えられます。
例えば、不貞行為(浮気・不倫)を理由に調停を申し立てたところ、相手方から不貞行為(浮気・不倫)はしていないと反論されてしまうことがあります。
このようなとき、自分の主張が事実であることを裏付ける証拠が必要となります。
証拠があれば、自分の主張が事実であると調停委員に分かってもらえるでしょうし、相手方もそれ以上は争わなくなることも考えられます。
調停では、相手方が自分の主張を争ってくる例は多数あり得ます。
どのような証拠が重要なのか、どのような証拠があれば調停委員と相手方を納得させることができるのかは、判断が難しいこともあります。
しかし、それが重要な証拠であることに気づかず、提出することができたのにその機会を逃してしまった結果、不本意な結果になってしまうことだけは避けなければなりません。調停を申立てる前からしっかりと準備をし、その後の手続きの中で、どのタイミングでどの証拠を提出する(もしくは開示する)のかを考えておく必要があります。
調停は訴訟と違い、証拠を提出して、その証拠をもとに裁判所が心証を抱き、何らかの判断が下るという手続きではないため、案件によっては、訴訟になるか見通しをたてたり、その見通しにしたがって、調停段階でどこまで情報を開示するか判断したり、難しい選択をしなければなりません。
感情的対立が激しい離婚調停においては、冷静かつ論理的に訴えることは難しいかもしれません。なぜなら、主張するだけではなく、主張が正しいことを証明するための理由や事実(証拠)をしっかりと調停委員に伝えなければならないからです。
調停で自分の言いたいことを言えるか不安に感じている方、相手方との争いが激しくなってしまっている方は、離婚問題に詳しい弁護士にご相談されてみるのも良いでしょう。
あなたの話は相手にちゃんと伝わっているでしょうか?言葉で伝わる内容は全体の35%、残りの65%は話し方や表情などで伝わると言われています。
敬語が上手に使いこなせなくても、自分ができるだけ、ていねいな言葉づかいを心がけましょう。
調停委員に「この人は調停を通じて相手と話し合う気持ちがあるんだ」と心を寄せてもらえるように、背筋を伸ばして、まっすぐ相手の目を見て話しましょう。
深呼吸をして、落ち着いて、ゆっくりと話し始めましょう。
「あれも話そう、これも話そう」とすると、つい高音早口になってしまうものです。語尾をはっきりと、「。(読点)」を意識しながら、話すと良いでしょう。
調停で申立人と相手方が離婚に合意すると、調停調書が作成されます。
調停調書には「申立人と相手方は、(相手方の申し出により)本日、調停離婚をする。」という合意内容が記載されます。また、親権など子どもに関すること、慰謝料、財産分与などお金に関することなどの合意された内容についても記載されます。
調停調書が作成された後は、不服申し立てや取り下げることはできませんので、調停調書作成時に調停調書の内容が自分の認識と違わないか、最後までしっかりと確認しましょう。
申立人が離婚届、戸籍謄本、調停調書の謄本を、市区町村役場などに提出します。届出期間は調停成立後10日以内です。万が一、届出期間を過ぎてしまった場合でも離婚は無効にはなりませんが、3万円以下の過料が科せられます。
戸籍には、調停離婚であることがわかる記載が残ります。
「離婚届を作成し提出する」という合意をするものです。離婚届を提出してはじめて離婚が成立することになります。
この場合、調停調書を作成する場合と作成しない場合があります。離婚届を作成する旨の合意だけであれば、調停調書が作成されないことが多いです。
「離婚をしない」終わり方もあります。今後の生活について、別居や同居、子どもの監護養育方法、改めるべき生活態度などについて「合意」をして終わるというものです。
申立人は、離婚調停を申し立てた後、自らの意思で申立てを取り下げることができます。
「取下書」を裁判所に提出すると、調停は終了します。相手方の同意は不要です。
調停で話し合いを尽くしたけれど、今後も合意が見込めないと判断した上での取下げや、相手方の欠席が続いた後の取下げは、調停不成立による終了と同様にみなされ、離婚裁判(離婚訴訟)を提起することができます。
離婚調停を行っても、当事者間に「合意が成立する見込みがない」、または「成立した合意が相当ではない」と考えられる場合には、調停は不成立で終了となります。
離婚調停が不成立で終わってしまい、希望する結果を得られなかった場合には、「離婚裁判(離婚訴訟)」によって離婚が争われます。
