離婚・男女問題のよくある質問

お子様をめぐる問題

離婚後は子どもを夫に会わせたくないのですが・・・

離婚後に、子どもを引き取らなかった親は、子どもと面会したり、一時的に一緒に過ごしたりする権利(面会交流権)があります。ですから、正当な理由がない限り、元夫が、子どもを引き取った元妻に対し、子どもとの面会を求めた場合、元妻はこれを拒否することができません。

面会交流を巡ってトラブルにならないよう、事前に、面会交流についての協議書を作成する方法が望ましいですが、協議で話し合いがつかないときは、家庭裁判所で、面会交流の調停の申立てをし、調停手続の中で、面会の具体的方法などを定めておくとよいでしょう。

親権者の変更は可能ですか?

離婚後の親権者の変更は、必ず家庭裁判所の調停や審判によって行う必要があります。親権者が行方不明などの理由により、調停に出席できないときは、家庭裁判所で、親権者変更の審判の申立てをすることができます。親権者の変更は、「子どもの健全な成長を助ける」という観点から、調停手続では、具体的事情を確認のうえ、子どもの意向を考慮して、話合いを進めていきます。
なお、話し合いがつかず調停が不成立になったときは、自動的に審判手続に移行し、裁判官が一切の事情を考慮して、親権者を変更するかどうかの審判をすることになります。

養育費って何?

子を授かった後に離婚をする場合、子の親権監護権者を決めなければなりません。その結果、離婚後は、親の一方が子を引き取り、子育てをしていくことになります。ただ、離婚したとしても、親の子に対する扶養義務は影響を受けません。子の親であることに変わりはないからです。そのため、子育てに要する費用は、親の双方が負担することになります。

そこで、子を引き取った親は、相手方に対して、子育てに要する費用のうち、相手方の負担部分を支払ってもらうことができます。これが、一般に「養育費」と呼ばれるものです。

養育費はどうやって決めるの?

理論的には
①義務者・権利者の基礎収入を認定する
②義務者・権利者及び子それぞれの最低生活費を認定する
③義務者・権利者の分担能力の有無を認定する
④子に充てられるべき生活費を認定する
⑤義務者の負担分を認定する
というプロセスを経て算定します。

ただ、現在の離婚実務では、このプロセスを標準化して簡易で迅速な養育費の算定を可能とするために作成された、「養育費の算定表」が活用されています。「養育費の算定表」を用いて、離婚当事者の各総収入額と、子どもの人数、子どもの年齢をもとに目安となる養育費の額を算出し、その金額を前提に相手方と交渉をして、養育費の額を決定することが通常となっています。
もっとも、これはあくまで基準ですので、特殊事情がある場合には、考慮されるケースもあります。

養育費の相場は?

統計上は、養育費は平均して1月あたり3万円から5万円くらいが多くなっているようです。ただ、実際は、双方の収入、子どもの年齢などによって大幅に異なります。

子どもが1人の時の養育費の相場

家庭裁判所では、平成15年4月より、養育費を決めるときの参考資料として「養育費・婚姻費用算定表」が用いられています。この算定表にある「義務者」とは養育しない親、「権利者」とは子を養育する親をいいます。

養育費は「義務者」が「権利者」に子の養育にかかる費用を支払うものです。子の人数と年齢に応じて養育費が算定されていますが、実際の養育費は両親の収入や生活水準によっても変わります。

例)
義務者(養育費を支払う親)の年収600万円の給与所得者
権利者(子を養育する親)の年収300万円の給与所得者
子1人(0~14歳)の養育費:4~6万円
※令和元年12月23日改訂前の算定表に基づく試算です

子どもが2人の時の養育費の相場

例)
義務者(養育費を支払う親)の年収550万円の給与所得者
権利者(子を養育する親)の年収350万円の給与所得者
子2人(第1子及び第2子0~14歳)の養育費:6~8万円
※令和元年12月23日改訂前の算定表に基づく試算です

