調停離婚

離婚調停と離婚協議の違い

離婚調停は、家庭裁判所において裁判官または調停官と共に、2名の調停委員(男女1人ずつ)が話し合いに立ち合います。
中立な立場の第三者である調停委員が、申立人と相手方のそれぞれから話を聞き取り、ときに調停委員からの提案を受けながら話し合いが進められます。
離婚協議と違い、当事者間が顔を合わせて直接話し合うことがありませんので、落ち着いて話し合いができます。

また、離婚調停は、離婚だけではなく、親権や面会交流、養育費などの子どもに関わること、慰謝料や財産分与、年金分割の割合などのお金に関わることについても、一緒に話し合うことができます。
合意がなされた内容は、裁判所の判決と同じ法的効力を持つ「調停調書」にまとめられるため安心です。

離婚調停とは

離婚調停とは、離婚について話し合いがまとまらない場合や、さまざまな事情で話し合いがむずかしい場合に、家庭裁判所の調停手続を利用して、離婚に向けた「話し合い」をする方法です。

正式には、夫婦関係等調整調停といい、離婚そのものだけではなく、親権者、面会交流、養育費、財産分与、年金分割、慰謝料などの問題も併せて話し合うことができます。話し合いがまとまらず、調停が不成立になった場合には、別途、離婚訴訟を提起する必要があります。

調停委員

離婚調停においては、裁判官または調停官と共に、調停委員が話し合いに立ち合います。
調停委員とは、原則として40歳以上70歳未満の弁護士、医師、大学教授、公認会計士、不動産鑑定士、建築士などの専門家のほか、地域社会に密着して幅広く活動してきた人などから選ばれます。
離婚調停は、夫婦・親族などの問題であるため、男女1人ずつが調停委員として指定するよう配慮がなされています。

出典
http://www.courts.go.jp/saiban/zinbutu/tyoteiin/ filter_none

書式
夫婦関係等調整調停申立書
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/14m-fuufukankei.pdf filter_none

離婚調停を申し立てるタイミング

・話し合いにならない
「夫(妻)が話し合いに応じてくれない」
「夫(妻)が怖くて2人で話をするのが怖い」
「何度話し合いをしても離婚を拒否される」
「感情的になって冷静な話し合いができない」
離婚調停は、原則として、調停委員2名と片方当事者が調停室で話をしますので、相手方と直接話し合いをする必要がありません。
相手方に離婚する意志がない場合、将来的に、裁判(訴訟)となることも想定して、早めに離婚調停を行うのがよいでしょう。
※「訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に調停の申立をしなければならない。(家事審判法18条1項)」と法律で規定しているため、裁判の前に必ず調停を申し立てなければなりません。

・条件が折り合わない
「慰謝料は払わないと言われてしまった」
「子どもの親権を主張してどちらも譲らない」
「希望する養育費は支払えないと言われた」
「財産分与の金額で折り合えない」
子どもの親権や面会交流、養育費をどうするか、慰謝料や財産分与、年金分割の割合などをどうするかなど、いろいろな条件で相手方と対立することは多いでしょう。
夫婦での話し合いで離婚条件に折り合いがつかない場合は、調停委員に第三者として話し合いをとりついでもらえる離婚調停がよいでしょう。

・突然、裁判所から書類が届いた
「裁判所から離婚調停の呼び出し状が届いた」
まずは、落ち着いて、書類の内容に目をとおしましょう。
第1回調停期日の日時と場所を確認し、今後どのようにしたらよいか不安や疑問があれば、できる限り早めに弁護士に相談しましょう。

別居について

離婚する前に、別居するべきかどうか悩まれる方も多いと思いますが、離婚調停などの法的手続を行うにあたり、「別居」をすることは必要条件ではありません。
もっとも実際のところ、離婚を考えるほど夫婦関係が破綻している場合、「一つ屋根の下で生活することが精神的に辛い」と、別居をされる方が多くいらっしゃいますが、別居中に子どもを養育していたのはどちらであったかによって、親権者の決定に影響がある場合があり、また、別居中の生活費(婚姻費用)の問題などもあるため、別居をすべきか否かというのは、状況に応じて様々です。
別居を考える場合、別居をするのが適切かどうか、弁護士にご相談されるのがよろしいでしょう。

申立先
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所

調停の流れ

調停は平日に行われ、1回の時間はだいたい2時間程です。

調停の流れ

原則として、各調停期日の開始時と終了時に、双方当事者ご本人が同時に調停室に入室し、調停に関する説明が行われますので、支障がある場合には「進行に関する照会回答書」に事情を記載しましょう。手続代理人が選任されている場合も同様です。