調停不成立の通知を受けた日から2週間以内に提起すれば、調停申立て時に遡って、訴えの提起があったものとみなされます(民事調停法19条)。
また、調停を申立てた際の手数料額は納付済みとみなされ、離婚裁判(離婚訴訟)を提起する際の印紙額から控除されます(民事訴訟費用に関する法律5条1項)ので、調停の申立て費用は無駄になりません。
また、離婚裁判(離婚訴訟)を提訴するには、「法定離婚原因(民法第770条)」が必要となり、原則として、有責配偶者(自らの浮気や不倫などの不貞行為が原因で、婚姻の破綻を招いた側の配偶者)からの提訴は認められません。
訴訟では、裁判所が一定の結論を出すために必要となる事実を主張していくことになります。その事実を裁判所が認めることにより、一定の結論が導かれることになりますが、反対に、認めてもらうことができない限り、真実であったとしても、残念ながら自分の望む結果は得られません。なお、訴訟では、事実の主張は、口頭ではなく、書面を提出することにより行わなければなりません。
また、訴訟の場合、主張する事実を裏付ける証拠を提出する必要があります。
例えば、相手が不貞行為(浮気・不倫)をしていたので離婚したいと考えて訴訟を提起しても、その事実を証拠によって証明できなければ、離婚が認められないことになってしまいます。
このように、訴訟の場合、調停の場合以上に、専門的な知識や経験が必要となります。
自分が望む結果を得るためには、どのような条件が必要となるのか、その条件についてどのような主張をするべきか、どのような証拠を提出すれば裁判所が納得してくれるのかを考えながら手続を進めていくことになります。
離婚調停を有利に進めることができます。
調停が成立した際に作成される「調停調書」は、裁判による判決と同じ法的効力を持ちます。望まない条件の重大さに気づかずに受け入れてしまうことは避けなくてはなりません。
一方、デメリットとしては、弁護士費用がかかる、弁護士との相性が悪いとスムーズに調停手続が進まないなどがあげられます。
しかし、離婚調停での合意が難しいと想定される場合には、調停不成立後に速やかにかつスムーズに離婚裁判(離婚訴訟)を提起できるよう、離婚調停時から弁護士に委任しておくことをおすすめします。
弁護士として、法律の知識と論理的思考力は当然です。その上で、どれだけ調停や裁判(訴訟)の経験を積んできたかが弁護士を選ぶ指標の一つでしょう。
不安があると時間は長く感じるものです。どのくらい待てばいいのかわからないと、さらに時間は長く感じ、不安は不信に変わります。
信頼の上に成り立つ「委任」契約においては、ご依頼者様の不安に心を寄せ、疑問にわかりやすく丁寧にお答えできるだけでない、迅速な対応力も重要です。
弁護士バッジを付けているからといって、ご依頼者様にとって最良の弁護士とは限りません。「この弁護士、そもそも社会人として大丈夫かな?」などと感じるようでしたら、委任するかどうか持ち帰って、よく検討された方がよろしいでしょう。
平成27年度の司法統計によると、調停申立て総数6万5684件のうち、調停がなんらかの形で成立した割合は、3万5931件のとなり、およそ54.7パーセントとなります。
申立人の約2人に1人は、調停が成立している計算となり、難航する離婚の話合いを調停により解決する方法も実効的なものであることが分かります。
参考:平成27年 司法統計
第15表 婚姻関係事件数―終局区分別
http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/709/008709.pdf
弁護士白書2016年版によると、弁護士の離婚調停に関与する割合は、平成16年の21.5%から平成27年度の43.9%までほぼ倍増しており、弁護士を代理人として離婚調停手続を進める人が増えているということがわかります。
離婚調停にかかる手続には、法律の知識があまりない方からすると難しい部分もありますし、後のことを考えて漏れのないようしっかりと取り決めをした方が良いと考えて、弁護士に代理人として活動をしてもらいたいと考える人が多くなっていると思われます。
参考:弁護士白書2016年版
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大切なことだから 話す相手は選んでほしい
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