子どもが3人の時の養育費の相場

例)
義務者(養育費を支払う親)の年収700万円の自営業者
権利者(子を養育する親)の年収200万円の給与所得者
子3人(第1子15~19歳,第2子及び第3子0~14歳)の場合:16~18万円
※令和元年12月23日改訂前の算定表に基づく試算です

養育費を払ってほしいが、相手方が応じません。困っています。

まずは、養育費に関する取り決めが、判決、調停調書、公正証書等(「債務名義」といいます)でなされているのかを確認しましょう。
養育費に関する取り決めについて債務名義がある場合、強制執行の手続きを執り、相手方の財産を差し押えることで、相手方からの養育費の支払いを実現することができます。

そのほか、家庭裁判所から相手方に対して、養育費を支払うよう勧告してもらうことも可能です。養育費に関する取り決めについて債務名義がない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停の申立てをして、養育費の支払いを求めることになります。

経済力で劣る場合も親権者になれるの?

夫婦間で合意ができず、審判や判決で親権者を決めることになった場合には、子どもの今後の生活環境が親権者を決める判断要素の1つとなります。そのため、経済力の有無という点も親権者を決めるうえで1つの判断要素にはなりますが、父母間で経済力に差異がある場合には、養育費の支払いという形でその差を埋めることができるため、それほど大きな障害とならないことが多いです。
そのため、経済力で劣る場合でも、親権者になることができます。

養育費はいつまで支払われますか?

養育費の支払義務の終期については法律で決まっているわけではなく、子どもが経済的に自立するまで支払う必要があります。支払い合意の段階では、子どもの自立の時期は明確ではないことから、大学を卒業するまで、20歳になるまでなど、一般的に自立することが期待される時期を終期と定めることが多いです。

両親が離婚すると、子どもの氏(名字)や戸籍は、どうなりますか?

両親が結婚の際に、夫の氏を名乗って子どもが1名いる場合を想定し、父親が親権者として、子どもを引き取る場合と、母親が親権者として、子どもを引き取る場合に分けて、説明します。

父親が親権者

両親が離婚しても、戸籍上、子どもの氏に影響はないため、子どもは、父親の氏を名乗り続けることになります。また、親権者と子どもの氏が同じときは、同じ戸籍に入ることができますので、そのまま、父親と子どもは、同じ戸籍に入り続けることになります。ですから、父親が親権者となるときは、子どもの氏や戸籍に変更はなく、とくに難しい問題は生じません。

母親が親権者

母親が親権者となるときは、少し、問題が生じます。母親は、離婚をすると、結婚前の氏に戻ります。そして、親と子どもの氏が異なるときは、法律上、同じ戸籍に入ることができません。その結果、離婚により母親と子どもの氏が異なることになるため、母親と子どもは、同じ戸籍に入ることができません。
母親と子どもが同じ戸籍に入るためには、原則として、管轄する家庭裁判所で、子どもの氏の変更許可申立てを行い、子どもの氏を変更することについて、家庭裁判所の許可を得る必要があります。そのうえで、入籍届を、役所に提出することで、晴れて、母親と子どもは、同じ戸籍に入ることができます。

妻が離婚後も、夫の氏を使用

民法では、「婚氏続称」という制度により、妻が、離婚後も、婚姻前の氏ではなく、夫の氏を名乗ることができます。ただし、この「婚氏続称」という制度は、あくまで、離婚後も、婚姻中の氏を名乗ることが許されるのみで、民法上の氏は、結婚前の氏に戻るのが建前です。

ですから、上記【母親が親権者】の項目に記述しましたとおり、母親が「婚氏続称」制度を用いて、婚姻中の氏を名乗っていたとしても、母親と子どもが同じ戸籍に入るためには、やはり、管轄する家庭裁判所で、子どもの氏の変更許可申立てを行い、子どもの氏を変更することについて、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
このように、結婚によって氏を変更した配偶者が、離婚の際に、親権者として、子どもを引き取る場合は、家庭裁判所で、子どもの氏の変更許可申立てを行わないと、子どもと同じ戸籍には入れないため、注意が必要です。

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