調停を申し立てるには

離婚調停の申立てに必要な費用

離婚調停の申立てには、収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手が必要となります。
※ 収入印紙は最寄りの郵便局などでお買い求めください。郵便切手は相手方への書面の郵送などに必要となります。詳しくは申立てをされる裁判所へご確認ください。

例)東京家庭裁判所へ夫婦関係調整(離婚)調停を申し立てる場合(2017年4月現在)
収入印紙 1,200円
連絡用の郵便切手 100円×2枚,82円×8枚,10円×10枚,5円×2枚 合計966円分

離婚調停の申し立てに必要な書類

・申立書3通(裁判所用、相手方用、申立人(あなた)用の控え)※1
・事情説明書1通
・子についての事情説明書1通(未成年の子がいる場合)
・連絡先等の届出書1通
・進行に関する照会回答書1通
・夫婦の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本(とうほん))1通(3ヶ月以内に発行されたもの)
・「年金分割のための情報通知書」1通(発行から1年以内のもの)※2

※1 申立書は、法律の定めにより相手方に送付しますので、裁判所用、相手方用、申立人(あなた)用の控えの3通を作成してください。
※2 離婚とともに年金分割における按分割合(分割割合)に関する調停を求める場合にのみ必要です。情報通知書の請求手続きについては、年金事務所(厚生年金の場合)、各共済年金制度の窓口にお問い合わせください。

申立書の書式・記載例

定型の申立書をこちら filter_noneのページからダウンロードすることができます。

また、裁判所の窓口に3枚複写式の申立書用紙があります。

調停手続で必要な書類の提出方法

調停では、必要に応じて主張を裏付ける資料等の提出を求められることがありますので、調停委員会の指示に従って提出します。

例)養育費の必要な子のいる場合、財産分与を希望する場合、婚姻費用等について決まったことがある場合など。

離婚調停が行われる場所

離婚調停が行われる場所は、全国の家庭裁判所の本庁、支部、出張所です。全国どこの裁判所でも調停の申立てができるわけではなく、調停の申立てをできる裁判所は決まっています。これを、管轄といいますが、離婚調停の場合は原則として、離婚調停の相手方住所地がそれぞれの裁判所の管轄となります。
ただし、相手方と同意できるのであれば、管轄の異なる裁判所に申立てをすることも可能です。

※各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧はこちら
裁判所ウェブサイト
http://www.courts.go.jp/map_tel/index.html filter_none

申立書を裁判所に提出して受理されたら

申立書を裁判所に提出し受理されたら、だいたい2週間くらいで申立人と相手方に調停期日通知書が届きます。

【みほん】調停期日通知書(申立人)
http://www.courts.go.jp/niigata/vcms_lf/90.kijitutuuti_mousitate.pdf filter_none

【みほん】調停期日通知書(相手方)
http://www.courts.go.jp/niigata/vcms_lf/90.kijitutuuti_aite.pdf filter_none

離婚調停期日の準備について

調停期日までに、自分が何についての問題を相手と話し合いたいと考えているのか、問題点のうち、それぞれについて「自分はどのような希望を持っているのか」、その理由を、調停の期日で正確に調停委員に伝えることができるよう準備しておきましょう。

・話し合いたいことをはっきりとさせておく(希望や理由もしっかりと)
離婚する、離婚しない
未成年の子の親権者
未成年の子が面会交流する時期、方法
未成年の子の養育費 (1人あたり毎月    円)
財産分与    円
慰謝料    円
年金分割の按分割合

・当事者間で言い分が食い違うことになる可能性が高い場合には、その点についての証拠を探しておく
例)妻は夫が不貞行為(浮気・不倫)をしたと主張し、夫は不貞行為(浮気・不倫)をしていないと主張している場合。

事実があったかどうかで夫婦間の言い分がことなっている場合には、それに関する証拠がないか探し、証拠があれば第1回目の調停期日で提出もしくは開示することも考えておきましょう。

不貞行為(浮気・不倫)に関する証拠として、写真などの強い証拠があれば、夫の言い分は信憑性が弱くなり、不貞行為(浮気・不倫)に関する話し合いは決着がつき、その後の調停では他の問題についての話し合いを進めることができます。

証拠がないのであれば仕方がありませんが、あるのに提出しないとなると、不貞(浮気・不倫)をした、していないと言い合いになり、その言い合いだけで第1回目の調停期日が終わってしまい、他の問題点についての話し合いが全く進まないことになります。

このように、自分の言い分を相手が争ってくると考えられる場合には、自分の言い分に関する証拠がないか探し、調停期日で提出もしくは開示することができるよう準備しておく必要があります。

調停期日当日の流れ

step01 受付調停期日通知書を忘れずに持参しましょう!

調停期日通知書に記載されている裁判所に到着したら、家事書記官室で受付をします。

受付の際に伝えること
・調停に来たこと
・事件番号
・申立人であるか相手方か
・氏名

step02 申立人は、申立人待合室、相手方は別の待合室(相手方待合室)へ案内されます。

step03 調停手続の説明(各調停期日の開始時と終了時)

原則として、申立人と相手方が同席の上で調停手続に関する説明が行われます。
顔を合わせることで何らかの支障がある場合には、申立書と一緒に提出する「進行に関する照会回答書」にあらかじめ事情を記載しておきましょう。手続代理人が選任されている場合も同様です。
調停手続の説明が終わると、申立人から調停委員と話をします。1回30分程度で交互に話をして、通常2時間ほどかかります。

離婚調停の終わり方

<離婚調停が成立する場合>
調停離婚を成立させる場合
調停で申立人と相手方が離婚に合意すると、調停調書が作成されます。

調停調書の法的効力
調停が成立した場合、「調停調書」が作成されます。調停調書は、裁判による判決と同じ法的効力を持ちます。
調停調書に記載された内容に従わない場合には、強制的に財産を差し押さえることができる強制執行手続をすることができます。また、家庭裁判所から相手方に「決まったことを守りなさい」と勧告をしてくれる「履行勧告」や命令をしてくれる「履行命令」という制度があります。

【みほん】調停調書
http://www.courts.go.jp/niigata/vcms_lf/90.tyouteityousyo.pdf filter_none

調停調書の内容は最後までしっかり確認する
調停調書には「申立人と相手方は、(相手方の申し出により)本日、調停離婚をする。」という合意内容が記載されます。また、親権など子どもに関すること、慰謝料、財産分与などお金に関することなどの合意された内容についても記載されます。
調停調書が作成された後は、不服申し立てや取り下げることはできませんので、調停調書作成時に調停調書の内容が自分の認識と違わないか、最後までしっかりと確認しましょう。

調停成立後は?
申立人が離婚届、戸籍謄本、調停調書の謄本を、市区町村役場などに提出します。届出期間は調停成立後10日以内です。万が一、届出期間を過ぎてしまった場合でも離婚は無効にはなりませんが、3万円以下の過料が科せられます。
戸籍には、調停離婚であることがわかる記載が残ります。

<「離婚届を作成して提出する」という合意をする場合>
「離婚届を作成し提出する」という合意をするものです。離婚届を提出してはじめて離婚が成立することになります。
この場合、調停調書を作成する場合と作成しない場合があります。離婚届を作成する旨の合意だけであれば、調停調書が作成されないことが多いです。

「離婚をしない」終わり方
「離婚をしない」終わり方もあります。今後の生活について、別居や同居、子どもの監護養育方法、改めるべき生活態度などについて「合意」をして終わるというものです。

<離婚調停が成立しない場合>
・申立人が離婚調停申立てを取下げる場合
・当事者の合意が取れず、調停が不成立となる場合
・調停員会が調停をするのに適当でないと認めたとき等に調停をしない場合

離婚調停が取下げで終わってしまったら
申立人は、離婚調停を申し立てた後、自らの意思で申立てを取り下げることができます。
「取下書」を裁判所に提出すると、調停は終了します。相手方の同意は不要です。
調停で話し合いを尽くしたけれど、今後も合意が見込めないと判断した上での取下げや、相手方の欠席が続いた後の取下げは、調停不成立による終了と同様にみなされ、離婚裁判(離婚訴訟)を提起することができます。

離婚調停が不成立で終わってしまったら
離婚調停を行っても、当事者間に「合意が成立する見込みがない」、または「成立した合意が相当ではない」と考えられる場合には、調停は不成立で終了となります。
離婚調停が不成立で終わってしまい、希望する結果を得られなかった場合には、「離婚裁判(離婚訴訟)」によって離婚が争われます。

調停不成立の通知を受けた日から2週間以内に提起すれば、調停申立て時に遡って、訴えの提起があったものとみなされます(民事調停法19条)。
また、調停を申立てた際の手数料額は納付済みとみなされ、離婚裁判(離婚訴訟)を提起する際の印紙額から控除されます(民事訴訟費用に関する法律5条1項)ので、調停の申立て費用は無駄になりません。

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